コスパが良く、野菜やくだものを手軽に摂れるジュース。フレッシュな野菜やくだもののパッケージや、〈1日分の野菜〉なんてキャッチフレーズに惹かれて、これを飲んでおけばとりあえずオッケーかな?と、購入したことのある方も多いはず。
しかし、よかれと思って飲んだはずなのに、それが体に悪影響を及ぼす場合もあるのです。ところで、市販されている野菜・くだものジュースのほとんどは濃縮還元ジュースです。
「濃縮還元」って、どんなものか知っていますか?ちなみに、濃縮還元の他にストレートジュースというものがあります。
ここでは、
- ・濃縮還元とストレートの違い
- ・濃縮還元が身体に悪いと言われている理由
- ・濃縮還元ジュースのメリット、デメリット
- ・健康的に飲むためには
といった内容をまとめました。
今まで普通に飲んでいたジュースが「濃縮還元」つまり悪いもの、だったの?!と不安になっている方も、こちらの記事を読むことで、体に悪いと言われている理由、さらに気をつければいいポイントなど、知識を得ることができます。
目次
濃縮還元とストレートのジュースの違い
ずばり、製造工程です。それぞれのジュースには、どういった特徴があるのかを見ていきましょう。
- 「濃縮還元」は、一度加工して濃縮し、再度水やその成分を加えたもの
「濃縮還元」ジュースとは、搾った果汁を、熱を加えるなどして水分を飛ばして、使う時になったら再び水を加えて元の状態に戻して作ったジュースのことです。
なぜこのような手間も時間もかけるのでしょうか?それは海外からものを運ぶ時に、荷物の量を少しでも減らすことで、輸送コストを抑えることが目的です。
果物そのものを運んでくるよりも、水分を飛ばしてコンパクトにして運んでくる方が、運ぶ荷物が小さくなった分、コストを抑えられます。
例えば、海外から果物や野菜をそのままの大きさで運ぶよりも、濃縮して半分の大きさにすれば、輸送費も半分になるのです。また、長期保存ができることも濃縮還元ジュースの特徴です。
「お金の面でも保存の面でも、楽になる」というメーカーの事情により濃縮還元は好都合なのです。。もちろん購入する私たちにとっても、安くジュースを手に入れられるのは嬉しいですね。
- ストレートは、そのままのもの
「ストレート」ジュースとは、搾った果汁を加工することなく加熱して殺菌して、そのまま詰めたものを指します。基本的に、何も加えないところが濃縮還元との違いです。
濃縮還元ジュースが体に悪いといわれている理由
食品添加物を加えている
濃縮する時に、水分と一緒に風味や甘さも減ってしまうため、再度水分を加えてジュースの状態にする時に、砂糖や香料、添加物を加えるなどして味の調節が行われることもあります。
もとの風味を再現するために、約3200種類以上もある化学的な香料を、いくつも混ぜ合わせています。
「イチゴ」の風味を再現するために、酪酸エチル、乳酸エチル、リナロール、アルデヒド、アセトフェノン、レモン精油、ほかにも30種類以上の香料を混ぜ合わせています。
これだけの香料を使用していても、私たちが目にする成分表示には「香料」とまとめてひとくくりにされます。
また、ビタミンC(添加物)も一括表示されますが、これはL-アスコルビン酸ナトリウムといい、ほとんどは中国で作られています。それでも、生産国としては国内表示となるのです。
農薬の危険性
海外で濃縮された野菜やくだものを使用しても、日本でジュースにしていれば国産と表示してよいという決まりがあります。
ジュースに使われるくだものは外国産のものであることが多いのですが、それぞれの原産国名まできちんと記載している商品はほとんどありません。
しかも海外産の場合は、日本で認可されていない農薬が付着した、粗悪な果物を原料として用いているケースもあります。また、長距離の輸送に備えて、収穫後にも農薬を使用しているケースが多いです。
良かれと思って飲んでいるジュースが、むしろ体に悪い影響をもたらすなんて悲しいですよね。
濃縮還元ジュースのメリット・デメリット
「濃縮還元」のメリット
- 輸送費用を抑えられる
果物そのものを運んでくるよりも、水分を飛ばしてコンパクトにして運んでくる方が、運ぶ荷物が小さくなった分、コストを抑えられます。
例えば、海外から果物や野菜をそのままの大きさで運ぶよりも、濃縮して半分の大きさにすれば、輸送費も半分になるのです。
- 長期保存できる
水分を含まないから長期保存が可能になることもポイントです。
- 品質を保ちやすい
成分を調整できるので、季節や天気に味を左右されない。年間を通して一定の品質を保つことが可能です。
「濃縮還元」のデメリット
- 栄養素が破壊されている
搾った果汁を、加熱、凍結するなどして水分を飛ばして濃縮している時に、酵素、ビタミン、食物繊維などの栄養素が破壊されてしまう可能性があります。野菜の代わりに飲んでいるのに、肝心の栄養がないのでは意味がないですよね。
- 本来の風味が失われている
水分を飛ばす過程で、本来の風味も飛ばされてしまいます。そして砂糖や香料など添加物を加えない状態では、ストレートと比較するとどうしても味は負けてしまします。
- ・糖分摂りすぎ
失われた本来の甘さを補うために、砂糖や香料などが添加され、味が調整されている商品も多くあります。そのため飲み過ぎると、病気のリスクや、肥満の危険があります。
ちなみに「加糖5%以下ならば、100%果汁ジュースと表記してもよい」という規定があります。100果汁とあっても、本物のくだものとは別物と考えてくださいね。
健康的にジュースを飲むために注意すること
「濃縮還元」ジュースか「ストレート」ジュースか。この2つを見分けるには、裏の成分表示を見てください。たとえ表のパッケージに〈果汁100%オレンジジュース〉と書いてあるからといって、加工していないジュースとは限りません。
裏の表示ラベルには「原材料:オレンジ(濃縮還元)」などの表記があるはずです。購入する時には、この成分表示もきちんと確認すると安心ですね。
「濃縮還元」製法で作られるジュースは、すでにご説明したように濃縮する過程で失われた風味や甘さを補うために、甘味料や香料などの添加物を使います。
濃縮還元ジュースというものは、たとえ「果汁100%」と表示されていても、私たちがイメージするような新鮮な野菜・くだものがギュッと詰まったジュースではないと知っておくことが大事です。
そして、健康的にジュースを飲みたいのであれば、1日に飲む量は1杯にとどめておくのがよいでしょう。