冬の食卓の定番、お鍋。外せない具材といえば、そう、キノコです。
中でも肉厚のしいたけって、美味しいですよね。ところで、しいたけを冷蔵庫に入れておいたら何やら白い物体が付着していた、なんて経験はありませんか?
「そんなに日も経っていないけど、一体これは何?食べられるの?」と不安になりますよね。
神経質な人ならすぐさまポイしてしまうかもしれませんが、ちょっと待ってください。早速、あの白いモノの正体をお教えしたいと思います。
目次
しいたけの白いものはカビ?虫?
まず考えられるパターンは2種類あります。
①しいたけの白いのはカビではなく気中菌糸
表面の付着物が綿菓子のようにふわふわしている場合、その正体は「気中菌糸(きちゅうきんし)」と呼ばれるしいたけに生えているものです。
これはきのこ類を冷蔵庫で保存するとよく見られるもので、しいたけの水分を栄養にして伸びている菌糸です。
普段売っているしいたけのようなもぎ取られた状態になると菌糸の活動は止まるのですが、たまに止まらないことがあります。
それが白いふわふわとしたものの正体の気中菌糸です。それ自体がしいたけの風味を損なうことはなく、カビではないので、食べても何ら問題はありません。
そもそも、しいたけを含むキノコ類が「菌」だってご存知でしたか?
私たちが普段キノコとして食べている部分は「子実体」といわれ、子孫をつくる時期がくると発生する生殖器官。キノコの傘の下から胞子を拡散させているのです。
キノコが収穫されてスーパーに運ばれる過程では、温度が様々に変化します。
そして家庭の冷蔵庫でしばらく保存されていると、キノコが子孫を残すにはまだ早いと判断し、元の糸状に戻ろうとして、あの白いふわふわが出てくるというわけです。
キノコの中の水分を栄養にして菌糸が伸びただけなので、ご安心を。ちなみにキノコに発生するカビは青緑色の粉状をしているので、たやすく見分けが付きます。
ただしカビが生えていなくても酸味のある強い臭いを放っていたり、傘の裏側が黒ずんでいたりする場合は完全にアウト。
おなかを壊すので迷わず捨てましょう。茶色ぐらいならセーフなので早めに食べ切ってください。
②しいたけの白い虫はキノコバエ
直径5ミリ程度の白いつぶつぶした物体が動いている場合、その正体は通称「キノコバエ」というハエの幼虫です。
スーパーで売っているしいたけは無菌状態で栽培してあるため付着していることは稀ですが、自然の中で原木で育成される天然物や自家栽培のしいたけにはほぼ必ず付いています。
結論を言ってしまうと、虫が付いたまま食べても体に影響はありません。
ハエと聞くと不衛生なイメージがありますが、汚いものに触れているわけではないので大丈夫。
むしろ虫が付着しているということは、農薬を使用しておらず良質であることの証でもあるんだとか。
年配の方やしいたけの産地の方に至っては気にせず食べてしまうそうですよ。
しいたけに生えているカビは白色ではなく緑色
そもそもしいたけに生えるカビとはどんなものなのでしょうか?答えは緑色のものです。
緑色のものはしいたけに生える青カビです。青カビですが緑色や青緑色のものが生えることもあります。
では黒色や茶色に変色している場合はどうなのでしょうか?
この場合はカビではないですが、食べない方が良いでしょう。黒色は腐っている可能性があります。
品質の劣化がかなり進んでいると言えます。茶色は黒色に変色する寸前でまだ食べられる場合がありますが、変色している部分を切り取るなど気を付けて食べましょう。
それ以外に腐っている可能性があるのは、カビっぽい臭いや酸っぱい臭いがしている場合、また感触が滑っていたり水が出ているなどの場合です。
しいたけにいるキノコバエを取り除くには??
そうはいっても虫は虫。いくら無害と言われても、あまり食欲をそそるものではありませんよね。
それに放置しておくと、表面から内側にまで侵入してしいたけを食い散らし、いざ包丁で切ってみたら中がスカスカ・・・ということもあるようです。
ちなみに私はキャベツについている芋虫も絶対にダメな質なので、虫を発見した場合、どんな食材も問答無用でゴミ箱行きにしています。。。
ただ上にも書いたとおり、虫が付いているしいたけに限っては天然で立派なものが多く、購入するとなると高価な代物。捨ててしまうにはもったいないですよね。
虫に抵抗がなければ、もちろんピンセットで一つひとつ取り除いても良いのですが、私のように神経質だったり虫嫌いだったりする方にはハードルが高いのが実情です。そ
こでおすすめするのが「虫出し」と呼ばれる作業。
目安としては1リットルの水に大さじ1~2杯の塩を入れ、軸を下向きにしたしいたけを15~30分ほど浸しておきます。
すると虫の死骸が浮いてくるので、それらを取り除いて水洗いし、あとは乾かすだけ。直接手を触れずに簡単に虫を除去することができます。
ただし、キノコの表面には旨味成分がたっぷり付いているので、しいたけに限らずキノコは洗わず調理するのが一般的。
虫出し作業を行うのは、原木栽培されたような天然物のしいたけにとどめておくのがいいでしょう。
新鮮なしいたけの見極め方は?新鮮な生しいたけの見極めポイント
しいたけを購入するとき、出来るだけ長持ちする新鮮なしいたけを購入したいところです。そこで新鮮なしいたけを見極めるポイントをご紹介します。
傘が開き切っていないもの
傘が開き切ると胞子が飛び、旨みや香りが逃げ風味が悪くなり雑菌が付着しやすくなります。
結果、鮮度が落ちてしまいます。新鮮なしいたけを選ぶときは6割から8割ぐらい傘が開いているものを選びましょう。
肉厚なもの
肉厚なしいたけはよく成長している証しです。薄いものよりも肉厚なものを選ぶと良いでしょう。
また裏面の筋が綺麗に通っていて、色味が白いものです。しいたけは古くなると裏面が黄色く濁ってきます。ですので白いものが新鮮と言えます。
軸が太くて短いもの
しいたけは育った環境によって軸の太さや長さに違いが出てきます。
軸が太くて短いものは、しいたけにとって最も心地よく過ごしやすい寒暖差や湿気の中で育ったものです。ですので風味が良くなります。
しいたけの正しい保存方法は?しいたけが長持ちする保存方法
購入したりもらったりしたしいたけをすぐに食べ切れない場合もありますよね。
しいたけは正しい方法で保存することで長持ちします。そんな時にオススメの保存方法です。
まずは新聞紙で軽く包みましょう。さらにそれをビニール袋に入れます。ポイントはビニール袋の口を密封しないことです。
軽く開けたままにして通気をよくします。そして冷蔵庫に入れましょう。5度程度の庫内で正しく保存することで1週間以上新鮮に保存できます。
とは言え、これは目安ですので出来るだけ早く調理し食べましょう。
また、1週間ほどで食べ切れない場合は冷凍保存することもオススメです。冷凍する時はまず食べやすい大きさにカットしておきます。
そして調理する時は解凍せず、そのまま鍋やフライパンに入れると良いでしょう。
解凍してから調理すると、解凍する際に旨みを含んだ水分が出てしまったり食感が悪くなり美味しくなくなってしまいます。こちらは1カ月程度保存できます。
またしいたけは乾燥することで旨みがアップしますが、冷凍することにも同じような効果があると言われています。
冷凍することによって、しいたけの細胞壁壊れます。これにより調理するときに旨みや栄養が浸み出しやすくなります。
ですので、食べ切れないとわかった時は早めに冷凍することをオススメします。
まとめ
・しいたけに付着した白いものの正体は・・・しいたけの水分を栄養にして伸びてきた菌糸
・天然物のしいたけなら虫がついているのは当たり前
・いずれにしても食べても問題なし
・しいたけを塩水に付けておくと手で触れずに虫を除去できる
・乾いた紙で包んで冷蔵すると長持ちする。スライスして冷凍すると1年間は保存が効く
しいたけに付いてるあの白いふわふわ、今まで食べちゃっていたという方はホッとされたのではないでしょうか?
逆に今まで捨てていたという方も、これからは安心してお食べください。
虫でさえ食べちゃってOKとはちょっと驚きですが、天然物の証と思えば、これまた安心ですね。
この記事では、いろんな野菜・果物・手作り食品のカビの対処法や防止方法を知ることができます。ぜひ参考にしてみてください。