くさやの臭いは世界何位?「昔より匂いが薄い」って本当?

日本一臭いと言われている食べ物は、伊豆諸島で主に作られている「くさや」です。話には聞いたことがあるものの、食べたことがないという方も多いのではないでしょうか?

私も食べたことがないのですが、食べた方の感想を色々と見てみると、「とにかく臭い」「排水溝」「ドブの臭い」「大泣きした」「動物園の臭い」「吐瀉物の臭い」…などなど、散々な言われよう。見た目では普通の干物と大差がなさそうなのに、なぜそこまで臭いものが出来上がってしまうのでしょう?

くさやの臭いは何のせい?匂いが薄くなる原因は?

先ほども触れましたが、くさやは伊豆諸島で伝統的に作られている干物の一種です。他の干物と何が違うのか、作り方を確認してみることにしましょう。

まず、青ムロ・ムロアジ・トビウオなどを用意します。それらの魚を新鮮なうちに開き、水でしっかりと血や内臓を洗い落とします。水気を切ったら「くさや液」と呼ばれる液体に一匹ずつ丁寧に漬け込み、一日置いたころに取り出して、網の上に並べて天日や乾燥機で干して完成です。

改めて確認すると、やはり「くさや液」が臭さの秘密のようですね。では、「くさや液」とはいったい何なのでしょう?実はくさや液は、長くて二百年ほど受け継がれ使い続けているというとんでもないシロモノ。

いったいなぜ、そんなことになったのでしょう。この疑問を解き明かすためには、江戸時代にまでさかのぼる必要があります。当時の伊豆大島では、はコメの代わりに年貢として用いられていたこともあり、大変な高級品

でも魚の干物を作るのには、もちろん塩が必要です。なので、干物にする魚を漬けこむ塩水(これを「水塩」というそうです)を一度で使い捨てず、何度も塩を足して使い続けました。

その結果、水塩の中に少しずつ魚肉のかけらが混ざり発酵していき、「くさや菌」と呼ばれる発酵菌が増殖、ついに茶色がかってわずかに粘り気を持ち、くさや特有の臭いと味を含んだ「くさや液」の誕生、となったそうです。

ちなみにくさや菌は抗菌性微生物と呼ばれる、他の腐敗菌を寄せ付けない性質を持つといいます。だからこそ、保存食として重宝されてきたんですね。

「くさや液」は家宝として代々受け継がれ、嫁入り道具として持たされることもあったというのですから、伊豆大島ではぬかみそのような感覚だったのかもしれません。

現在では家庭ではなく、主に加工場などで作られるようになったくさやですが、昔からのくさやファンからは「匂いが薄くなっている」と言われることもあるようです。しかし、製造されているお店では「くさや液の管理も、くさやの製造方法も昔と変わっていない」と断言されています。そんな中でただひとつ変わったのが、冷凍技術の発達

できたてのくさやを保存することなく流通させていた昔と比べ、冷凍保存したものを発送している以上、冷凍というプロセスで匂いがわずかにでも消されている可能性がある、とのことです。

出来立てのくさやを食べたければ対応します、と書き添えての紹介には、くさや製造業者さんのプライドをひしひしと感じます。

日本一臭い「くさや」も負ける!世界の臭い食べ物ベスト5

そんな日本一臭い「くさや」ですが、それでも世界に出ればもっと臭い食べ物はいくつかあります。世界の臭い食べ物ランキングを、5位からさかのぼってみましょう。

アラバスターという測定器で匂いを測定した数値を、臭さの単位(Au)とします。参考までに、履いた後の靴下が120Au納豆が452Auだそうです。

5位…くさや(1267Au)

日本一の臭さを誇るくさやでも、世界に出れば5位。それでも広い世界で5位なのですから、相当なものです。

4位…キビヤック(1370Au)

アラスカ・グリーンランドで作られる、「アザラシの腹を割きウミスズメの一種を詰めて、土の中で2か月~数年発酵させたもの」。現地では誕生日や結婚式などでふるまわれるごちそうとのこと。かつては、貴重なビタミン源でもあったようです。

3位…エピキュアーチーズ(1870Au)

ニュージーランドで作られる、缶詰入りのチーズです。熟成を缶の中で行うため、乳酸菌発酵による炭酸ガスで缶詰は膨張してパンパンになってしまうとのことです…

2位…ホンオフェ(6230Au)

エイの刺身や切り身を壺に入れて発酵させる、韓国の郷土料理。

発酵が進むほど美味とされますが、エイの身に含まれる尿素の加水分解が進むことでアンモニアと化し、強烈な臭いを発します。これも、キビヤックと同じく冠婚葬祭で振舞われる高級料理とのこと。

1位…シュールストレミング(8070Au)

堂々の1位は、スウェーデンで作られるあの有名な缶詰「シュールストレミング」です。

缶の中で発酵し続けるシュールストレミングは、気圧の変化で爆発し飛び散った臭い汁が荷物につく危険があるため空輸禁止。有名YouTuberたちも開封・実食動画をアップしています。怖いもの見たさで見ましたが、どれもインパクト大…!

まとめ

・くさやの臭いは「くさや液」によるもの。二百年もの間使われ続けているものもある!製造方法は昔と変わらないくさやも、冷凍で匂いが薄らいでいる可能性あり。

・くさやの臭さは、驚きの世界5位!それでも、臭い食べ物世界1位のシュールストレミングはくさやの6倍臭いとのこと。

納豆さえ苦手な私は、漂う臭いを想像するだけで倒れそうになりますが(笑)通常の干物とは比較にならないぎゅっと濃縮された旨みくさやの醍醐味とのこと。くさや製造業者さんも誇る出来立てのくさやのお取り寄せなど、チャレンジしたいという方は、ぜひ!

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