パイナップルは食べてはいけない?食べ過ぎのデメリットと健康への影響

南国のフルーツに代表されるパイナップルですが、昨今では年間を通してスーパーで気軽に購入ができます。身近な果物の中でも栄養価が高く、さっぱりとした酸味で人気のフルーツと言えるでしょう。

そんなパイナップルを食べて、舌がヒリヒリと痛くなったことはありませんか?

なぜそのようなことが起こるのか、健康に害はないのかどうか気になりますよね。この記事ではパイナップルの食べ過ぎによっておこる体への影響や、デメリット、パイナップルで舌がヒリヒリする理由について解説します。

パイナップルの食べ過ぎは体に悪いのか

パイナップル_食べ過ぎ

パイナップルはブドウ糖や果糖、クエン酸、カリウム、ビタミンなどたくさんの栄養素を含んでいます。疲労回復や美肌効果だけではなく、消化不良の改善・抗炎症作用などの効果があることから、ヨーロッパでは鼻炎や傷薬の軟膏としても認められています。

また、パイナップルに含まれるフィブリンという成分には、炎症部位に溜まり腫れを引き起こす成分を分解する作用もあるので、花粉症の症状を和らげるとも言われています。

何だかとても健康に良さそうな、万能フルーツに聞こえますね。ただし、どんなに体に良いとされるものであれ、過剰摂取は体に毒となります。栄養価の高いパイナップルと言えども、食べ過ぎは健康に良くありません。

パイナップルの食べ過ぎによるデメリット

 果物を食べる上で気をつけなければいけないことは、カロリーや糖質です。

「野菜や果物は体に良い」というイメージがありますが、基本的に果物は糖質を多く含んでいるため、食べ過ぎると血糖値が高くなったり、肥満の原因になります。

とは言え、パイナップルのカロリーは100gあたりでおよそ50kcal。バナナ1本が約80kcalなことを踏まえると、さほど高カロリーではありません。また、パイナップルは糖質も100gあたり約11gと、果物の中では低めと言えます。

このことから、一時期はダイエットにも効果的と謳われ、「パイナップルダイエット」も流行しました。ただし、前述の通り、比較的少ないとは言えカロリーや糖質を含んでいることに変わりはありません。

また、パイナップルは言わずもがな南国系のフルーツのため、体を冷やす性質があります。血圧を下げる働きもあるため、低血圧の方や妊婦の方は注意が必要です。

パイナップルの食べ過ぎで舌がヒリヒリする理由

生のパイナップルには「ブロメライン」というたんぱく質を分解する酵素が入っています。この酵素が舌の表面を覆うたんぱく質を溶かしてしまうので、パイナップルを食べ過ぎると舌がヒリヒリするのです。

実際に舌が傷ついているわけではないので、健康上の実害はありません。また、口の中で唾液は絶えず分泌されるため、溶かされたたんぱく質もすぐ再生します。

ただし、過剰に摂取することでブロメラインが食道や胃腸などを刺激し、消化器系の粘膜を傷つけてしまう恐れがあります。また、パイナップルの成分にはシュウ酸カルシウムという物質も含まれており、こちらも食べ過ぎると口の中を荒らしてしまうことがあるので、注意が必要です。

特に完熟していないパイナップルにブロメラインが豊富に含まれており、完熟したパイナップルにはあまり含まれていません。皮部分に緑色が残っているものは、完熟していないため、ブロメラインがたくさん含まれている可能性が高いと言えるでしょう。

この成分を利用して、肉を柔らかくするために酢豚やハンバーガーなどの料理にパイナップルを用いることがあります。

ちなみに、キウイやパパイヤにも同じようなたんぱく質分解酵素である「アクチニジン」や「パパイン」などが含まれています。

舌がヒリヒリするのを少しでも避けたい場合は、熟しきったパイナップルを購入することをお勧めします。

また、ブロメラインは熱に弱いため、加工段階で加熱されている缶詰では働きません。60度以上に加熱処理すれば、どんなに食べても舌がヒリヒリすることはありません。電子レンジでの加熱や、焼きパイナップルなどがおすすめです。

完熟していないものを生で食べる場合には、たんぱく質含有量の多いヨーグルトや牛乳と一緒に摂ることで、舌のヒリヒリを回避できます。

まとめ

  • パイナップルはカロリーや糖質は比較的低いが食べ過ぎは禁物
  • パイナップルで舌が痛くなるのは、ブロメラインというたんぱく質分解酵素が原因
  • 加熱処理や食べるときの工夫で、舌の痛みは回避できる

おいしいだけではなく、栄養価をたくさん含んでいるパイナップル。含まれる効果をうまく取り入れながら食べられると良いですね。

とは言え、パイナップルに限らず、どんなものでも食べ過ぎは健康に悪影響を及ぼしますので、ご注意ください。果物に関する記事は他にもあるのでこちらも合わせてご覧ください。