あなたはパイナップルを食べて舌がヒリヒリと痛くなった経験がありませんか?この痛みはもしかして自分だけ?もしかしてアレルギ―とかだったらどうしようと少し怖くなりますよね。
ですがこの痛みは実は身体に悪いどころか、逆に健康に良いという嬉しい効果があるのです。今回は痛みの原因から、対処法、どう健康にいいのかというのをご紹介します。
パイナップルで舌がひりひりする原因
このヒリヒリとした痛みはパイナップルに含まれるタンパク質分解酵素が原因です。このタンパク質分解酵素のことをプロメリンといいます。
なぜタンパク質分解酵素(プロメリン)が痛みの原因になるのかというと、人間の唾液にはタンパク質が含まれていて、プロメリンが口内のタンパク質を分解することで痛みが起こります。
正確にはプロメリンによってタンパク質が溶けて舌の粘膜があらわになることでヒリヒリします。人によってはチクチクと針を刺すような痛みや、なかなか痛みが治まらないという方もいるようです。
小さなお子さんなどはびっくりして泣き出してしまうこともありお母さんは心配ですね。次にこの痛みを解消・軽減させる対処法をご紹介します。
パイナップルで舌がヒリヒリするした場合の対処法
まずはもう食べてしまって痛い、今すぐ直したい方の対処法から。
牛乳やヨーグルトなどのタンパク質が多く含まれているものを摂る
痛みの原因はプロメリンによってタンパク質が分解されたからでした。なのでタンパク質を多く含む牛乳やヨーグルトを食べることで口内にタンパク質が戻り痛みを解消してくれます。これから食べるよという方はこちらです。
パイナップルを電子レンジでチンする
プロメリンは熱に弱いのでレンジで1分ほど温めてから食べると痛みがなく食べられます。ホットパイナップルなんてなんか美味しくなさそうと思われるかもしれませんが、意外とイケます(笑)温めることで冷え性の改善にもなるのでぜひ試してみてください。
ちなみに缶詰のパイナップルは口が痛くならないのは過熱しているからということですね。
完熟したパイナップルを食べる
なんともシンプルな方法!完熟しているパイナップルとは葉がピンとしていて濃い緑色、実の部分は皮の色が黄色っぽいものです。逆に完熟していないものは、房に近い部分の皮がまだ緑っぽい感じです。
またパイナップルは追熟しないのでスーパーで買う時に見極めましょう。
パイナップルの舌のヒリヒリは体に悪いの?
一般的に痛みは体からの危険信号とされています。ですがパイナップルに含まれるプロメリンは腸内に溜まった腐敗物も分解する働きがあります。食物繊維も豊富に含まれていて便秘解消効果があります。
他にも、関節の痛みを和らげてくれる効果や、アレルギー症状の緩和、血栓を溶かして心筋梗塞や脳卒中の予防効果もあると言われています。また抗酸化作用の高いビタミンCや、肌の水分をキープしてシミやしわを防ぐセラミドという成分もたくさん含まれていて美容効果もあるのです。
普段、深くまで食材の効果をよく考えてから食べる人は少ないと思いますが、実はこんなに嬉しい効果があったんですね!しかしあらゆるものにおいて言えることですが、食べ過ぎはよくありません。「腹八分目に病なし」ということです。
ほかにもあった、ヒリヒリ食材
パイナップルの他にもたんぱく質分解酵素が含まれる食材としてはパパイヤ(パパイン)、キウイ(アクチニジン)、イチジク(フィシン)、メロン(ククミシン)などがあります。かっこの中の名前はそれぞれに含まれるたんぱく質分解酵素の名前です。いろんな分解酵素があるんですね!
あらかじめこれらの食材が分解酵素が含まれていることがわかっていれば痛みが起こっても不安になりませんし、ちょっとした鼻タカさんになれますね(笑)
ただしこのプロメリンは60℃以上で加熱すると効果が半減してしまいます。(なので加熱処理がしてある缶詰やドライフルーツのパイナップルは痛みはありません)
パイナップルが酢豚に使われるわけ
誰もが一度は思ったことがありそうな「酢豚になんでパイナップルが入ってるの」問題。最初に酢豚にパイナップルを入れたのは清の時代の中国といわれています。理由は見た目が華やかだからだったそう。
そして現在は一緒に入れることで豚肉を柔らかくして消化吸収を助けるという理由で入れられることが多いです。しかし先ほども説明した通り、プロメリンは60℃以上ではもう死んじゃってます。
なので炒める時点で肉とパイナップルを入れてしまうと肉を柔らかくする効果はほとんどありません。
正しいタイミングは酢豚が出来上がってから盛り付けるのが一番効果があります。パイナップルは火を通す必要はないので後乗せということですね。パイナップルは火を通すと見た目も黄色ではなくなるので、清の考える「見た目が華やか」というのも後乗せのほうがよさそうです。
まとめ
- パイナップルを食べたときの痛みの原因はプロメリンというたんぱく質分解酵素で、痛み自体に問題はない。
- 痛みを抑えたいときは、牛乳やヨーグルトなどタンパク質の多いものを摂る。またはレンジでチンしたり、買う時に完熟しているものを選ぶ。
- パイナップルの他にもキウイやメロンなども痛くなる時がある。
パイナップルを食べた時のあのヒリヒリした感じは体に悪いものではなく、むしろ健康や美容にいいものだったんですね。痛みが起こった時はタンパク質の多いものを摂るようにして、日常的にパイナップルを食べる習慣がつくといいですね。
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