鶏ハムがピンク色で食べても大丈夫?生焼けや食中毒の危険性について

鶏むね肉を材料とし作られるしっとり柔らかく、かつ低カロリーで高い栄養価のある鶏ハム。

ダイエット食としてはもちろんですが、その高い栄養価から免疫力のアップ・貧血の予防・疲労回復・美肌効果等様々な健康効果があります。

和洋食問わずアレンジが出来るので、日常的に食している方もいることが多い鶏ハムですが、微妙に中がピンク色で火が通ってないんじゃないか?このまま食べても食中毒にならないの?という経験はありませんか?

レシピ動画サイト等でレシピ通りに調理したものの、ピンクの部分があり不安を覚えた事人も多いのでは?実は鶏ハムがピンク色=食べても大丈夫な場合と食べない方がいい場合があるのです!

この記事を読み終える頃には、鶏ハムがピンクになっていても正しく対処し、安全に鶏ハムを使った料理を楽しめるようになります。

鶏ハムがピンク色だけど食べても大丈夫?

先ほど少し触れましたが、結論から言うと「食べても大丈夫な場合と、大丈夫では無い場合」があります。

必ずしもピンク色=生焼けだから食べてはいけないという訳ではないんです。特に低温調理で鶏ハムを作る方は注意が必要です。

食べても大丈夫な場合

しっかり熱は通ってるはずなのにピンク色になってしまった、これは「ミオグロビン」というたんぱく質の発色現象が原因の可能性があります。

私達が普段スーパー等で並んでいるお肉は鮮やかな赤色ですが、実はお肉の元々の色は紫色なんです。

これはミオグロビンが酸素に触れた事により発色現象が起きているからなのです。そこから更に温度での変化もあり、60℃で変性80℃以上で褐色になります。

つまりお肉を煮たり焼いたり蒸したりと「高温で調理する=褐色になる」という事です。これは調理の際にお肉に火が通ったという目安にもなりますよね。

しかし低温調理に関しては、40℃~65℃の間で調理する為80℃は超えないので褐色に変化しません。

つまり十分に加熱されていてもミオグロビンによりピンク色のままの事があり、こういった場合は食べても大丈夫だという訳です。

食べてはいけない場合

たんぱく質のミオグロビンが原因の場合もあると聞いて、安心された方も多いのではないでしょうか。

つまりミオグロビンが原因では無い場合、生焼けの状態で単純にしっかりと中まで火が通っておらず注意が必要です!

ネットで紹介されている低温調理の多くは、加熱不足で生焼けになる可能性が高いのです。原因として以下の5つが考えられます。

  • 調理前の鶏肉の温度
  • 季節や室温
  • 使用した鍋の材質や大きさ
  • 茹でるお湯の量
  • 鶏肉の厚みや大きさ

といったそれぞれの条件によって火の通り方が変わってくるからです。それぞれ家庭によって調理器具も違えば鶏肉も1羽づつ違うので、まったく同じ条件で調理する事は難しいですよね。

ちなみに低温調理をする場合は、熱が均等に加わる炊飯器を使った調理法がオススメです。これは後ほど「鶏ハムによる食中毒を防ぐ方法」で詳しくご紹介していきます。

鶏ハムが生焼けかを判断する方法・見分け方

では生焼けかどうかを見分ける為にはどうすればいいの?誰でも簡単に見分けられる方法が3つあります!

①竹串で刺してみる

竹串で刺したときに柔らかくて中までスッと通らない。竹串を刺して数秒待ち、頬等にあててお風呂の温度より低く感じる

②鶏肉を触ってみる

  • 調理中箸等で押してみるとブヨブヨした感覚がある
  • 調理後切った部分を押してみるとブヨブヨした感覚がある

③肉汁の色を確認する

  • 竹串で刺してみて出てきた肉汁がピンク色をしている

これらが当てはまる場合、加熱時間が足りていないという事が分かります。どれも他の料理でも実践するような簡単な方法ですので、是非確認してみて下さい!

鶏ハムによる食中毒を防ぐ方法

まず鶏肉を食べて起こりうる食中毒の多くは.カンピロバクター菌が原因とされています。これは、きちんと熱が通っていない生焼けの肉や生肉を食べたときに起こる食中毒です。

先ほど「鶏ハムがピンク色だけど食べても大丈夫?」でご紹介した様に、低温調理が可能な炊飯器やクッカー等の調理器具を除く低温調理の方法は生焼けになる事が多いので、食中毒のリスクが高まってしまうという事です。

他にもやサルモネラ菌やO157等原因として挙げられますが、いずれも鶏肉の中心部分が65℃以上に達する事で死滅します。

ここで大きく分けて2つのポイントがあります。

①お湯の温度を70℃前後をキープした状態で1時間加熱する

食中毒の原因となるカンピロバクター菌は30~40℃で増殖する為、煮汁の温度をしっかりキープする事が大切です。

そうすると中心部までしっかりと火が通り食中毒を防ぐ事が出来ます。特に冬場は気温が低く煮汁が冷めやすい為、しっかりと温度管理をする必要があります!

②中まで均一に火を通す

ここでのポイントは3つ

  • 鶏肉の厚みを観音開きにして均一にしておく
  • 冷凍した鶏肉は必ず解凍しておく
  • 少し大き目の調理器具でお湯の量は鶏肉がしっかりつかるまで

これらに注意して調理する必要があります。②はともかく①って1時間もずっと温度管理をしないといけないの!?

そう思ったのは私だけではないはずです。そんな手間暇かけられればいいのですが…そいった理由から炊飯器での調理をオススメしています。

炊飯器ならどの家庭にもありますし、温度をしっかりキープしてくれる上に水流がある為、均一に熱が伝わり安全に低温調理が出来ますよね!

鶏ハムが生焼けになっているのに気づいたときは?

「鶏ハムが生焼けかどうかの見分け方」でご紹介した見分け方で生焼けに気づいてしまった!そんな時の対処法はとっても簡単です。

・鶏ハムをお皿に置いて、ラップをし600Wで1分電子レンジで再度過熱します。

・加熱が足りない時は数十秒づつ再度加熱をする

ただし、この方法だと鶏ハムがパサついてしまう事があります。

折角のしっとりした食感が…と少し残念な気持ちになってしまいますが、そんな時はよだれ鶏や棒棒鶏サラダ等タレをかけるアレンジにしちゃいましょう!

こういう風にレシピの幅が広いのも鶏ハムのいい所ですよね。

鶏ハムで食中毒になってしまった時の対処法

万が一生焼けの状態のまま食べてしまい、数日以内に下痢や腹痛・発熱があれば、以下の3つの応急処置をして医療機関に受診しましょう。

①消化に良い物を食べる

→雑炊やうどん等

②水分をしっかりとる

→嘔吐や下痢からの脱水症状を防ぐ為

③横を向いて寝る

→嘔吐がある場合喉に詰まらせないようにする為

そして注意点が2つ

①高齢者や子供・免疫力が低い方

→O157の場合、意識障害や腎機能障害などの症状が急に出る事があるので注意が必要

②下痢止めは飲まない

→下痢があるとつい飲んでしまいがちですが、菌を外に出すための体の防御反応なのでそれを止めてしまうと更に悪化してしまう恐れがあります。

食中毒は本当に危険なので、鶏ハム以外での生ものを食べる時等覚えておいて損は無いはずです。

まとめ

  • 鶏ハムがピンク色の時は「食べても大丈夫な時と、そうでは無い場合」がある
  • 生焼けかどうかを確認する方法は竹串で刺してみる・触ってみる・肉汁の色を見る
  • 食中毒を予防するにはお湯の温度を70℃前後をキープし1時間加熱・均一に火を通す
  • 生焼けになった場合電子レンジで600W1分再加熱する
  • 食中毒になってしまったら、消化のいいものを食べる・水分をしっかり取る・嘔吐がある場合横向きに寝る・そして医療機関を受診する

鶏ハムがピンクになってしまう理由から食中毒の対処法まで、様々な項目について解説してきましたが、鶏ハムだけではなく食べ物や料理に全般にも関係する事が多かったのではないでしょうか。

鶏ハムがピンク色で不安になっていた皆さんもこれで安全に鶏ハムを使った料理を楽しむ事が出来ますね。