アドレナリンは痛みを軽減できる?鎮痛作用についても解説

興奮した時などに分泌されるといわれるアドレナリン。イメージでは、アドレナリンが分泌されると通常より頑張れたり、我慢出来たり、痛みに気付かないなど、『無敵になる』ようなイメージがありますよね。

アドレナリンってどういう時に分泌されるのか、コントロール出来るものなんでしょうか。まとめてみました。

アドレナリンとは?

アドレナリンとは一体どういう物質なのでしょうか。調べてみると、アドレナリンはホルモンの一種です。恐怖や不安、緊張や興奮、怒っている時や悲しい時、といった状態にある時、分泌されています。

アドレナリンとは、生存本能そのもの。人間の3大欲求も制限させるほど、強い力があります。『火事場の馬鹿力』なんて言われている、ピンチの時に普段以上の力が出るというのも、アドレナリンのおかげといわれています。

アドレナリンはストレスに反応している

アドレナリンが分泌されるためには、ストレスが大きく関係しています。敵に襲われる、飢える、などのストレスでアドレナリンは分泌されるそう。普段の何気ないストレスにも反応してます。

運動やトレーニングなどで、体を酷使した後にも分泌され、思っていたより気軽に分泌されます。

アドレナリンは痛み軽減につながる

では、アドレナリンが分泌されると、どのような変化が体に起こるんでしょうか?

『体の運動能力を向上させて、頭の回転を速くしたり、集中力をあげる』スーパーサイヤ人状態、と言えますね。色々な作用がありますが、特にすごいのが『鎮痛作用』がある事ですよね。

アドレナリンが分泌されると、痛み軽減につながります。アドレナリンというのは、生存本能ですから、『痛み』というのは逃げる・闘う時には大きな障害になります。

そこで、危機的状況になると、体を守るため、何よりも生存する事を優先させるために、『痛み』を軽減させてくれるのです。

アドレナリンが痛み軽減につながるのはなぜ?

アドレナリンに『鎮痛作用』があり痛みが軽減されることが分かりましたね。ではなぜアドレナリンが痛みに働いているのでしょうか。それはアドレナリンが神経そのものを『麻痺』させることで、痛みを軽減せているためです。

人間には多くの内臓器官に関わっている自律神経というものがあります。体温調節や血圧のコントロールなどをし、人が活動している時間帯に活発になるのが交感神経、休息時に活発になるのが副交感神経です。

この二つの自律神経はそれぞれの担う役割も違います。なので普段は体の状態に応じて、互いにバランスをとって調節されています。

アドレナリンが分泌されると、この自律神経もまたさらに変化していきます。まず交感神経は、アドレナリンが分泌されるとさまざまな器官に働きかけ、心臓の鼓動が早くなったり筋肉の血管が拡張したりします。

しかしその一方で、人の活動を抑制する働きのある副交感神経は、皮膚や血管を委縮させ、神経の感覚を麻痺させてしまうのです。麻痺してしまった神経は一時的な痛み軽減につながりますが、アドレナリンの分泌が収まると再度痛みを感じるようになります。

人の痛みには「患部の末梢神経から脳に伝えられるもの」や「末梢神経そのものが炎症を起こし、引き起こされるもの」、「脳や脊髄などの中枢神経がダメージを受けて引き起こされるもの」などがあります。

痛みを感じる際には神経が関係しているのが分かりますね。アドレナリンの分泌は、神経そのものに働きかけそれを麻痺させることで、『痛み』を軽減させているのです。

アドレナリンは完全に痛みをなくすことはできない

アドレナリンによって痛みを完全に消すことは『不可能』です。アドレナリンは神経を麻痺させ、一時的に痛みを感じさせない状態にはさせますが、完全に痛みを消し去ることはできません。

痛みはアドレナリンが分泌している最中は発生せず、麻痺が落ち着いた少し後に発生します。けがをしたときに痛みがしないからと言って、決して痛みそのものが消えてなくなったわけではないのです。「痛みを感じないなら、アドレナリンをずっと出していたい!」と思うかもしれませんが、残念ながらそれも不可能です。

アドレナリンを出す方法の一つとして、運動が挙げられます。運動は適度な活動量であれば問題ありませんが、過度な活動は人にとって大きなストレスになります。

ストレスを与えすぎると交感神経が優位に立ちます。すると血圧上昇、免疫抑制だけでなく、だるさや倦怠感を感じるようになり、結果として不調やトラブルに繋がります。

また胃腸の働きは本来、副交感神経が優位に立った際に活発に活動します。しかし過剰なストレスを受けると交感神経が優位に立つため、胃腸の調子が悪くなり下痢や便秘につがります。

痛み軽減はとても魅力的ではありますが、アドレナリンを分泌させることはつまり、ストレスを与え続けるということ。自分の体と向き合い、うまく付き合っていくことが大切です。

アドレナリンは痛みに働きかけるようにコントロールできる?

痛みを一時的に軽減できるアドレナリンですが、分泌を自由にコントロールすることはできるのでしょうか。これには二通りの答えがあります。まず痛みを軽減することを目的とするなら、アドレナリンの分泌をコントロールすることは難しいです。

なぜなら痛み軽減のために分泌されるアドレナリンは、けがをするなどの外的ショックを受けることによって分泌されるからです。けがというストレスは意識的に行われるものではないため、外部から突発的に与えられるもの。

自分の身に迫るけがを予知することは不可能なので、残念ながら痛み軽減のためにアドレナリンをコントロールすることはできません。しかし一時的に運動能力を向上させたり、集中力を高めたりするためにアドレナリンの分泌をコントロールすることは可能になります。

運動能力向上のために分泌されるアドレナリンは、何か集中的に適度なストレスを与える運動をすることで分泌されます。

例えば、『腹の底から大きな声を出す』ことでアドレナリンが分泌されます。

これは陸上競技の砲丸投げの選手なども実際に行っている手法です。短時間で集中的に強いストレスを与え、アドレナリンの分泌を促すことで、一時的な筋力増加を狙っています。

他にはマウンテンバイクや軽いランニングなどでも、アドレナリンの分泌を促すことができます。水泳など激しい運動だと、想像以上に負荷がかかるため後になって疲労感が大きくのしかかってしまうかもしれません。無理なくできる運動を選ぶのがポイントです。

適度に身体にストレスをかけられて、尚且つワクワクするようなものだとよりアドレナリンの分泌が行われやすくなります。人それぞれ無理のない運動はさまざまなので、自分に合った運動方法を見つけ出してアドレナリンをコントロールしてみてください。

アドレナリンによるデメリット

そんなアドレナリンですが、もちろん自分の力を大きく発揮できるようになる反面、デメリットも存在します。抹消部分の血行が悪くなる。思考や運動能力に関わってこない指先や頭皮などの抹消部分には血流が制限されるそう。

内臓機能の低下。排便や排尿などの機能も制限されるそう。などのデメリットもあります。スーパーサイヤ人状態にはデメリットもあるんですね。

アドレナリンは枯渇する

アドレナリンとは、ストレスと戦ってくれる物質です。常に危険にさらされていたり、辛い思いをずっとしていると、アドレナリンが足りなくなります。

PTSD(心的外傷後ストレス)などの症状は、強いストレスが原因で、そのあとのストレスに対抗できなくなってしまうために起こるのだそう。普段からアドレナリンとは上手く付き合う必要があるようです。

アドレナリンと上手に付き合う

野生動物のように、常に生命の危険にさらされているわけではありませんが、ストレスというものは大なり小なりありますよね。ストレス社会に生きる私たちにとってアドレナリンは無くてはならないものです。では、どうすればアドレナリンと上手に付き合う事が出来るのでしょうか。

実は運動をすることが答えです。体を動かす事はそれ自体がストレスになるので、アドレナリンが分泌されます。アドレナリンは溜めるのではなく、こまめに出しておいた方が良いらしいのです。

ストレスで溜めたアドレナリンを体を動かし出してあげる事によって、エンドルフィンという物質が分泌されます。このエンドルフィンというのが、モルヒネと似た作用があるらしく、鎮痛や多幸感などをもたらしてくれるとされています。

運動をした後に「辛かったけど、終わってみたら気持ちよかった」と感じるのはこういった物質のおかげです。

まとめ

アドレナリンとは、生存本能そのもの。危機的状況に大きな力を出すために必要な物質です。溜めるだけではなく、運動やトレーニングでこまめにアドレナリンを出す事も大切。

鎮痛作用などもありますが、デメリットもあります。大切な時にアドレナリンが枯渇してしまわないように、上手に付き合っていく事が大切です。自分がどんな状況に陥っても、体は「生きたい」という気持ちをアドレナリンとして出してくれるのは何だか素敵ですよね。

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