夜中、突然静まり返った暗い部屋に鳴り響く電話…何事かと起きて受話器を手にしても、その時にはもう切れている、という場合が大半です。
受信履歴を確認しても、そこにあるのは「非通知」の文字…一晩に一度でも気持ちが悪いのに、二度三度とかかってくることもあります。
ワンギリで切れてしまうも多いこの迷惑電話に困らされたこと、誰でも一度はあるのではないでしょうか。いったい、何が目的なのでしょう?
目次
夜中の非通知電話の正体と考えられる可能性
いたずら電話、間違い電話、それとも離れた家族の身に何か…!?考えられる可能性として以下のようなパターンが考えられます。
ワンギリによるコンピュータを使った自動発信
色々な心配をしてしまう夜中の非通知着信ですが、これらは大半が、「その電話番号が使用されているかどうか」を調べている業者による、コンピュータを使った自動発信によるものです。
そしてたいていの場合、これらはワンギリでかかってくることが多いです。電話の利用情報を収集する機器とソフトを用意して、使用可能な電話番号を自動的に作成、発信、情報収集にいそしんでは、その結果を販売する業者が存在するのです。
主に夜中でワンギリでかけてくるのは、昼間だと電話を取ってしまう利用者がいるため。利用者が電話を取った瞬間から通話料金が発生するので、可能な限り無料で情報収集をしたいこれらの業者が、発信時間を夜中に設定しています。
「勝手に個人情報を収集されてるなんて、ひどい!犯罪!」と思いますよね。けれども「電話番号の利用状況」だけでは個人と紐付けられた情報ではない=個人情報には当たらず、法規制が難しいのが現状です。
法律の抜け穴をくぐってコソコソと収集された情報の使い道を考えると、決して愉快ではありません。ほかに考えられる夜中の非通知の可能性としては以下のパターンが考えられます。
詐欺
あなたの電話番号が利用されているも番号なのかを確かめるためにかけてきている可能性があります。使われている番号だと分かれば業者にその番号を売ることができるからです。
アンケート調査を装い、自動音声で個人情報を提供するよう誘導してくるものもあります。一度提供してしまうと、個人情報がまた別の詐欺に利用されることもありますので、安易に個人情報を伝えないよう注意しましょう。
いたずら
単純ないたずらという可能性もあります。適当な番号にダイヤルし、うっかり出てしまった人の反応を楽しんでいるのです。この場合はあなたに電話をかけたいのではなく、誰が電話に出てもいいわけなので、危険性はほとんどありません。
一時的なもので、問題が長期化することもないですが大事にならない限りは対策のしようがないのが現状です。
ストーカー
夜中に限らず、毎晩帰宅したタイミングにもかかってくるなど、行動を把握されていると感じる場合はまず間違いなくストーカーです。無視を続けることでさらに相手の行為がエスカレートする危険もあります。
前述のように警察安全相談室「#9110」にかけるなど、問題を放置しないことが大切です。
嫌がらせ
詐欺などを目的としている非通知電話は、ほとんどの場合が自動的に非通知になる発発信専用の電話でかけてきています。したがって、それ以外の場合には「184」をわざわざ頭に付けて、一般の人がかけてきていることが考えられます。
代表的なものが嫌がらせです。あなたに何らかの恨みがあってかけてきているのです。この場合でよくあるのは、不倫などの人間関係の問題です。
「不倫相手の奥さんから非通知で電話がかかってくる」、「夫の不倫相手から非通知でかかってきた」というのはよくある話です。
嫌がらせをしてくる相手に問題があるのはもちろんですが、もしもあなたにも嫌がらせを受ける心当たりがあるのなら、それを解決するよう努めましょう。
夜中に限らない!非通知迷惑電話の新パターン
そして我が家にはここ1~2年ほど、自動音声ガイダンスから始まる謎の電話もかかってきます。これが深夜に限らず。ちょうどお風呂の時間だったり、子供が寝た後にテレビを楽しんでいる時だったりして、これもとても迷惑!
こういった電話について調べたところ、だいたい次の2パターンであることがわかりました。
・通信事業者や電力会社を騙っての詐欺
・自動音声を使ったアンケート業者
このうち、問題になるのは詐欺電話の方ですが、アンケートを装った個人情報の収集目的の場合もあるようなのが厄介です。
例えばアンケートでも性別と年代を答えれば、それだけで「この電話番号は使用されていて、○歳代の男性/女性が住んでいる」ということがわかる、というわけです。
これが本当に世論調査であれば問題はないのですが、もし個人情報目的だったら…その電話番号がセールスや詐欺に回ったら…と考えると、決して愉快ではないですよね。
70代と答えたばかりに、振り込め詐欺のターゲットにされる…そんな最悪の可能性も、決してゼロとは言えません。結論としては、非通知であろうとなかろうと、自動音声の迷惑電話がかかってきたら、即切る!でいいでしょう。
夜中の非通知を筆頭に、かかってくる迷惑電話に対抗する
ではもっと効果的な夜中の非通知に対する対策はないでしょうか?この章ではこうかてきな2つの対策法を解説します。
警察安全相談室「#9110」に連絡する。
まず大前提ですが、非通知設定の電話は、基本的には相手を特定できないと知っておく必要があります。非通知の相手は、「184」(非通知設定)をあなたの番号の頭に付けてかけてきています。
警察の権限であれば逆探知調査をしてもらえることもありますが、それは相談者やその家族に身の危険が迫っている場合など、緊急性・事件性がある場合に限ります。
したがって、「時々かかってきて気味が悪い。」程度では調査はしてもらえません。現状、個人で非通知の相手を特定する手段はないのです。
もちろん、日頃からストーカー行為を受けているなど、少しでも身の危険を感じる場合にはすぐに警察に相談してください。警察安全相談室「#9110」にかければ最寄りの警察相談窓口が話を聞いてくれます。
警察安全相談室:https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201309/3.html
非通知拒否設定をする
迷惑電話を受けたくない!と考えた場合、最良の手段は「非通知拒否」をすることです。固定電話の場合は、ナンバーディスプレイを契約していれば、電話機本体の設定で非通知からの電話をブロックすることができます。
型式の古いような固定電話でも簡単に設定できるため、一度取扱説明書を確認してみましょう。スマートフォンの場合も非通知拒否設定ができます。例えばauなら、使っているスマホから「1481」へ電話をかけるだけ。
、ドコモでも同様に指定の番号に電話をかけるだけで設定できるのですが、ソフトバンクの場合は有料サービスへの加入が条件のようです。とはいえ、一部、対策が取れないものもあります。
IP電話などを含む一部の通信事業者経由の通話や、一部を除く国際電話などの電話番号を通知できない発信までは、非通知拒否設定でブロックできない場合もあります。
この場合の固定電話用の対策として、在宅中でも固定電話は留守番電話に設定しておくようにしました。コールが鳴ったらナンバーディスプレイを確認、心当たりのない番号や番号表示のない怪しい電話には出ない、を徹底しましょう。
もしも本当に用のある電話なら、ほとんどの場合が留守電に要件を残してくださいます。なので、知らない番号でも、必要とわかればこちらからかけなおせばいいだけ。とっても気が楽になります。
もし夜中の非通知に出てしまった時の対処法2選
夜中非通知は、まずは電話を取らないことが一番です。電話を取らなければそれ以上のトラブルは起こりづらくなります。万一取ってしまった場合は、以下の2点の対処法を絶対に守りましょう!
まずは応答しないこと
いたずら目的でかけてくる場合、あなたが困っている様子を面白がっています。下手に応答すると相手が喜ぶような反応をしてしまうことにもなりかねません。夜中非通知が繰り返される原因になります。
こちらから言葉を発さないことです。そして、無言電話やいたずらと分かった場合は何も言わずにすぐに電話を切りましょう。
個人情報を伝えない
万が一夜中非通知に応答してしまった場合も、余計な情報を相手に渡さなければ被害は最小限にすることができます。電話を取るとき、反射的に「はい、〇〇です。」と名前を名乗ってしまいませんか?
非通知の電話では、絶対に名前を名乗ってはいけません。あなたの名前まで業者に売られてしまうことになります。そもそも、電話を取ること自体に大きなリスクがあることを前提に行動しましょう。
名前を名乗らなかったとしても番号が使われていることは分かってしまいますし、声で男性か女性か、どれくらいの年代なのかと、個人を絞り込んでいくことも可能です。
セールスのリストや詐欺名簿として売買されて非通知着信がさらに増えることになります。慎重な対応が必要です。
まとめ
・夜中の非通知電話(主に数コールで切れるもの)は、契約状態の調査が目的のことが大半
…その電話番号が使われているかどうか、定期的に確認している業者による自動発信。法的に取り締まれないのが厄介!
・自動音声ガイダンスの非通知電話の場合は、概ねアンケートか詐欺が目的
…アンケートなら問題はないのですが、詐欺との違いを見極めるのが難しいところ。
・対抗手段は固定電話もスマホも「非通知拒否設定」
…固定電話ならプラス「常に留守電に設定」、スマホなら「迷惑電話ブロックアプリを導入」することで、さらに心の平穏が保てます。
夜中に何度も非通知電話を受けたからといって、むやみにおびえる必要はありません。とはいえ、迷惑は迷惑。いつか、法律で規制される日が来ますように!
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