ローストポークが赤いのは生焼け?食中毒の危険や対処法・安全性について

ローストポークって美味しいですよね。ちょっとリッチな気分になれるお酒のおつまみ、ホームパーティーに出すと一気に華やかで上品に見えるメニューとしても最適です。

ですが、ローストポークって中身がピンク色をしているので不安になるという方も多いのではないのでしょうか?

今回は、ローストポークの中身が赤い理由、調理の際に不安になる生焼け問題、食中毒の危険性、さらに火の通りを最適にして美味しく作るコツまでご紹介します。

ローストポークを切ったら中身が赤い!食中毒の危険は?

そもそも、お肉ってなぜ赤い色をしているかご存知ですか?「もちろん血の色!」と思う方が多いかと思いますが、これは違います。

お肉が赤い理由、それはお肉に含まれている「ミオグロビン」というタンパク質が原因です。

このミオグロビンは動物によって含まれる量が違っており、例えばお肉でいうと鶏肉より豚肉、豚肉より牛肉、といった具合により多く含まれ、それによりお肉自体の色がより赤く見えるんですね。

焼き上がったローストポークを切った時に赤い肉汁が出ることがしばしばありますが、これも血液ではなくミオグロビンが正体です。

ですが、赤い肉汁が出てきたり、あまりにも鮮やかなピンク色をした断面を見てしまうと、「本当に食べても大丈夫?」と不安になるでしょう。

ローストポークを作る過程で、しっかりとレシピ通りの温度と時間を守って調理したものであれば、まず食べても大丈夫でしょう。

ただし、食べたときに血生臭いような変な味がする場合は生焼けの可能性が高いので、食べるのはやめて改めて焼き直したり十分に加熱するようにしましょう。

中身が赤いお肉を食べても良い理由

「中身が赤い肉はあたるので食べてはいけない」というのは皆さん周知の常識ですよね。

では、なぜ生焼けのお肉を食べると食中毒を起こすのでしょうか?

それは、主に細菌や寄生虫によるものです。現在の日本で販売されているお肉は、食肉流通のためにしっかりと検査されていますし、寄生虫も少なくなっていることから、ほとんど安全といっていいレベルのものではあります。

しかし、豚肉は解体の過程で腸内管の菌がお肉に付着してしまうので生では食べられない、つまり生焼けで食べると食中毒を起こしてしまう場合があるのです。

あくまでも「生の豚肉」が危険なのであって、しっかり火が通って中身の細菌や寄生虫が死滅していれば食べても大丈夫です。

では、その基準になるものは何なのでしょうか?

多くの方は、お肉の色をみて生焼けかどうかの判断をするでしょう。しかしそれでいくと、ローストポークは食べてはいけない色をしていると思いませんか?

実は、先ほど述べたミオグロビンの色が変化してお肉が良い焼き色加減になる温度は、細菌や寄生虫が死滅する温度よりも高くなっているんです。

約80℃を超えたあたりから徐々に変化し始めますが、その少し手前の70℃を超えたあたりから細菌や寄生虫は死滅していきます。

つまり、しっかりレシピ通りの温度と時間を守っていれば安心して食べられるというのはこれが根拠ですね。

ローストポークが生焼け?心配な時にチェックするポイント

どれだけ大丈夫と思っても、やはり目でみて不安になることはありますよね。また、自宅で初めて調理するといった場合も不安が大きいかと思います。

そんな時は、焼き上がったローストポークを切る前に、竹串などで刺してみましょう。この時、一番お肉が分厚い部分に刺すと良いです。

串を抜いた時に出る肉汁がさらさらとした透明の肉汁であれば火が通っている証拠です。赤い肉汁が混じっている時は加熱が足りていないので、追い焼きをしてからもう一度刺してチェックしてみてください。

肉汁を見分けるには自信がない……そんな方は、調理用の温度計を使って肉の中心部に直接刺して温度を測りましょう。

焼き上がったお肉は火からおろしても切らずに置いておけば余熱で少し温度が上がります。最高で約5℃くらいは上がるので、それも考慮した上で65℃以上あれば大丈夫です。

それでも心配だからといって70℃を超えるまで焼き続けてしまうと、安心安全ではありますがお肉がパサパサして焼き豚のようになってしまうので注意してください。

万が一、切って盛りつけてから「なんだか赤い」と気になった場合は、電子レンジで10秒ずつ加熱していきましょう。

生焼けのローストポークを食べてしまった時の対処方法

生焼けのお肉を食べてしまうとどのような症状が出るのでしょうか。

お肉による食中毒は、生焼け肉を食べてしまってからおよそ7日以内に発熱、風通、下痢などの症状が出ます。

7日以内にこれらの症状が出て、いつもと違うと感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。

逆に言えば、もし生焼け肉を食べてしまっても7日を過ぎてもなんらかの症状が出なければ気にしなくても大丈夫です。

食中毒は、最初は軽度でも一気に悪化する場合があるので、「これくらいなら大丈夫」と思わず、少しでも不安な症状があれば医師の判断を仰ぎましょう。

また、小さい子供が誤って生焼け肉を食べてしまった場合も同じく、食べてからの様子を注意深くみておきましょう。

発熱や腹痛がなくても、いつもと何か様子が違ったり機嫌がひどく悪いなどの場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

自宅で安心安全に美味しいローストポークを作りたい!

ホームパーティーなどでたくさん振る舞おうと思うと、市販ではなかなか良いお値段しますよね。

そんな時に自宅で美味しいローストポークを作れたら最高ですね。そんな時にチェックするコツやポイントをご紹介します。

まずはどのような方法で作るか、事前にレシピを選んでおきましょう。オススメは、低音調理器やオーブンで作る低音調理です。

しっとりジューシーな本格的なローストポークを作ることができますが、時間がかかるというデメリットもありますのでその点も考慮して挑戦してみてくださいね。

その他には、フライパンや炊飯器でも作ることができるので、自分にあった作り方を選びましょう。

材料を揃える際にもワンポイント注目するところがあります。できるだけ、お手本になるレシピは画像や写真付きのものを選んでおくと失敗しにくいです。

なぜなら、その写真とよく似た大きさや分厚さのお肉を選んで、調味料も同じものを揃えることができると、限りなくレシピ通りのものができるからです。

大体こんなものだろう、と勝手にアレンジを加えるのは控えましょう。

先にも述べたように、ローストポークの断面はピンク色が最も美味しいとされていますが、ピンク色でも安全に食べるためには徹底した温度管理が重要になってきます。

そのため、調理過程でもお肉の加熱温度と加熱時間は必ず守るようにしましょう。しっかりとレシピを守ることで美味しく安全に作ることができますよ。

また、調理前にお肉は冷蔵庫から出して常温にしておきましょう。そうすることで急激な温度変化も少なく、温度管理がしやすくなりますよ。

焼き上がってから生焼けのような気がする……そんな時は焦らずアルミホイルでしっかり包んでしばらく置いてみましょう。余熱でゆっくり中まで火が通りますよ。

それでもまだ足りない場合は追い焼きするか、レンジで少しずつ温めて様子をみましょう。

まとめ

  • ローストポークの断面がピンク色なのは血ではなくタンパク質の色
  • しっかり時間と温度を守って調理したローストポークは断面がピンクでも食べられる
  • 焼き上がりの肉の中心部が65℃以上であればOK
  • 生焼けの場合は肉汁が赤っぽい
  • 追い焼きしすぎるとパサパサに。余熱を使いこなそう
  • 生焼けを食べてしまったら7日間は体調チェックを入念に

お店で買うと美味しく安全ですが、たくさん欲しい場合はお財布と相談……そんな時に本格的なローストポークを家庭で作れたら素敵ですね。

自分で調理したものだから安心して振る舞って良いのか不安という方や、たまにしか食べないから市販のものでも不安という方も、安心で安全に美味しく食べられるように、しっかり知識をつけて楽しめると良いですね。