パクチーがブームになって、はやくも数年。すっかり市民権を得たように思えるパクチーですが、まだまだ知らないことが多いのではないでしょうか?
例えば、中華料理でたまに出てくる香菜とは何が違うのかとか、健康にいいことは何となく知っていても、
では、食べれば食べるほど健康になれるのか、それとも中毒を起こすギンナンのように食べ過ぎてしまってはいけないのか?などなど…
パクチーがどうしてもダメ!な人にとっては無縁の話題かもしれませんが、大好きな人にとっては気になるこれらについて、改めて考えてみましょう。
パクチーには食べ過ぎたくなるすごい効果が山盛り!
まず、パクチーってそもそも何なの?というところから。パクチーは、セリ科の一年草(※一年ごとに枯れる)ハーブです。
呼び名もさまざま、中国では香菜(シャンツァイ)、英語圏ではコリアンダー。呼び方や使用する部位(コリアンダーは主に乾燥した種子を使います)の違いはあるものの、実はこれらは同じ種類。
なぜ呼び方が分かれてしまったのかというと、日本で多国籍料理がブームになった頃に、それぞれが別ルートから入ってきたからなのだそうです。
パクチーの健康に良いとされる主な薬効は、食欲増進や消化の促進、デトックス効果や殺菌作用。また栄養効果も高く、βカロテン、ビタミンC、Eが含まれていることから中でも美容効果が抜群。アンチエイジングにも効くとして、あっという間に日本での人気が定着しました。
他にも骨の健康維持には不可欠なビタミンKとカルシウムを含み、血管の健康にも役立つとなると…多少の味には目をつぶっても食べたほうがいいもの、という気がしてきますね。
ひとによっては顔をしかめてしまうパクチーの香り成分さえ、実は女性ホルモンの一種、エストロゲンの分泌を助けているそうです。このように、ひとの体にとって良い効果ずくめのパクチーですから、食べれば食べるだけ健康になれる気がしてしまうのですが…
実際のところはどうなのでしょう?
パクチーの食べ過ぎで起こることとは?
パクチーのすごい薬効を知ってか知らずか、パクチーを山盛りにして食べるような料理が日本では時々見られるようになりました。
ここで「日本では」と言ったのは、実はタイをはじめとする東南アジア諸国には、パクチーを山盛りにして食べるような習慣がないからなんです。なので、東南アジア諸国から見ると驚くような食べかたがされているのだとか。
日本人的な感覚で例えると、そうめんに麺の量を超えそうな山盛りの大葉が乗せられていたり、お吸い物にこれでもかと三つ葉が入っていたり…そんな感じが近いのかもしれません。
パクチーの元祖である東南アジアでは見られないような、言ってしまえば度を越した食べ方をする日本。
あくまで添え物として食卓を彩るのが本来のパクチーの役割ということは、本当はたくさん食べてはいけないものなんじゃ…?そんな疑問が、つい浮かんでしまいます。
実際のところ、パクチーを食べ過ぎると何が起こるのかを調べてみました。とりあえず、食べ過ぎると最悪中毒症状で死を引き起こすギンナンのように致命的な害はないようです。安心ですね。
ですが、過ぎたるは及ばざるがごとしと言うように、基本的には薬効とされる効果が行き過ぎることが食べ過ぎでの害と言えるようです。具体的に言うと、消化の促進やデトックス効果が行き過ぎるのか、腹痛や下痢を引き起こすことがあるとのこと。
適量はひとによってそれぞれですので、まずは少量から試して、美味しく食べられる適量を探っていくのがよいでしょう。
他にも、セリ科の野菜…三つ葉やセロリなどでアレルギー症状を起こしたことがある方も、同じくセリ科のパクチーはアレルギーを引き起こす可能性があるので注意が必要です。
北欧ではメジャーらしいセリ科スパイスアレルギーですが、日本では知名度が低いもの。セリ科アレルギーの自覚がある場合は、健康にいいからとパクチーを勧められてもしっかり断るようにしましょう。
まとめ
・パクチーはタイでの呼び名。中国で香草、英語圏でコリアンダーと呼ばれるものと同じもの
・デトックス、美容に効果的な成分が含まれ、骨の健康維持までカバーするその薬効は抜群!
・食べ過ぎると下痢や腹痛を引き起こすので、あくまで適量を美味しく
タイをはじめとする東南アジアの料理で使われることはよく知られているパクチーですが、その歴史はとても古く、なんと紀元前2世紀ごろにまでさかのぼります。中国は漢時代の役人が、貿易を経て中国に持ち帰ったことが東南アジアでの広がりの源になりました。
日本に伝わってきたのは、どうやら10世紀ごろであるとのこと。
平安時代の辞書である『和名抄』にはすでに登場が確認されているとか…1000年以上前の日本人もパクチーのあの味と香りを知っていたと思うと、なんだか不思議な感じがしますね。
ギリシャやローマ、エジプトなどでは医療目的として使われるほど、昔からパクチーの薬効についてはよく知られていたようです。そしてなんと、イスラムの『千夜一夜物語』では媚薬として扱われていたという話まで!
人間の長い歴史の中にパクチーあり、ですね。これからはにおいだけで毛嫌いせず、健康のために少しずつ食卓に取り入れてみたいものです。

