圧力鍋で調理した煮物やカレーって、トロトロでとてもおいしいですよね!
一般的な鍋で調理するよりも時短になって、忙しい主婦の強い味方です。しかし、一方で、「圧力鍋って事故が起きそうで怖い」というイメージもあると思います。
そこで、圧力鍋の事故について、原因や使用上の注意点を分かりやすくまとめました。
この記事を読めば、圧力鍋による事故を正しく防いで、便利に楽しく圧力鍋を使うことができるようになります。
圧力鍋で事故が起きる危険性
圧力鍋による事故は、実際にどれぐらいの件数起こっているのでしょうか?
経済産業省が発表したデータによると、1996年から2008年までの13年間で64件の事故が起こっています。事故の内訳は、死亡1件、重症13件、軽傷23件となっています。
なお、2010年に安全基準を大幅に強化された効果があり、2010年以降はほとんど事故がほとんど報告されていません。
まったく事故が起こらないとは言い切れませんが、「圧力鍋=危険」というほど多くの事故が起こっているわけではないようです。
圧力鍋で事故が起きてしまう原因
それでは、なぜ圧力鍋の事故は起こってしまうのでしょうか?
その主な原因としては、
- 圧力鍋の蓋が完全にしまっていなかった
- 圧力鍋で調理することが禁止されている食材を入れた
- 圧力鍋の設計上のミス、製造過程でのミス
があげられます。また、事故の8割は加熱中に起こっています。
圧力鍋による事故を防ぐには?
圧力鍋による事故を防ぐためには、「購入時」「使用前」「使用中」それぞれに気をつけることがあります。
この点をチェックするだけで、事故の原因を減らすことがありますので、ぜひ確認してください。
圧力鍋を購入する時にチェックすること
圧力鍋を購入する際に、値段や容量、機能などで選ぶかと思いますが、
安全面については、安全規格のマークが表示されているかチェックしてください。
PSGマーク→国の安全基準を満たしていることを証明するマークです。
SGマーク→一般財団法人製品安全協会が定めた安全基準をクリアしていることを証明しているマークです。万が一事故があった場合には、賠償を受けられます。
JPCCマーク→JPCCマークは、圧力なべ協会に加入している証明のマークです。
購入する際には、最低でもPSGマークがついている商品を選んでください。
賠償面を考えればSGマークも必要ですし、3つのマークがついていれば安全面では最高の基準になります。
圧力鍋の使用前にチェックすること
圧力鍋は、たまにしか使わないという人もいると思います。
棚の奥から出してきた時、久しぶりに使う時などは、ぜひ以下の項目をチェックしてください。
- ノズルが汚れたり、詰まったりしていないか
- パッキンが破損していないか
- 取っ手やネジがぐらついていないか
- 具材、量を入れすぎていないか
- 調理できない具材を入れていないか
- (オモリ式の圧力鍋の場合)オモリがついているか
- 蓋がしっかりしまっているか
圧力鍋の使用中に気をつけること
圧力鍋での調理中も以下のことに注意してください。
- 蒸気が出ている時に蒸気に触れない
- (オモリ式の圧力鍋の場合)蒸気が出ている時にオモリを外さない
- 加圧中は、10分につき200mlの水を追加する
- 調理が終わったら、冷ましてから蓋を開ける
圧力鍋に入れてはいけない具材
安全に圧力鍋を使用するために、中に入れてはいけない具材があります。これらの具材を入れると事故の原因となり、大変危険ですので、調理前に必ず確認してください。
入れてはいけない具材は以下のとおりです。
- 豆類→皮が剥がれて、ノズルを塞いでしまう原因になります。
- シチューやカレーなどのルー→とろみがあり、ノズルを塞いでしまう原因になります。
- 餅、はんぺん、ちくわなどの練り物→膨張して、ノズルを塞ぐ原因になります。
- 被膜のある肉類→牛タンのように皮膜に覆われているものも、豆類同様、皮が剥がれてノズルを塞ぐ原因になります。
- 規定以上の油や酒→弾けて爆発する恐れがあります。
- パスタ、そうめんなどの麺類→泡立ってしまいます。
安全に使える!電気圧力鍋について
「それでもやっぱり、圧力鍋を使うのは不安!」という方もいると思います。圧力鍋から出る「プシュー」という蒸気に心臓がドキドキしてしまうかたもいますよね。
そんな方にオススメなのが、電気圧力鍋です。電気圧力鍋とは、その名前のとおり、ガスを使わずに電気で調理する圧力鍋のことです。
最近は、さまざまなメーカーから電気圧力鍋が販売されています。
電気圧力鍋のメリット
1. 安全性が高い
この記事でお伝えしてきたように、ガスの圧力鍋だと、少ない件数ではあっても、事故が起きる可能性があります。
その分、電気圧力鍋は事故が起きる心配がありません。火を使わないので、子どもさんや高齢者がいる家庭には安心ですね。
2. 操作が簡単
電気圧力鍋の操作はとても簡単。ボタンを押すだけで調理が開始できます。また、保温や温めなおし、タイマーや圧力調整などの便利な機能もついている商品があります。
3. 台所を離れることができる
ガスの圧力鍋だと火を使うので、調理中は台所を離れることができませんが、
電気圧力鍋だと、台所にいなくてもオッケーですし、なんなら「外出している間に調理する」なんていうことも可能です。
電気圧力鍋のデメリット
デメリットとしてあげられることは、ガスの圧力鍋に比べて・・・
- 値段が高い
- 加圧力が弱い
- 圧力がかかるまでに時間を要する
という点です。
それぞれのライフスタイルによって、メリットの高い圧力鍋を選ぶことをおすすめしますが、安全性の高さは電気圧力鍋が優れています。
まとめ
・圧力鍋による事故は、13年間で64件。事故が起きる可能性はあるものの、正しい使い方を知っておけば、むやみに恐れるほどの危険度ではない。
ガスの圧力鍋に加えて、電気圧力鍋も多く販売されていますので、電気圧力鍋を利用するのもひとつの方法です。
圧力鍋は、早い・美味しい・便利な調理道具ですので、ぜひ安全に使いこなしてみてください。