「紙コップって、電子レンジで加熱して大丈夫かな・・・」こんな疑問を持ったことがあるのではないでしょうか。
私は残った食べ物や飲み物をできるだけ捨てたくないので、とっておきます。電子レンジで温めなおせば、また楽しめますからね。
しかし、電子レンジの使い方には注意が必要です。実際に東京消防庁の調べでは、電子レンジによる事故件数が増加傾向にあります。
この記事では、電子レンジと紙コップを安全に取り扱う方法をご紹介します。
読み終わったときに、紙コップを電子レンジで使うことの是非、温めるときに気をつけるべきことが、わかっているはずです。
紙コップは電子レンジで温めてはいけない。
結論から言ってしまうと、紙コップを電子レンジで温めるのはNGです。なぜなら、電子レンジの事故につながりかねないからです。
その理由と根拠を、詳しくご説明していきましょう。
そもそも、メーカーは推奨していない
紙製品を主とする食器容器の製造販売をしている、株式会社日本デキシーという企業があります。
通販サイトでおなじみのアスクルやAmazon、楽天でも紙コップを販売している、大手企業です。
その日本デキシーが、「基本的に紙コップは電子レンジで使えない」という旨を、よくある質問への回答として出しています。
ただ使えないと言われても、人によっては納得しがたいものがありますよね。私はそのタイプで、なぜ使えないのかを知りたくなります。
理由を2つ見ていきましょう。
「突沸(とっぷつ)」にご注意
紙コップを電子レンジで加熱していると、温度が上がり過ぎることで、中身が飛び出してしまうことがあります。
これは「突沸(とっぷつ)」と呼ばれる現象です。加熱し過ぎた状態の液体に衝撃を与えると、
突然沸騰して、爆発するように飛び出します。これは電子レンジから取り出すときの振動や、ささいな衝撃でも起こりえます。
もし取り出すときに突沸が起これば、火傷をしてしまいますし、掃除が大変です。
ポリエチレンが溶ける
紙コップの内面は、耐水用のポリエチレンが薄く貼られている状態です。
100℃以下であれば加熱しても大丈夫なのですが、110℃以上になった場合、ポリエチレンが溶けだしてしまいます。
ポリエチレンが溶けて人体に入ってしまったとしても、害にはなりません。食品衛生法の基準に則った、安全なものを使用しているからです。
そのまま身体から出てくるので、体内にとどまってしまうことはありません。しかし、できればそのような使い方は避けたいところです。
紙コップの耐久性が損なわれて、形が崩れることもあります。以上2つが、メーカーが推奨しない理由です。
紙コップで保存してはいけない液体
捕捉になりますが、加熱してポリエチレンが溶けてしまうこととは別に、紙コップの使用用途に合わない例もあります。
それが、浸透性の強い液体を長時間入れておく場合です。浸透性の強い液体とは何かと言うと、
アルコールや油、薬品類などが挙げられます。短時間であれば問題はなくとも、長時間それらの液体が入れられていると、そのうち浸透して漏れてしまう可能性があるので、別の容器を使いましょう。
例えば調理で油を使って、余ってしまったぶんを紙コップに入れて保存しておこうとするのは、よくないということです。
飲み会で余ったお酒類を保存しようとするのも、同じですね。
紙コップを電子レンジでどうしても温めたいときは
「それでも、どうしても紙コップで温めたい!」そういう方もいらっしゃるかもしれませんね。
自分で工夫すれば、できなくもないです。少しでも不安を減らしたいなら、電子レンジ対応の紙コップや紙皿があります。
使用条件は、500W未満で2分未満、1000Wで40秒未満です。温めの手順はまず、ラップや蓋をしないで電子レンジの中に入れてください。
飲み口を塞いだ状態だと、急激に温度が上がってしまいます。そして温めるときに、飲み物専用のボタンを押しましょう。
中にはわかりにくいボタン表記の電子レンジもありますが、だいたいの製品にはついているはずです。通常の温めボタンで加熱するよりも、加減してくれます。
加熱中はときどき中断して、様子を見ましょう。ほどほどの温度で止めてください。沸騰するまで温めてはいけません。
どうしても紙コップで加熱したいのであれば、以上の点を踏まえて、慎重にしてください。
残った飲み物を電子レンジで温めるときのおすすめの方法
前パートで、以下の点をお伝えしました。
・急激な温度上昇を避けるために、蓋やラップはしない。
・飲み物専用の温めボタンを使う
・たまに扉を開けて、温度チェックをする。
他にも大切なことがあります。突沸の危険を少しでも減らし、電子レンジで安全に飲み物を温めるには、やはり紙コップは使わないことです。
電子レンジに適した容器に移し替えましょう。基本的には、陶器や磁器のカップがおすすめです。ただし、ヒビや欠けた部分のあるもの、装飾で金属が使われているものは避けましょう。
ヒビや欠けた部分のあるカップは加熱中に破損の危険性があり、金属製品は火花が飛んで火災の原因になります。他には、ガラスやプラスチック製品が使用可能です。
ただし耐熱性で「電子レンジ用」の表記があるものに限ります。私は確認が面倒なので、陶器のカップを使っています。
まとめ
・紙コップの電子レンジ使用はNG:突沸の危険、ポリエチレンが溶けてカップが変形する可能性あり
・電子レンジに適した容器を使う:陶器や磁器、耐熱ガラス、耐熱プラスチックなど
・蓋やラップをしない:急激な温度上昇を避けるため
・飲み物ボタンで加熱する:加熱が緩やかになる
・ときどき中断して様子を見る:沸騰するまで温めない
以上の点に気をつけておけば、安全に電子レンジを使うことができます。紙コップに残った飲み物は、なるべく別の容器に移し替えてから温めましょう。
電子レンジはとても便利ですが、使い方を間違えると、事故や故障、火災の原因になってしまいます。
メーカーは推奨していないので、紙コップを使うのであれば、自己責任で慎重にしてくださいね。