炊飯器のご飯は常温放置してもOK?食中毒の危険性や保温についても解説

食べきれないし、明日食べればいいや!と余って放置しがちな炊飯器のご飯。変な味はしないけど、そもそも放置したご飯は食べても大丈夫?と心のどこかで不安に思いながら食べていませんか?

実は、放置したご飯は確実に傷んでいくことが分かっています。なぜなら、ご飯の放置によってセレウス菌という食中毒の原因となる菌が増殖してしまうからです。

この記事では、常温・保温それぞれ放置は大丈夫なのか、ご飯が腐るときの特徴、食中毒になったときの対処方法について伝えていきます。また、余ってしまったご飯を安全に保存する方法もご紹介します。

記事を読み終えると、今日から迷わず自分で判断してご飯を食べることが出来るでしょう。

炊飯器のご飯を常温で放置することはNG!

炊飯器のご飯を、節電のために保温を切っている人はいませんか?その後、すぐに食べるのならOKです。しかし、そのまま常温で放置することは避けましょう。

なぜなら、雑菌が繁殖するからです。特に、ご飯には水分や糖分・アミノ酸といった雑菌の好物を含んでいるため繁殖しやすい状態にあります。加えて、保温を切った炊飯器の中は結露を起こしやすく、腐敗リスクが非常に高くなるのです。

ご飯には、主にセレウス菌という菌が付着しています。セレウス菌の特徴としては過熱しても菌が残るということです。そのため、放置したご飯を食べる前に過熱したからと言って安心はできないのです。

ご飯の放置によってセレウス菌が多量に増殖すると、嘔吐・下痢などの食中毒を引き起こします。

炊飯器のご飯を保温して長時間放置することもNG!

では、保温したままでは放置しても良いのでしょうか。実は、保温していても長時間の放置はおススメできません。保温していても、時間とともにご飯が傷んでいくからです。

菌が最も増殖しやすい温度は10~60℃と言われており、一般的な炊飯器では70℃前後に保温できます。そのため、常温放置するよりは腐敗を遅らせることが出来ると言えます。

炊飯器のご飯の放置は何時間までならOK?常温、保温それぞれの目安

常温放置では、夏は出来るだけすぐに食べましょう。一方、気温の低い冬は6時間以内に食べることをお勧めします。先述した通り、10~60℃の環境でセレウス菌が繁殖しやすいからです。

お弁当として持っていく場合はご飯をしっかりと冷ましてからお弁当箱に詰めて、保冷剤を活用して持ち運ぶと良いでしょう。

一方、保温放置では、長くても24時間以内には食べましょう。また、特に安全に味を担保できるのは5~6時間以内と言われています。

これ以上時間がたつと水分が少なくなり、乾燥するため食感や味が落ち、見た目も黄味がかってきます。これは腐敗まではいかなくとも傷んできている証拠であるため、なるべく早く食べることをおススメします。

ご飯が腐るときの見た目や臭いのサイン

ご飯が腐るときの特徴は、見た目と臭いに分けられます。腐っているサインを知ることで、食べると食中毒を起こすご飯を食べてしまうことを回避できます。

まず、分かるのが見た目です。ご飯をすくったときに、粘ついていて糸を引くようなら腐っているサインです。また、カビが生えている、ドロドロしている、異様に水っぽいなどが見られるときも腐っているので、食べずに破棄しましょう。

臭いでは、酸っぱい臭いがします。発酵したような、納豆のような臭いと感じることもあるでしょう。見た目と同様に臭いに違和感があれば、すぐには食べずに破棄してください。

ご飯を常温で放置するより安全な保存方法2つ教えます

常温、または保温で放置するよりも安全な保存方法は、冷凍保存と冷蔵保存です。なぜなら、セレウス菌は低温下では増殖しにくいためです。

炊いたご飯の粗熱を取った後、それぞれを容器に移すかラップで包みます。冷凍保存では約1か月、冷蔵保存においては約2日間であれば安全に食べることが出来ます。

冷蔵保存は常温保存よりも長持ちしますが、パサパサして味が落ちてしまいます。冷凍は一番長持ちするだけでなく、味も1週間ほどは保つことができるため冷蔵よりもおススメできる保存方法となります。

炊いたご飯が余ってしまったときは、このどちらかの方法で保存すると食中毒を防ぐことが出来るので是非実践してみましょう。

腐ったご飯を食べて食中毒になったときの対処法4つ

腐ったご飯を食べると、食中毒の症状が出る可能性が高くなります。とくに嘔吐・下痢・腹痛を伴い、早くて数時間後から十数時間で発症します。比較的軽症で済むことが多く、1~2日で軽快するものが一般的です。

重症化は少ないですが、抵抗力の弱いお年寄りや小さい子供は注意が必要のため、早い対応が必要です。それでは、「もしかして食中毒?」と思ったときにはどのような行動を取ればいいのでしょうか。対処法を4つ挙げてみました。

水分をしっかり摂る

下痢と嘔吐があるため、体の水分や電解質が失われる脱水となる可能性があります。脱水となると命にも関わるため、こまめに水分を摂るようにしましょう。

ポカリスエットや経口補水液は、水分だけでなく電解質も摂取できるのでお勧めです。

体勢を整える

仰向けのまま嘔吐があると、誤嚥(むせ)しやすいです。窒息や肺炎のリスクがあります。吐きやすいように、体ごと横に向けて体勢を整えましょう。

栄養を摂る

症状が落ち着いてきたら、少しずつ栄養を摂るようにしましょう。体の回復には栄養補給が不可欠です。胃の負担が少ない、消化の良いものを摂りたいところです。バナナやゼリー、お粥などがおススメです。

病院に行く

軽症で済むことが多いとはいえ、食中毒は命に関わることもあります。「疲れただけだと思う」「風邪かも」と自己判断することは禁物です。おかしいなと思ったら自分で判断せず病院に行き、正しい治療を受けることが命を守ります。

迅速で正しい行動が重症化を防ぎます。自分や家族の命を守るために、是非正しい対応が出来るようにしましょう。

まとめ

  • ご飯の常温放置はNG、保温放置であっても半日以内に食べることが望ましい。
  • セレウス菌は熱によって減少することはなく、食中毒の原因となる
  • ご飯が腐っているときのサインは
  • 見た目:粘ついている、カビが生えている、ドロドロしている、異様に水っぽい
  • 臭い:酸っぱい臭い、腐敗臭、発酵したような臭い、納豆のような臭い

水分をしっかり摂る、姿勢を整える、栄養補給をする、病院へ行く

たとえ見た目や味がいつもと同じでも、目に見えない菌は増え続けています。自分や大切な人の健康を守るために、炊飯器のご飯を放置することは今日からやめましょう。