元警官が教える!職務質問の内容は?どう対処したらいいか解説!

あなたは、道を歩いていていきなり、警察官から呼び止められて色々質問されたことがありますか?警察官が街中で歩いている人や、たたずんでいる人に質問することを、職務質問ということはご存知ですよね。

職務質問とは、簡単に言えば、警察官が周囲の状況から判断して、もしかしてこの人は何らかの罪を犯しているのではないだろうか?それとも何かの罪を犯そうとしているのではないだろうか⁇何らかの罪を犯した人を知っているのではないだろうかと疑問に思ったときに、その人を呼びとめて疑問に思ったことを質問することです。

ただし、これはあくまでも任意のことですから、強制的に行うことは出来ません。しかし、何もしていないのに警察官の職務質問を拒否すれば、痛くない腹を探られて手間もヒマもかかります

また、警察官の職務質問は犯罪の予防や検挙のため有効な手段でもあります。今回は職務質問された時の内容と対処法について解説します。

職務質問の法的根拠

職務質問は、任意で原則として職務質問に応じないからと言って強制的に相手方を引き留めることは無制限には認められてはいません。

ただし、いくら任意とはいっても、職務質問を拒否していきなりその場から走って逃げだしたりした際に、任意だからと言って警察官が追跡しないことは理にかなわないことです。

このように異常な挙動を行った場合は追跡して、後ろから腕に手をかけて停止を求めるような行為は判例でも認められています。また、職務質問の際に所持品に不審な点がある場合は、所持品検査を行う場合があります。

ありますと言うより、警察官が相手の態度に不審点をもった場合、所持品を確認することは通常行われています。それでは、警察官は何を根拠に職務質問を行うのでしょうか?

警察官が職務質問を行う上での根拠法令は、警察官職務執行法という法律に規定されています。警察官職務執行法第2条には、

「1.警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既にわれた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて質問することができる。

2.その場で前項の質問をすることが本人に対して不利であり、又は交通の妨害になると認められる場合においては、質問するため、その者に附近の警察署、派出所又は駐在所に同行することを求めることができる。

3.前二項に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。

4.警察官は、刑事訴訟に関する法律により逮捕されている者については、その身体について凶器を所持しているかどうかを調べることができる。」

引用:警察官職務執行法第2条

と規定して、警察官が質問するときの根拠を定めています。法律の条文を読んでも訳が分からないと言う方もいると思いますので、簡単に説明しますね。

第1項は、冒頭で説明しましたから、お分かりと思いますので、第2項から説明します。第2項は、職務質問する場所の問題です。

例えば、職務質問している場所が道路上で交通の妨害やそのまま質問を続けていると相手方が交通事故の被害者になるおそれがあるとか、繁華街で職務質問しているところを大勢の人に見られているとか、本人に不利になるおそれがあると警察官が判断した場合は、近くの警察署や派出所、駐在所に同行することを求めることができると言うことです。

ただし、これはあくまでも任意です。第3項についてですが、刑事訴訟法には刑事事件を犯した者に対する逮捕の要件が規定されています。逮捕には、現行犯逮捕、緊急逮捕、通常逮捕があって、強制的に拘束することが認められています。

職務質問の結果これら逮捕のいずれかの要件にも該当しない限り身柄を拘束されたり、強制的に警察署、派出所若しくは駐在所に連行されたり、答弁することを強要されることはないということです。

第4項は逮捕された者が危険な物を所持していないかどうかについて所持品を検査する権限の規定です。職務質問の結果逮捕の要件が揃って身柄を拘束した場合に、もし、相手方が凶器を隠していると警察官に危害を加えたり、自分が自殺のために使用する恐れがあります。これを予防する目的でもあります。

それでは、実際に職務質問はどのように行われるか経験からその内容を紹介します。

職務質問の実際の内容

1. 職務質問の結果、車上狙いの犯人を現行犯逮捕した事案

深夜2時頃徒歩でパトロール中、駐車場内にルームライトが点いている車両があることから、不審に思って見ていると、車内の運転席で白手袋をしている男が動いていたので、車両に近づいてみると、ルームライトに照らされた車内に物が散乱しており、警察官に気付いた男が驚いた顔をしているので、質問すると車上狙いの最中であったことを自供したので現行犯逮捕した。

2. 職務質問によりひったくりの犯人を緊急逮捕した事案

深夜徒歩の女性のハンドバックを車両内からひったくった通報を受け、市内を探していたところ、手配の車両に似ている車両を発見した。車両に停止を求めて、職務質問したがひったくりにあった場所を通ったことは認めたが、事件との関連は否定した。

車内の検査に応じたことから、車内を調べたところ、運転席のマットの下に被害金額と同額の金がでてきたので追及するも、頑強に自分の金だと否定することから、近くの警察署に同行を求めると、同行には応じるが任意だからパトカーには乗らないと、パトカーに乗車を拒否した

応援を求めて、徒歩にて警察署まで同行して調べた結果犯行を自供したことから緊急逮捕した。

3. 職務質問により、車両の詐欺犯人を通常逮捕した事案

深夜、農村地帯をパトカーでパトロール中、道路わきに白色のワゴン車が停車していて運転席に男が座っていた。車は「わ」ナンバーのレンタカー車両だった。

付近は全て農家で「わ」ナンバーの車が深夜停まっているのは不自然なので、質問すると運転免許証を見せて、明日レンタカー会社に返しに行くところだと言ったが、運転免許証の氏名等で本部に照会すると、レンタカー会社から車両の詐欺の被害届手が出ていて、詐欺の容疑で指名手配されていることが判明したことから、通常逮捕した。

犯人は、警察官を見て咄嗟に服の腹の部分に車検証を隠していて、逮捕した際の所持品検査で発見した。詐欺で手配されていることを分かっていたため、隠したことを自供した。

4. 職務質問によって大麻所持者を現行犯逮捕した事案

深夜の2時頃パトカーでパトロール中、横に並んだ車両の運転手が、こちらをちらっと見て目をそらしたことから不審に思って車両の停止を求めて質問するが、なんでもないと話していたが、同意を得て車内を調べたところ、車内のダッシュボードの中からビニール袋に入った葉っぱがでてきたことから、追及すると大麻であることを自供した。

当直の刑事課員の検査の結果大麻であることが分かったことから大麻所持の現行犯で逮捕した。

以上4件の実際の職務質問の結果逮捕した内容を紹介しましたが、警察官が職務質問するのは、何らかの不審点を感じることが分かって頂けたでしょうか。

職務質問を受けた時の対処の方法

もし、あなたたが何もしていないのに、警察官に声をかけられたら、まず何のために質問しているのか、自分にはどのような、あなたが疑うに足りる相当な理由があるのかを逆に質問してみて下さい。

警察官はあなたの受け答えを冷静にみていますから、たいした根拠がなければ無理強いしてくることはありません

ここで、注意していただきたいことは、冷静に行って下さいね。そうでないと売り言葉に買い言葉で怒り狂ってしまうと、警察官に思わず手を出してしまって公務執行妨害で逮捕される場合があります。

しかし、警察官が質問したことがそれなりの理由があるとするなら、抵抗しても無駄、駄目です。職務質問に協力して早く嫌疑を晴らした方が賢明な方法です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。職務質問の法的根拠や職務質問の実際の内容などについて紹介しました。職務質問は

・警察官が周囲の状況などから、何か違うな、おかしいなと不審点を感じて行う任意の手段であること。

・職務質問は任意であるが、最小限度の有形力の行使は判例で認められていること、

・職務質問によって犯罪の検挙、予防が実際に行われていること。

・職務質問を受けたら冷静に質問の理由を聞いてみること。

について、理解していただけたでしょうか。最後に、職務質問をしていた立場からいえることは、意外と素直に答える人の中に犯罪者がいると言うことです。

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