ツツジの蜜は毒がある?蜜を吸うときに気をつけること、見分け方

桜が散ってしまったころに鮮やかな花を咲かせるツツジ。子供のときに咲いているツツジの甘い蜜を吸って遊んでいたという方もいたのでしょう。実はツツジには毒のある種類もあるんです。

この記事を読めば、毒のあるツツジの見分け方は?蜜を吸って中毒になったときはどうしたらいいの?といった疑問を解決することができます。

ツツジの蜜を吸うときに気をつけること

公園や街に咲いているツツジの蜜を吸うときに気をつけることは、毒がある種類の蜜は吸わないということです。

冒頭でもお伝えした通り、ツツジには毒のある種類が存在します。

日本産のツツジで毒があるのは「レンゲツツジ」という種類だけですが、食用として用いられることも多い「ヤマツツジ」と見た目が似ています。

もし間違って蜜を吸ってしまうと中毒症状に陥ってしまいますので注意が必要です。確実に食用のツツジだと判断できないときは、絶対に取らない、蜜を吸わないようにしましょう。

毒のあるツツジの見分け方について

毒のあるツツジなのかどうかは、以下のような特徴を参考にして見分けましょう。上の写真は有毒であるレンゲツツジのイメージ画像です。

レンゲツツジ】…有毒!!

■花の特徴

・赤色の色鮮やかな花で2~8個が枝の先に固まって咲く

・花びら全体がろうとのような形をしている

・花はツツジ類で最大級の大きさ

■葉の特徴

・平たくて細長く、先はあまりとがっていない

・葉のふちに細かい毛がある

【ヤマツツジ】…食用として使われる

■花の特徴

・朱赤色の花が2個、3個ほど枝の先に固まって咲く

・花びらの一部に蜜標と呼ばれる斑点がある

■葉の特徴

・全体がたまごのような形をしている

・葉の全体に金色や茶色の毛がある

毒のあるレンゲツツジの花はヤマツツジと比べて大きく、派手であることが特徴です。ツツジの蜜を吸うときは花や葉の特徴からしっかり見分けるようにして、判断に迷うときは蜜を吸わないでくださいね。

ツツジの蜜の毒を吸うと体に起こること

レンゲツツジにはロドジャポニン、そしてグラヤノトキシンという2つの有毒成分が含まれています。そのためレンゲツツジの蜜を吸うと、次のような中毒症状が現れます。

・めまい、頭痛、発汗、吐き気、嘔吐下痢、けいれん、倦怠感、神経麻痺、呼吸困難、酩酊状態、昏睡状態 など

このような中毒症状は蜜を吸ったあとすぐに現れるわけではなく、数時間経ってから現れる場合もあります。また花の蜜を直接吸っていなくても、ツツジ科の植物を由来とするハチミツを食べることでも中毒症状が出た例もあります。

内閣府の食品安全委員会も過去の実績から香港やトルコ産野生ハチミツについて、注意を呼びかけています。

有毒成分が混入しているハチミツは炭酸と似た感覚の舌を刺すような刺激があるので、万が一異変を感じた場合は食べないようにしてください。

もし中毒症状に陥ってしまったときは、レンゲツツジの蜜だけでなくこのようなハチミツにも心当たりがないか思い返してみてください。

ツツジの蜜を吸って中毒症状がでたときの対処法

中毒の症状が現れたときは次のように対処します。中毒症状の応急処置については「中毒119番」でも情報を提供しているので、そちらも参考にしてみてください。

1.すぐ119番に通報する

2.救急車が来るまで次の応急処置をする

①吐き出す

②水分補給をする

まずは119番通報です。その後応急処置を行います。

吐き出すときにはビニール袋などの袋に吐いて病院に持っていくと毒の特定もしやすくなります。また蜜を吸ったレンゲツツジなどの残りがあれば、これも一緒に持っていきましょう。

なかなか吐き出しにくいときは0.9%の塩水を飲むと吐き出しやすくなります。

吐き出すことで体内への毒の吸収を抑えたら水分補給を行い、すでに吸収されている毒を薄めます。

嘔吐や下痢による脱水状態を避けるためにも水分補給は効果的です。飲むものは緑茶や果汁、牛乳にするようにしましょう。

中でも緑茶に含まれるタンニンという成分には胃腸の粘膜を保護する働きがあるので、中毒症状で荒れてしまった胃腸に最適といえます。

またこのときに塩をひとつまみ入れることで、嘔吐や下痢で失ったナトリウムを補給することができます。

まとめ

・レンゲツツジには毒があるので注意する

・有毒かどうか確実に判断できないときは絶対に蜜を吸わない

・中毒症状が出たら、すぐ119番通報→応急処置をする

街の中や山など様々なところで美しい花を咲かせ、見る人の心を楽しませてくれるツツジ。食用として使われる種類もある一方で、レンゲツツジには毒があり牛や馬などの家畜は口にしません。

花や葉の特徴から見分けることができますが、自信をもって判断できないときは絶対に取ったり蜜を吸ったりしないようにしましょう。レンゲツツジの毒は神経に作用し、中毒症状を引き起こします。

もし体に中毒症状が現れたら、すぐに119番通報し医療機関の治療を受けましょう。

五感をフルに使って美しい花を楽しみたいという気持ちはぐっとこらえて、観賞だけにしましょうね。