食卓で定番の食材のひとつ、エビ。一中でも甘エビは、エビ独特のうまみに加えてあのねっとりとした甘さで、子供から大人までファンが多いですよね。
そんな甘エビに、青っぽい小さなプツプツがついているのを見たことはありませんか?
そうです、卵です。卵であろうことは見た目でおおよそ判断がつきますが、生で食べることの多い甘エビですから、食べてもいい物なのか、また、食べられるものだとしてもこの青いのは傷んでいるのではないかと不安になる方も多いのではないでしょうか。
生の魚介が引き起こす食中毒の苦しさを知っている人なら、尚更警戒してしまいますよね。
今回の記事では、甘エビの卵は食べられるのか、また、あの青さの理由から美味しく食べる調理法まで、甘エビの卵にまつわる疑問に幅広くお答えしていきます!
目次
甘エビの青い卵は食べられる?
見た目は不安な色合いをしていますが、大丈夫です。この卵は食べられます。
最初は勇気がいるかもしれませんが、まだ食べたことが無い方は一度は是非試してみてください。
甘エビの卵は、魚卵特有の風味のほかにコクや自然な甘みがあって、苦手な方もいますが、好きな人にはやみつきになる美味しさ。
高級珍味として愛されていて、子持ちの甘エビは高級食材としてとても人気が高いんですよ。
甘エビの卵が青いのはなぜ?
そもそも、食べるかどうか迷ってしまう最大の理由はあの色、ですよね。
普段目にする魚卵は赤や黄色など暖色系のものが多い中で、甘エビの卵のあの色はちょっと特異に見えますよね。ここではその色の秘密についてもお答えします。
魚をご自宅で捌くとき、流れる血は何色でしょう…基本的に赤、ですよね。その為魚介類も哺乳類と同じように赤い血が流れていると思われがちですが、そうとは限らないのです。
今回のテーマである甘エビも赤い血が流れていないものの一つ。甘エビの血は実は青なんです。卵が青いのもその為なんですね。
人間の体内にヘモグロビンという物質があるのを、健康診断などで聞いたことのある方も多いと思います。
貧血気味のかたは特によく聞く単語ですよね。血中のこのヘモグロビンに含まれる鉄と酸素が結合すると赤くなる。その為人間の血は赤くなります。
一方、甘エビの血中ではヘモグロビンではなくヘモシアニンという物質が酸素を運ぶ役割をしています。
この物質には鉄ではなく銅が含まれるため、銅と酸素が結合して血液を青や青緑色っぽくするのです。
古い銅像のような色と言えばイメージしやすいでしょうか。
青い血を持つ生き物は意外と多く、エビやザリガニなどの節足動物のほか、タコやカタツムリといった軟体動物の血も、実は青いんですよ。
生食用の卵なら食べてもOK
食用なのは分かったものの、自分が買ってきたこの卵は大丈夫なのか、火を通さなければならないのか、心配になってしまいますよね。では食べられるのはどんな卵なんでしょう。
生食用に売られているものは基本的に、生のまま卵まで食べて大丈夫です。いったん冷凍されたものでも、解凍後に生で食べて大丈夫です。
ただ他の魚介類でも同じですが、卵を安全に食べられるのは鮮度のいいものに限ります。獲れたその日に食べるか、獲れた直後に適切に冷凍されたものを解凍してすぐ食べるのがいいでしょう。
漁獲日が分からない場合は、目と鼻で鮮度を確認する事ができます。甘エビの鮮度を目で確認する時、一番見分けやすいのは頭です。
頭は劣化が早いため、鮮度が落ちると黒ずんできます。頭がついていない場合も、殻が黒ずんでくると鮮度が落ちてきた証拠です。
また、鮮度が落ちると生臭い匂いが強くなってきますので、その場合は注意が必要です。
エビは食中毒になった際に辛い症状が続くのが特徴ですから、身はもちろん、卵は一層慎重に鮮度を見極めて下さいね。
また、鮮度や保存方法に不安のある場合は加熱調理をお勧めします。
卵付き甘エビの美味しい食べ方
エビの卵なんて見たことが無い!という方も少なくないでしょうから、どうやって食べれば良いのか初めての方は迷ってしまいますよね。ここでは、甘エビの卵の美味しい食べ方をご紹介します。
①まずはシンプルに、そのままで!
甘エビの、一番人気の食べ方といえばやっぱりお刺身!鮮度の良いものであれば、卵もぜひそのまま軽くお醤油につけて食べてみて下さい。
卵の風味、味、そして触感をダイレクトに楽しめますよ!三杯酢につけて食べても美味しいです。
②和え物にして
むき身にした甘えびと、卵、そして卵同様に珍味として名高いエビの味噌を合わせ、みりん、醤油、塩でさっと味を整えれば、甘エビを味わい尽くせる和え物の出来上がり!
卵は味だけでなく触感や彩のアクセントにもなってくれます。味付けの方法は梅肉を加えるなど様々なレシピがあるので、お気に入りの味を見つけてみるのも楽しいですよ。
③卵がちょっと苦手な方にも!お味噌汁に入れて
卵の風味が苦手だった方でも、お味噌汁ならぐっと食べやすくなりますよ!
甘エビを剥いた際に出る殻や頭から素晴らしい出汁が出るので、その出汁に卵も加えてお味噌で味を整えれば甘エビのお味噌汁の完成です。
卵の生臭さが軽減され甘みが増し、卵のまた別の魅力を楽しめますよ。
また、甘エビの卵に魅せられてしまった方の為に、卵の越前漬けを瓶で売ってるメーカーさんもあるんです。
やみつきになった方は、卵だけを食べられるという贅沢を味わってみてはいかがですか?
まとめ
・甘エビの卵は食べられる。
・青い理由は血中のヘモシアニン。
・生食用も冷凍品も食べられるが、事前に鮮度を見極めて。
・刺身や和え物、味噌汁などで楽しめる。
食材で青という色はとても珍しいですよね。
青は食欲を減退させる色として有名ですが、それは自然の食材に青がほとんどない為に脳が食品を連想しないのがその理由になっています。
でも、一歩踏み込んで視野を広げれば、青色でこんなに魅力的な食材もあるんです。食はお腹を満たすだけでなく人生を彩る楽しみでもありますよね。
甘エビの卵を知らなかった方はぜひこの機会にチャレンジして、日本の豊かな食文化の新しい楽しみを見つけて下さいね。