お菓子作りをするときや甘い煮付けの料理をするときには欠かせない調味料が、砂糖です。
一口に砂糖といっても、上白糖、黒糖、グラニューFgi糖などさまざまであり、最近注目を浴びているのがてんさい糖です。
しかし、このてんさい糖、危険だという声も・・・。てんさい糖って身体にいいの?それとも危険なの!?そもそもてんさい糖って何からできた砂糖なの?そういったお声に、この記事がお答えします!
てんさい糖は他の砂糖と何が違う?メリットは?
そもそもてんさい糖とはどのような砂糖なのでしょうか。てんさい糖とは、ほうれん草と同じ分類の食物です。
しかし、見た目は大根に似ていて、「サトウダイコン」や「ビーツ」という別名もあります。温帯の冷地で栽培され、世界ではロシアなどが主要な原産国となっています。
ちなみに日本で栽培されるてんさいは、100%北海道産!ほんのり甘さがあるのが特徴で、根の部分を煮詰めることによって砂糖を精製します。
ではこのてんさい糖ですが、他の砂糖とは一体何が違うのでしょうか?最も私たちが目にすることが多い砂糖である上白糖と比較しててんさい糖のメリットをみてみましょう。
メリット1:オリゴ糖が含まれている
てんさい糖にはオリゴ糖が成分として含まれています。
オリゴ糖は、腸のはたらきを整えるという効果があるありがたい成分です。これは上白糖やグラニュー糖には含まれていないのです。
メリット2:様々な種類のミネラルが含まれている!
上白糖は100gのうち99gが炭水化物でできています。それに対しててんさい糖には、カルシウム、カリウム、リン、鉄、亜鉛といった豊富なミネラルが含まれているのも特徴です。
ミネラルは人体で自然に生成することができない栄養素であるため、てんさい糖は貴重な摂取源となるのです。
メリット3:身体を温める効果がある!
温かいところで作られたものは身体を冷やし、寒いところで作られたものは身体を温める効果があると言われています。
北海道などの寒冷地で作られるてんさいを原料とするてんさい糖は、身体を温めてくれるのです。
メリット4:GI値が低い!
GI値とは、食後の血糖値の上り幅を表すものです。この値が高いほど、血糖値が急激に上がりやすく、低いほどゆるやかに血糖値を上がることになります。
血糖値の急激な上昇は肥満などのもととなります。上白糖やきび糖などのGI値が100を超えるのに対して、てんさい糖のGI値は65。
中GIに分類されます。ダイエットや糖分を控えたい方にはおすすめです。
てんさい糖の危険性や安全性について
これまでの内容を読むと、てんさい糖は身体に優しい健康的な食材だと思いますよね。
しかし実は、てんさい糖は危険だという言説もあります。そう言われる要因は2つ考えられます。
- 原材料のてんさいの栽培に農薬を使用している場合がある
- 原材料のてんさいが遺伝子組み換えによって作られている場合がある
農薬や遺伝子組み換えという言葉を聞くと、一気に危険な食品に思えてきますが、実は皆さんの周りにはこういった食品がありふれています。
スーパーの野菜売り場でも、無農薬野菜を注意して選ばない限り、多くの野菜は農薬を使用して作られています。
また、普段口にするスナック菓子の原材料のコーンのほとんどは遺伝子組み換えによってつくられたものです。
つまり、農薬の使用や遺伝子組み換えによる栽培によって作られた食品は普段意識しないところで巷にあふれており、気を配らない限り完全に排除することは難しいです。
このように、てんさい糖が特別危険な食品だということではないのです。
ただ、もともと上白糖に代替する健康で身体に優しい砂糖として注目を浴びたこともあり、ネガティブな一面が過度に拡大してしまったと考えられます。
てんさい糖にもデメリットがある!?
てんさい糖は他の砂糖に比べて嬉しい効能が沢山あり、メリットも多いです。ただだからといって、食べれば食べるほど良いのかというと、そうではありません。
あくまでてんさい糖も上白糖などと同じ「砂糖」である、ということを忘れてはならないのです。
砂糖の摂り過ぎは、肥満、心臓病、糖尿病、疲労などあらゆる疾患のリスクを増やします。
あくまで、他の砂糖の代用品としてメリットがあるということなので、糖分を摂り過ぎによるリスクは十分気をつける必要があります。
てんさい糖を使う時にはここに注意!
先ほど、てんさいの危険性として①農薬の使用可能性②遺伝子組み換えの可能性の2つをあげました。
しかし実は、日本で作られるてんさいは、遺伝子組み換えによる商用栽培が認められていません。
ただし、この場合、農薬は使われていると考えた方が良いです。逆に、海外産のてんさいは無農薬栽培のものもありますが、遺伝子組み換えの可能性は高いです。
どうしても遺伝子組み換えが気になる方は、オーガニックのものを買うと良いでしょう。産地や、遺伝子組み換えなし、といった表記に気をつけるといいでしょう。
同時に、先述のように、あくまでてんさいは砂糖です。メリットがあるからといって過剰に摂取すると、かえって健康に悪影響を及ぼすことになりますので、適量を使うようにしましょう。
必見!てんさい糖の正しい使い方
砂糖だから量を制限すべきとは言うものの、どれくらいの量なら摂っても良いのでしょうか。
WHO(世界保健機関)によると、1日の砂糖の量は25g以内に抑えるべきだといわれています。とはいえ、25gってどのくらいの量かぴんとこないですよね。
実は25gはティースプーン6杯分です。それくらいなら抑えられる気がしてしまいますが、実は私たちが普段食べているものの中には、見えない砂糖が沢山潜んでいます。
例えば、甘いジュースをペットボトル1本飲めばそれだけで簡単に25gを超えてしまいます。
どら焼き1個でもオーバーです。そのほかにも、お菓子はもちろん、ドレッシング、低脂肪ヨーグルト、ケチャップなど、一見甘く見えない食品にも沢山の砂糖が使われていることをご存じですか?
このように、見えない砂糖の存在を考えると、1日に25gなんて気をつけない限り簡単に超えてしまうのです。
つまり、いくらメリットのあるてんさい糖とはいえ、砂糖を1日25g以内に抑えるには、てんさい糖単体ではなく他の食材や調味料との総量で考えて、控えめな摂取に抑えることが望ましいといえるでしょう。
まとめ
・てんさい糖はオリゴ糖やミネラルが含まれているなど、様々なメリットがある!
・原料のてんさい栽培において農薬使用や遺伝子組み換えがされているというデメリットはあるが、それはてんさい糖に限らず、多くの食品に当てはまること!
・てんさい糖はあくまで砂糖なので、摂り過ぎは疾病のリスクを招く!
このように、てんさい糖を使う上で様々なメリットやデメリット、注意点がありました。
過剰摂取にはくれぐれも気をつけ、あくまで他の砂糖の代わりとして上手に利用することで、おいしく、そして健康的にてんさい糖を摂るのが理想的ですね。