テレビや雑誌で見かけるモデルや役者さんのように、美しい体型を目指してみたい。多くの方が一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
また、現在進行形でダイエットや食事制限に取り組んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
今回この記事では、一般的なガリガリになるための方法論ではなく、あえて「健康」という視点に絞って、減量がどういった影響を体に与えるのかについてお話していきます。
日々の食事制限や積み重ねを頑張るばかりに、「健康」についての意識がないと、後々理想の身体を手に入れても身体を壊してしまうなど、大きなリスクとなります。
頭の隅に置いておくだけでも、心置きなくガリガリを目指せるかもしれませんので、ぜひご参考にしていただければと思います。
目次
適正体重を知り健康的にガリガリになる
まずは、あなたの目指すガリガリが一体どれほどの体重であるのかを見てみましょう。人間には誰しも「適正体重」というものがあります。
これは身長とBMIという肥満度を表す数値から計算することができると言われています。例えば、身長160cmであれば適正体重は【適正体重= (1.6m)2 × 22 = 56.32 kg】と表すことができます。
これは、BMI指数が22で計算された際、最も健康的と言われる体重となるため、このように計算をしています。
では、仮にモデルのようなガリガリ体型を目指す場合には、体重はどこまで落とせば良いのでしょうか。この場合、BMI値を18として計算することで、モデル体型の体重を計算することができます。
【適正体重= (1.6m)2 × 18 = 46.08 kg】BMI18だと、「適正体重」との差は実に10kg。これはとても大きな差です。
この10kg分を身体から減らし近づけていくのは、容易ではないことだということは、経験者の方はもちろん、未経験の方にも感覚的に理解できるのではないかと思います。
まずは大きな目標として、この適正体重と目標とする体重を理解し、狙いを定めてみましょう。
なにもモデルほどガリガリではなくても、美容的な体重になればよいという場合は、BMIは20程度でも良いのかもしれません。
では、「適正体重」から10kgを落とすというのは、「健康」という視点ではどういった意味を持つのか、見ていきましょう。
ガリガリになりすぎて適正体重よりも軽くなるリスクも
BMIって?
そもそも、先程から何度も使っているBMIという値がどれほどあてになるのかという気もしますので、ここでは少し話を逸らして、BMIのご紹介をさせていただきます。
BMIとは、アドルフ・ケトレー(ベルギー)によって作られた指標で、現在では世界共通に用いられている目安です。
統計的な要素があるため、時代や国によって差がありますが、国際的に採用されているひとつの指標ではあります。
要は、この日本における統計において、「適正体重」がBMI22であるとき、病気や健康害に最もなり難いということです。
減量から生じる具体的なリスク
では、今回のように「適正体重」がBMI22よりも低くなると、どういったリスクになるのでしょうか。
結論から言うと、痩せ(BMI が18.5未満)になると、切迫早産、低出生体重児、早産などの危険性・確率が高まるとされています。
ここでは「早産」を取り扱いますが、「早産」最大の問題点は、新しく生まれてくる赤子の体重が1000g未満になってしまうという点です。
(今回はあくまでガリガリ体型と「健康」についての記事のため、深く掘り下げることは致しません)
赤ちゃんは、お腹の中で妊婦さんの身体から「からだをつくるために必要な栄養の全て」をもらって育ちます。
「適正体重」という健康的な身体よりも10kgも妊婦さんの体重が少ないということは、赤ちゃんに与える栄養にも影響を与えてしまうということは想像できるかと思います。
そのため、モデル体型と言えば聞こえがよいですが、ガリガリというのは、将来的なことを考えると無視のできない大きなリスクを孕んでいるのは間違いありません。
要は、痩せというのは一方では「栄養不足」なのです。ここでわかるのは、モデルさんや女優さんなどは、非常にリスクと隣り合わせで活動をされているということでもあります。
妊娠後は活動を自粛し、出産に専念するのはこのためかと思われます。
健康的にガリガリになるコツ
ここまでで、標準よりも低体重であるリスクをご理解していただけたかと思いますが、それでもどうしてもガリガリを目指したいと思う方もいらっしゃいますよね。
「一度きりの人生で、憧れの体型になれるものならなってみたい」「まだ子供の事を考える必要もないから、今のうちにチャレンジしたい」などなど、これは個人の選択ですし、それは否定しません。
それならば、あくまで栄養不足にならないように減量をするには、何を心がければ良いのか。問題はここになりますね。そして、当然大切なのは「食事」です。
健康的にガリガリになるために抑えておきたいポイント
人間の身体は、口から摂取するものからできています。ですから、「健康」を考えるならば、まずは「食事」から考えるのが自然ですよね。
これは減量に限った話ではなく、毎日忙しい社会生活を送る人たち全ての方に通じることでもあります。
要は栄養バランスのある食事がベストで、ここを実現できれば、体重増加の原因の大きな一因である「量を食べる」を回避できるのです。
大切なのはPFCバランス
PFCバランスは、タンパク質、脂質、炭水化物の三大栄養素のバランスです。人間の身体をつくるのに必要な栄養素を指しています。
「健康」になるための適切なバランスを簡単な比率にすると【タンパク質:脂質:炭水化物 = 1:2:5】になりますので、端的に言えば、この比率でご飯を食べればよいと言われているのです。
日本型の食事、例えば「白米、漬物や味噌汁、魚(タンパク)」などは、よく目にする一般的な食卓に並ぶ顔ぶれです。これをPFCのバランスで見ると、見事に一致していますよね。
しかし実際には、「野菜だけを食べろ」「炭水化物だけを食べろ」などという極端な食べ方が言われることが多く、それらは体のバランスを崩します。
ですから、日本的一汁三菜や二菜的な考え方で、バランスよく食べるように心かけましょう。そして、問題の量ですが、これは減量を目指すのであれば、「腹6分目」くらいをおすすめします。
十分なバランスと栄養を摂れていれば、たくさん食べなくても良くなるわけです。
運動はやりすぎない
意外かもしれませんが、運動のしすぎはおすすめできません。そもそも、ダイエットや減量では、カロリー消費を目的とした比較的派手な運動が推奨されがちです。
しかし、これは裏を返せば、運動量で消費する必要カロリーも多くなるということでもあります。
たくさんカロリーを消費すれば、たくさん摂取しなければいけません。つまり、量も食べないといけないわけです。
ここで摂取量を減らすことで、カロリー消費のみを増やしていくのが、世にある過酷なダイエットです。しかし、当然蓄えているカロリーよりも多くの運動量は危険です。
また、増えた運動量に合わせて食べる量を増やしても、それでは減量にはなりません。むしろ身体は、より多くのカロリーを蓄えられるように大きな体に変化してしまいます。
まさに、スポーツマンがそうして鍛えていますよね。
この記事を読んでくださっている方の減量、ガリガリのイメージが正確にわからないため、確かなことは言えませんが、あくまで体重を減らしガリガリになることが目的なのであれば、運動はウォーキング程度で十分かと思います。
つまり、頑張りすぎない「六割程度」のカロリー消費です。そうすると必要なカロリーも減り、食べる量は適切に「六割程度」として選択することができるわけです。
まとめ
・ガリガリはリスクが高い。自身の状況をよく理解して減量を。
・適正体重= (身長 m)2 × (22適正~18痩せ) で目標設定
・バランスの良い食事を三食「六割程度」を意識
・疲れを感じない「六割程度」の運動を
とにかく、急激に体重を変化させる行動は危険です。そして、体はいつだって「適正体重」を求めています。
食から運動まで常にバランスを意識しながら、全てをそのまま減量する意識で、毎日を積み重ねましょう。理想的な体型に無理なく辿りつけることを祈っております。