みかんの食べ過ぎは危険?食べ過ぎで起こる症状と1日の目安とは

みかんやオレンジなど柑橘類は、たくさんの種類が季節ごとに移り変りながら、1年中手に入るようになりましたね。

なかでもみかんは、ついつい食べすぎてしまう果物の1つです。

剥きやすくて、手も汚れにくく、食べるのに特別な道具はいらない、すっきりした甘さでどんどん手が伸びてしまいますね。私も寒くなり、みかんが箱売りで並ぶと、必ず箱買いします。

ところで、みかんをいくつも食べた次の日など、手が黄色くなっていたりしませんか?

  • みかんを食べすぎて手が黄色くなるのは、危険のサイン?
  • あんなに小さなみかんの食べ過ぎって何個から?
  • お菓子じゃなくて果物は健康にいいイメージがあるけど、食べすぎたらだめ?

子どもの頃から身近にあったみかん、食べすぎると危険があるのか、みかんの食べ過ぎは何個からなのか、みかんの食べ過ぎを防いでおいしいみかんを保つ保存方法をまとめました。

みかんとは

現在“みかん”というときは、ウンシュウミカン(温州蜜柑)と呼ばれるものを指します。

ミカン科、つまりみかんの仲間は今ではなんと900種類もの数が存在します。このウンシュウミカンが日本で広く食べられるようになったのは、明治以降です。明治以前、江戸時代にも“みかん”は存在しましたが、その頃の“みかん”は今では小ミカン、または紀州ミカンと呼ばれる、今私たちが目にしているみかんよりさらに小さく、全ての房に種が入っていて、とても酸っぱい種類でした。

食べにくさと、酸味の強い味から敬遠され、だんだんと今の甘みが強く、種のないウンシュウミカンに変わっていきました。

みかんは3〜4mほどの低い木になり、秋から冬にかけて実を結びます。こたつにみかん、という定番な光景は、みかんが実るのが寒い時期だからなんですね。

みかんの栄養素

みかんには炭水化物、食物繊維、脂肪、ビタミン、ミネラルが含まれます。また、ビタミンを細かくみていくとA、B1、B2、B3、B5、B6、B9、C、Eが含まれています。

ミネラルについては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄分、亜鉛、銅が含まれています。

この他にも、みかんの白い筋にはヘスペリジンという、動脈硬化やコレステロール血症を予防してくれる栄養もあります。漢方では、みかんの皮を乾燥させたものを『陳皮(ちんぴ)』と呼び、胃を健康にしたり、利尿や咳や吐き気を鎮めるために使います。

過剰症とは

過剰症とは、推奨される摂取量をはるかに上回り、健康に悪影響や害が出た状態のことです。それぞれの栄養素の過剰症や、摂取過多により起こる不調は以下の通りです。

■食物繊維

お腹がゆるくなったり、便秘が悪化することがあります。

■脂肪
肥満や高血圧になりやすくなります。

■タンパク質
カロリーオーバーによる肥満、腸内環境の悪化、内臓疲労などを起こします。

■ビタミンA
頭痛、脱毛症、食欲不振、筋肉痛

■ビタミンB1
頭痛、イライラ、不眠、皮膚のかゆみ、脈が速くなる

■ビタミンB2、B5
摂りすぎは尿として排出されるので問題はありません。

■ビタミンB3
消化不良、下痢

■ビタミンB6
神経障害、骨の痛み、精巣萎縮

■ビタミンB9
亜鉛吸収阻害

■ビタミンC
腹痛、吐き気、下痢

■ビタミンE
血が止まりにくくなる

■ナトリウム
高血圧、心臓病

■カリウム
胃腸障害

■カルシウム
組織の石灰化、便秘

■マグネシウム
下痢

いずれも、みかんだけでこれらの不調を起こす量にはなり得ません。

ここに書いたような不調が起きるには、ビタミンなどで言えば、みかん90個を一度に食べなければなりません。いくらみかんがおいしくても、90個を一度に食べるのは無理ですよね。

気をつけなければならないのは、みかんに含まれる栄養素のサプリを飲んでいる方です。

また果物なので、体を冷やしたり、食物繊維によってお腹がゆるくなったり、冷えることはあるでしょう。

みかんを食べ過ぎると手や足が黄色くなる理由

これは、一時的なもので、『柑皮症(かんぴしょう)』といいます。

みかんのオレンジ色の色素であるβ-クリプトキサンチンが脂肪にくっつきやすいために起こります。健康に悪影響はありません。手のひらや、足の裏などが特に黄色く目立ちます。食べるのをやめると徐々に黄色くなくなっていきます。

肌が黄色くなると、黄疸など肝臓が悪いのではないかと心配になりますが、柑皮症で黄疸のように、白目まで黄色くなることはありません。

みかんの食べ過ぎは何個から?

みかんの1日の摂取目安量は2、3個です。

体質や体調にもよりますが、3個以上は食べ過ぎと言えるでしょう。

みかんの食べ過ぎを防ぐ長期保存方法

みかんを長期保存する場合は次のような点に注意しましょう。

理想の保存方法

風通しがよく、湿度がやや高く、3〜8度くらいの涼しい場所に、重ねずにメッシュのかごなどに保存するのが理想です。

家庭での保存方法

なかなか家庭では難しいので、お家ではなるべく涼しくて、通気性がある場所を選びましょう。

冷蔵庫は冷えすぎるのと、通気性に問題が出ますので、どうしても冷蔵庫に保存したい時は、1つずつ新聞紙で包みましょう。

箱で買ったみかん

みかんを箱で買った時は、まず腐ったり傷んでいるみかんがないか確認します。悪くなったみかんは、隣り合ったいいみかんの傷みを早めるので、取り除いておきます。

箱のフタは開けたままで保存します。

箱の中が少し湿っている時は、一度みかんを全部出して乾燥させてからみかんを保存しましょう。新聞紙を敷くのもよいです。食べる時は、つぶれやすい下のみかんから食べます。

日持ちの期間

およそ、10日から2週間ほど保ちます。

12月ごろにとれたみかんの方が、それ以前にとれたものより、日持ちができます。

冷凍保存

みかんを凍らせると、日持ちは1ヶ月ほどに伸びます。

冷凍保存する際は、みかんを皮ごと洗ってから水分を拭き取ります。一度凍らせて冷水をくぐらせてから、再度冷凍すると、美味しさが保てますよ。

まとめ

  • みかんの1日の目安量は2〜3個。
  • みかんの食べ過ぎは1日の目安量の3個以上。
  • みかんは食べ過ぎても健康を害するような危険はない。ただ、お腹がゆるくなったり、手足が黄色くなったりすることはある。

みかん自体は、ビタミンや食物繊維があり、健康によいです。

一度にたくさん食べるのではなく、おいしい時期に、少しずつ継続して食べましょう。