お料理やバスソルト、スクラブなど美容アイテムにも多く使われている岩塩。ですが、体に悪いという情報もあるのが気になります。
普通の塩との違いやメリット・デメリットとは、どのようなことなのでしょうか。
目次
そもそも岩塩とは?
何億年もの昔、海底が地殻変動の為に隆起した際に、海水が陸地に閉じ込められて長い時間をかけて固まったのが岩塩です。どこでも取れるわけではありません。
日本には採取できる場所はないと言われており、ヨーロッパやアメリカ、アフリカ、アジアなどで摂取されていなすが、その中でもヒマラヤで採取されるピンクソルト(ヒマラヤ岩塩)は有名ですね。
実は、塩の全生産量の3分の2が岩塩で、世界で一番使われている塩なのです。
岩塩と普通の塩(海塩)の違いってなに?
岩塩はとても長い時間を費やして水分が蒸発し塩分やミネラルが結晶化した天然塩で、形成時期は5億年から200万年前とも言われています。
産地や地層によって様々の色のものがあります。水に溶けにくく、材料に混ざりにくいですが、うま味が有りまろやかな味がするのが特徴です。
海塩は塩化ナトリウムが主成分となっており、海水を煮詰めて塩の結晶を作ったり、天日干しをして作っています。
大量の海水から作られる塩はわずかな量なので、昔はとても貴重品だったんですよ。海塩は精製しているため添加物が含まれていたり、ミネラルがほとんどなくなっていることもあります。
ただ、塩っけが強く、粒子も細かくさらさらしているので料理に使いやすくなっています。日本人になじみがあるのはこちらの塩です。
岩塩の特徴
塩は本来無色透明ですが岩塩には色が付いていることが多いですよね。これは人工的に着色しているわけではなく、結晶内に含まれる成分の違いによって色が変わってきます。
海水中のミネラルだけでなく、産地の土壌に含まれるミネラルも含まれているからなのです。ピンク色のものは鉄分、ブルーはカリウムなどが含まれており、ブラックには硫黄が含まれています。
粗塩も粒が大きいので岩塩と間違いやすいですが、この二つは違うものです。岩塩は陸地で長い時間をかけて水分が蒸発して固まったもの。粗塩は海水を煮詰めたものなので成分が異なります。ミネラルを含んでいるのは岩塩です。
また、岩塩には採取法が2通りあります。
溶解法
岩塩を水に溶かして煮詰めてから塩を取り出す方法です。加工が加えられているので品質管理をしっかりしないといけません。不純物は少なくなりますが、その分栄養価も落ちます。
採堀法
岩塩を掘り出したあとに、きれいに洗ったら目的に応じてさまざまなサイズにします。人工的な加工を加えていないので栄養素はそのまま残っていますが、不純物も多く含まれているケースもあります。
商品説明やパッケージに表記されているので、是非確認してみてください。
岩塩が体に悪いと言われているのはなぜ?
結論から言うと過剰摂取さえしなければ、体に悪いということはありません。また、がんになると言われることもありますが、含まれている発がん性物質はわずかです。
大量に摂取し続けた場合に可能性のひとつかもしれないというレベルですので気にすることがありません。ただ、岩塩は世界中で色々な方法で作られています。
その為、入っている栄養価にもバラつきもあり、その中には質の悪いものもあるので、そういった商品を手にしてしまうことがあると体に悪いと言われてしまう原因なのかもしれません。
岩塩を使うデメリット・危険性
海塩と比べると水に溶けにくく固いため、調味料としてはとても扱いにくいです。中々食材になじまないので素材を生かしたシンプルな料理に使う方がおすすめです。
海塩の味になれている方には物足りなさを感じることもあり、必要以上に摂取してしまうと体内に水分をため込んでしまい、むくみの症状が出てしまうので気を付けましょう。
岩塩を使うメリット・効果
岩塩は食べるだけでなく美容にも使えるので便利です。バスソルトとしてお風呂に入れれば体を温めてくれます。代謝もアップし、老廃物も体の外に排出してくれます。
発汗効果があるのでデトックス効果もあります。お風呂から上がってもポカポカ効果が続くのでこれからの季節は特に良いでしょう。自分で岩塩とオイルを混ぜて手作りのスクラブを作るのもおすすめです。
その際はお肌への刺激が強くなりすぎないように粒の小さいものを使ってください。はちみつも加えて保湿効果プラスするものよいです。
必ず自分のお肌に合うか試しながら、少量ずつ使うようにしてください。それと、塩には歯茎を引き締める効果もあるので、普段使っている歯磨き粉に岩塩を混ぜるだけでも歯槽膿漏の対策にもなりますよ。
また、岩塩は粒タイプだけでなく、プレート状にしたものもあります。岩塩プレートを使用した調理はとても簡単で、熱した岩塩プレートに食材を乗せただ焼けば問題ないです。
塩味もついてくれるので他の調味料も必要ありません。岩塩プレートでお肉を焼くと余分な脂分を吸収してくれるのでヘルシーになりますし、遠赤外線効果でふっくらと出来上がります。
また塩分が食材に吸収されるのでシンプルにお肉の味を楽しむことも出来ます。もちろん野菜や海鮮を焼くのも良いですが、水分が多すぎると塩が溶けだしたりプレートが割れることもあるので注意して使うようにしてください。
まとめ
岩塩を体に良いと思って料理に使ってみると塩辛さがあまり感じられず、どんどん使用する量を増やしてしまうことがあります。
結果的に塩分の過剰摂取となってしまうので要注意。高血圧や腎機能の低下、更に悪化してしまうと脳卒中や心不全を引き起こす危険もあります。海塩と併用して、それぞれの良さを上手く活用してください。
- 海塩に比べるとまろやかで塩っけを感じにくい
- 過剰摂取しなければ体に悪影響はない
- 食材の素材を生かしたシンプルな料理の方が向いている
- 入っている成分によって色や味が異なる
岩塩はミネラル豊富で体に良いものです。お料理のアクセントとして使ったり、美容アイテムとしても便利です。それぞれの目的に合わせて色々な種類を揃えてみるのも良いですね。