美味しい秋の味覚「ぶどう」。爽やかな甘みでついたくさん食べたくなりますが、その後お腹が痛くなった…という経験はありませんか?
実はぶどうを食べ過ぎると、体にさまざまな悪影響があるんです。でも、安心してください。ぶどうの食べ過ぎによるリスクは、簡単に避けることができます。
「ぶどうを食べ過ぎるとどうなる?」「ぶどうは太る?」「どれくらいの量までなら大丈夫?」「ぶどうを食べるとき具体的に気を付けることは?」
これらの疑問もまとめて解決。この記事を読むことで、健康の心配をせず安心してぶどうを食べられるようになりますよ!
ぶどうを食べ過ぎると危険?体に何が起こる?
ぶどうを食べ過ぎると、私たちの体はどうなってしまうのでしょうか。まずは体に起こる変化を見ていきます。
1、血糖値の急上昇・急降下
ぶどうは、果物の中でも糖分の高い部類に入ります。そのため食べ過ぎると体に大量の糖分が取り込まれ、血糖値が急上昇・急降下します。
血糖値が急激に下がるので、頭痛や吐き気が引き起こされる可能性も。
また、血糖値の急激な変化は血管に負担がかかるため、食べ過ぎを繰り返すと心筋梗塞や動脈硬化につながる恐れもあります。
2、中性脂肪が増加
ぶどうの食べ過ぎで糖分を取りすぎてしまうと、血液中の中性脂肪も増加します。
中性脂肪は活動に必要なエネルギーですが、多すぎると余った分は皮下脂肪として蓄えられて肥満になったり、血管を痛めて動脈硬化が起きたりする原因になってしまいます。
3、消化不良を起こす
身体に取り込んだ糖分は時間が経つにつれ、腸内で発酵していきます。そのため、ぶどうを食べ過ぎて消化に時間がかかると、それだけ発酵が進みガスが溜まって腸内環境が悪化。
また、高くなった糖分の濃度をうすめて調節しようと、身体がお腹に水を集めるので下痢になってしまいます。
さらに、皮ごと大量に食べた場合は、食物繊維が多すぎて消化に疲れ、腸の働きが悪くなります。
ぶどうを食べ過ぎると具体的にどんな症状が出る?
では、ぶどうを食べ過ぎると以下のような症状がでます。「昨日ぶどうを食べたけど、何だか調子が悪い…」という方は、あてはまるものがあるかどうかチェックしてみてください。
- 頭痛
- 吐き気
- 下痢
- 食欲不振
- 腹痛
- 胃痛
- 脱水症状
- むくみ
あてはまった場合は、身体に負担がかかっている状態かもしれません。
胃腸薬を飲む、おかゆやうどんなどお腹に優しい食事をとる、腹巻でお腹を温めるといった対策をして、お腹を休ませてあげましょう。
ぶどうの食べ過ぎで太る可能性について
結論から言って、食べ過ぎは太ります。
なぜならぶどうには、糖質の一種である「果糖」と「ブドウ糖」が多く含まれているから。果糖・ブドウ糖は疲労回復や脳のエネルギーとして使われますが、大量に取り込むと余った分が脂肪に変わり、太ってしまうのです。
実は、最近の果物は品種改良により糖度が高く、お菓子代わりに食べ過ぎると太ります。ぶどうは糖質多めの果物なので、特に気をつけたい所。
糖分が気になる場合、ごはんやパン等の糖質類とぶどうを置き換えて食べる・量を少なめに抑えるなどの工夫が有効です。
とは言えぶどうは程よく食べることで、以下のようなメリットをもたらしてくれます。
- ビタミン…肌がきれいになる・免疫力アップ
- カリウム…デトックス効果・むくみ予防
- アントシアニン…眼精疲労予防・メタボ予防
- 食物繊維…腸を整える
ダイエットや美容に嬉しい効果ばかりです。ぶどうが悪者というより、あくまでも「食べ過ぎがよくない」ということですね。
1日に食べてもいいぶどうの量
では、1日に食べてもいいぶどうの量はどれくらいなのでしょう?
答えは、成人は1日に100g程度。目安としては、大きい粒で約8粒、小さい粒で10~15粒程度になります。意外と少ない気がしますね。
また、適量は食べる人の体格や健康状態によっても変わります。糖尿病で糖質制限をしている人や、子どもは少なめの80g(大5~6粒、小8~10粒ほど)が良いとのこと。
…とは言え、いちいち重さや粒を数えて食べるのは面倒ですよね。「片方の手のひらいっぱいに乗る分だけ食べる」と大体100g前後になるので、参考にしてみてください。
ぶどうを食べるときに気を付けること
ここではぶどうを食べるとき、「量以外に気を付けたいこと」をお話しします。それは「食べる時間帯」。
お腹のためには午後のおやつの時間、15時~17時の「小腹が空いたとき」が最も理想的です。
なぜかというと、小腹が空いた状態ならすぐ消化が始まるから。
ぶどうの糖分が長く腸に留まると、腸内環境を悪化させるガスが出るとお話しました。つまり、その前に消化できればガスは出ません。よって腸内環境も良好に保つことができます。
食前にぶどうを食べるのは良くない?
ぶどうを食べるときは空腹の状態がよいのなら、食前でもいいのでは?と思うかもしれません。
ですが、お腹が鳴るほど減っているときは、食べるのはNG。
なぜなら空腹時は、「糖分を一気に吸収する」ため血糖値の急激な変化が起こり、血管に負担がかかって頭痛や吐き気につながるからです。
特に気を付けたいのは朝。眠っている間なにも食べていない分、カラカラに乾いたスポンジのように吸収が早く血糖値の変動が激しくなります。
食前に食べるのであれば、せめて昼食前か、夕食前がよいでしょう。
食後にぶどうを食べたいけどダメ?
ダメではないけれど、理想的でもありません。お腹の調子がいまいち…という方は、食後のぶどうは避けた方が無難です。
逆にお腹は大丈夫でも、糖尿病で血糖値コントロールをしたい人・血管が詰まりやすい人は、食前より食後が安心です。
なぜかというと、ぶどうを食後に食べると消化は最後になるため、その間にガスが溜まってお腹に優しくありません。
その代わり、食後は糖分の吸収がゆるやかになるため、血糖値の変化は抑えることができます。一長一短あるということですね。
お腹の調子が悪くない場合はぶどうの量を少なくしてガスを減らすだけで、食後でも腹痛を予防できます。
実際、筆者も昔からぶどうは食後に食べてきましたが、それでお腹が痛くなったことはありません。4人家族で、300gの大きいぶどうを4等分するとひとり80g足らず。
ちょうど適量を食べていた計算になるので、実体験から言っても食べ過ぎなければOKです!
「ぶどう+牛乳はよくないって聞いたけど…」食べあわせが気になる人へ*
ぶどうと牛乳などの乳製品、ぶどうと魚介類を一緒に食べると成分が反応し嘔吐を引き起こすという説がネット上に広まっています。心配ですよね。
実はこの説には今のところ科学的根拠はなく、栄養学の専門家は否定しています。
筆者も「ぶどうの果肉入りヨーグルト」を時々食べていますが体調を崩したことはないですし、白ワインと白身魚が合うのも有名な話です。
よって、栄養素が偏っていなければこれらの食べあわせを気にする必要はありません。
ただ牛乳も魚介類も、ぶどうと関係なく胃腸の調子が悪いときには控えたほうがいい食材ではあります。お腹と相談の上食べるようにしましょう。
まとめ
- ぶどうは糖分が多く、食べ過ぎは血糖値の急激な上下や消化不良の原因に。
- 食べ過ぎの主な症状は頭痛、吐き気、腹痛。血管と消化器官の調子が悪くなる。
- 果物でも食べ過ぎは太る。
- 1日に食べていいぶどうの量は100g、手のひらに乗る分と覚えよう。
- ぶどうはなるべく小腹が空いたとき、午後のおやつの時間に食べよう!
「食べる量」と、「食べる時間帯」。この2点に気を付ければ、ぶどうの食べ過ぎで体調を崩すことはなくなります。
本来は栄養満点、身体に嬉しい効果もたくさんある「ぶどう」。ぜひ今回の記事を参考に、安心して美味しく食べてくださいね。