【ジャムのカビの見分け方】正しい対処法と保存方法

子供の頃、冷蔵庫に入れておいたジャムにカビが生えているのを見つけたとき、母親からこう言われました。

「カビが生えたところだけ取り除いて食べなさい。」

気持ち悪いな、と思いつつも、言われたとおりカビが生えていたところを取り除いて食べました。

特にお腹を下すようなこともなく、安心しましたが、母親が言ったことは正しかったのでしょうか?

この記事の中では、ジャムにカビがどうして生えるのか、生えたときにはどうすればよいのか、食べても良いのか、などの疑問にお答えしています。

ジャムにカビが発生する理由

市販のジャムは、必ず密封後に殺菌していますので、通常未開封の製品にカビが生えることはありません。

しかし、長期保存ができるジャムにもカビが生えることはあるのです。まず、カビの発生原因を知っておきましょう。

①水分・温度・栄養分・酸素

カビはどんなところに生えているか想像できますか?

そうです。カビは、じめじめした湿気の多い場所や温度が高い場所に生えてきます。

カビは、植物のように、水分・温度・栄養分・酸素等の条件がそろえば、長期保存可能なジャムにも生えるのです。

特に、20~30度の温度で繁殖がとても盛んになります。そのため、常温でジャムを保管しておくと、カビにとっては最適な環境となります。

また、糖度40~55%未満の甘さ控えめのジャムも、カビが利用できる水分が多く含まれているため、発生しやすい環境と言えます。

②空気中のカビ菌

ジャムを一度開封してしまえば、その密封性は損なわれます。

ジャムの蓋を一度開ければ、空気中にうようよ漂う、目には見えないカビ菌や胞子が入り込み、繁殖することでカビが発生することがあります。

また、一度使用したり、口につけたりしたスプーンでジャムに触れてしまうと、そのスプーンに付着している菌や胞子がジャムの中に入り込んでしまい、カビが発生することもあります。

ジャムのカビの見分け方

ジャムのカビと言っても、実はその種類は数多くあります。そのため、簡単に見分けることはできませんが、参考になることをお伝えします。

・白い浮遊物

ブルーべり^ジャムに良くあります。まだ買ったばかりなのに、白いものが浮いている、ということが。

これはブルーベリーの果粉ですので、食べても安心です。

・白くてふわふわした物

白くて、ふわふわとした細い繊維のようなものがあれば、それは白カビです。

ジャムに一番多く見られるカビが、この白カビです。もし食べてしまっても特に問題ありませんが、避けたほうが賢明です。

見た目が埃みたいにふわふわしているので、カビだとすぐ気づきます。

・霜のようなものが付着している場合

ジャムは大量の砂糖が加えてありますので、冷凍保存など、温度の変化によっては、砂糖の結晶分が表面に見えることがあります。

それをカビと見間違うことがありますが、その場合は温度が常温近くになるまで時間を置いてみましょう。

カビは消失することはありませんが、砂糖の結晶の場合は消えてしまい、見えなくなります。

カビが生えていると、どんな状態になるの?

「ジャムのカビくらい、どうってことないんじゃないの?」、と思う方もいるでしょう。もう少し、カビについて知っておきましょう。

カビの種類は数万種類あると言われますが、中には毒性のあるカビがあり、現在300種類以上が報告されています。

専門家であっても、肉眼でカビの種類の判別をするのは困難です。

カビは「菌糸」と言って、菌類の体を構成する非常に細い糸状の細胞や細胞の集まりで構成されています。

そのため、肉眼でカビを確認できる場合、かなり内部にまで菌糸が成長している可能性があります。

どの程度侵食されているかは簡単にはわかりません。一つ言えることは、カビが生えている場合、内部まで菌糸が成長している、ということです。

ジャムのカビは取り除いてもたべてはいけない

結論からお伝えしますが、カビを取り除いたとしても食べることは止めましょう!

私の母親が言ったことは間違っていましたね。

その理由は、先ほども述べたとおり、カビの中には人や動物に対して毒性があるものもあるからです。

カビ毒の場合、食中毒のような急激な症状が出ることは少ないと言われます。

しかし、その代わりに慢性的なアレルギー、肝臓・腎臓の障害、がんなどを引き起こす可能性があります。

もちろんジャムを一度に大量に食べる人はまずいませんので、問題は少ないと思いますが、基本的にカビが生えた食品は口にしない、食べない、ということが大切です。

ジャムのカビの対処法とは?

もしもジャムにカビが生えてしまったら、食べてしまったら、それぞれの対処法をご紹介します。

食べる前の対処法

ジャムにカビが生えていたら、もったいないと思わずに、基本捨てましょう。しかし、処分方法には注意が必要です。

①容器の中のカビを完全に死滅させてから外に出す

カビの生えたジャムをそのまま生ゴミに捨てると、周りにカビ菌が飛んだり、他の食品や食器などに移ってしまったりする可能性があります。

そのため、容器の中でカビを死滅させてから捨てるようにしましょう。

そのためには、まずジャムの容器の中にキッチンハイター(または塩素系漂白剤)を入れて、数回振ってからしばらく放置します。

そうするとカビは死滅しているはずですので、その後ビニール袋に入れて口をしっかり縛ってから、生ゴミとして捨てましょう。

②加熱する

これはお勧めしませんが、どうしてもジャムを食べたいという場合、カビの生えた部分とその周りをしっかり取り除き、残りを鍋で再加熱してから食べてください。

十分に加熱(最低15分以上)してください。

ただし、カビ毒は熱に対して耐性が高く、完全に分解することはできないといわれています。それでも食べたいという方は、自己責任でお願いします。

②食べた後の対処法

ジャムは開封した後は、賞味期限に関わらず、早めにお召し上がりいただくのがベストです。しかし、普通は何回か小分けにして食べることになりますので、そのときの注意点をご紹介します。

スプーンは何回新しいものを使用する

スプーンは、一度口にしたり、他のものに触れたりしたものは使用しないようにしましょう。そこから菌が繁殖し、カビが発生する原因になります。

毎回、消毒されている新しいスプーンを使用して、ジャムに触れるようにするとよいでしょう。

蓋はすぐに閉める

ジャムの容器の蓋をいつまでも開けっ放しにすると、そこから菌が入ってしまうことがあります。面倒くさいかもしれませんが、使ったらすぐに蓋を閉めることを徹底してください。

冷蔵庫に保管する

ジャムは常温保存するとカビが発生しやすくなります。そのため、必ず冷蔵庫で冷蔵保存しましょう。

ジャムのカビを防ぐ保存方法

ジャムのカビを防止するためには、先ほどお伝えした冷蔵保存が一番です。また、食べ切れなかった分をラップで包んで冷凍保存する方法も良いでしょう。

自家製ジャムの場合は、市販のジャムと違ってカビが生えやすいので、防止策を入念に行いましょう。

まずジャムを入れる瓶を煮沸消毒し、短期間で食べきれる分だけを冷蔵庫で保管します。一度に大量に作って保存するのは止めたほうが賢明です。

まとめ

・ジャムのカビは食べられません。

・たかがジャムのカビだからと言って、甘く見ず、カビが発生したらもったいないと思わずに処分する。

・開栓後は賞味期限に関わらず、早めに食べる。

最近、高級食パンのブームのようですが、それだけパン食派が増えているのでしょうね。

それに合わせて、ジャムの種類も増えてきました。

オーガニックや無添加ジャムもいろいろな種類がありますので、パンがお好きな方は毎日飽きずに楽しめるのではないでしょうか。

中にはまとめて購入する方もいると思いますが、ジャムにもカビが生えることがありますので、正しい知識を持って、ジャムを美味しくお召し上がりください。

この記事では、いろんな野菜・果物・手作り食品のカビの対処法や防止方法を知ることができます。ぜひ参考にしてみてください。