多くの人が使っているアルミ鍋。「もしかしたら、アルミの成分が溶け出して体に悪いんじゃないか?」「家族に危険が及ぶかも?」と不安になったことはないですか?
実は、私たちはアルミ鍋で調理した料理だけではなく、市販されている飲料水やお菓子(ベーキングパウダー)、イカ・タコ・海藻類などからもアルミニウムを毎日のように口にしているのです。
この記事では、「アルミ鍋から成分が溶け出るのか」、「危険性について」、「体に悪いことが起こるのか」、「正しいアルミ鍋の使い方」をお伝えします。
記事を読み終えると、アルミニウムの基礎知識を把握したうえで、安心してアルミ鍋をこれまで通り使えるようになります。
アルミ鍋の成分は溶け出ることはある?
アルミ鍋からアルミ化合物が溶け出すことは、各種の実験でも確認されてます。
ただ、アルミ鍋に限らず、鉄製のお鍋なら当然ですが鉄分が、ステンレス製のお鍋ならニッケルといった成分など、やはりごくわずかとは言え、お鍋から溶け出して体内に入っているのです。
しかし、溶け出す成分はわずかな量のため、過度に気にする必要はありません。
使っていた年数やメーカーにもよりますし、お鍋の中にキズがつけば、アルミがむき出しになっている場合があります。
アルミ鍋の人体への危険性について
アメリカ政府は、アルミ製の調理器具が人体に悪影響を及ぼすと、公式発表を出しています。
ここ日本では、アルミ鍋で調理した料理に入るアルミニウムは、食べ物などから摂る量と比べてもごくわずかという調査結果があり、アルミニウム使用の規制はありません。
ただ、赤ちゃんや成長期の子供には、悪影響をおよぼす可能性があります。影響の少ない大人より基準を超えて吸収してしまいます。
離乳食やミルク用のお湯を温める場合に、アルミ鍋は使わないようにしましょう。
ラットによる投与実験では、尿結石ができたり、神経系の問題から握力の低下が見られたり、成長の遅れなどが確認されたりしています。
高濃度のアルミニウムが、脳内や各臓器に蓄積していました。私自身、子供が小さかった頃は、気にもせず離乳食作りにアルミ鍋を使っていたので、今となってはゾッとします。
幸い、これまで大きな病気などなく育ってくれました。
アルミ鍋やアルミ製品で体に起こる悪いこと
体内に吸収されたアルミニウムは、ほとんどが排出されますが、一部細胞内に残ってしまい、脳に移行するとの考えもあります。
アルミニウムとアルツハイマー病の関連について、以前から議論されています。
まだ解明されていないこともあり、関連性があるのかどうかは、はっきりとわかっていません。
因果関係があるという研究結果と因果関係がないとの研究結果があり、今でも議論されています。
実は、アルミニウムは大量に体内に吸収されなければ害はないのですが、逆に私たちの体にとっての役割は不明です。人の体にとって必要な成分ではないと考えられています。
アルミ鍋の正しい使い方
アルミ鍋は、しばらく使っていると知らず知らずのうちに黒ずんできたり変色したりしてしまいます。
面倒だと思わずに、黒ずみや変色を予防するため、購入後使用前のアルミ鍋のお手入れ法がありますので、ご紹介しますね。
アルミ鍋の黒ずみや変色予防お手入れ方法
- 使用前のアルミ鍋に余った野菜くず(ヘタ部分、キャベツの芯など、普段は使わず捨ててしまう物)を入れて、お米のとぎ汁かお水をお鍋の8分目くらいまで入れます。
- 中火で火にかけ沸騰させます。10分ほど待ちます。この時、フタはしません。
- 洗剤を使わず、スポンジで水洗いします。
- 最後に、水気をきってふき取りしっかり乾燥させます。
軽さと熱の伝わりの早さ、なんといっても安価で手に入るのがアルミ鍋のいいところですね。今では100均でも気軽に買えます。
そんなアルミ鍋ですが、変色予防のお手入れを忘れて使い始めたり、使用前のお手入れをしてもしばらくすると黒ずんだり変色したりしてしまいます。
では、気を付けていてもできてしまった黒ずみをとる方法もここでご紹介します。
アルミ鍋に出来てしまった黒ずみをとる方法
- 黒ずんでしまったアルミ鍋に、レモンの輪切り3~4枚とお水をお鍋の半分あたりまで入れます。
- 中火で火にかけ、10分程沸騰させます。
- 黒ずみが残っていれば、軽くスポンジでこすります。
レモンがなければ、リンゴでも大丈夫です。それでも落ちなければクレンザーなどで落とせます。スチール製のたわしなどはキズが付き、腐食や劣化につながります。
その他、正しい使い方としては、強火にかけないことです。熱の伝わりが早いため、中の食材がくっついてしまったり、焦げてしまったりするからです。中火までにしましょう。
調理済の料理を長時間入れたままにするのは、アルミ鍋自体の腐食を早めてしまうのでやめましょう。酸性やアルカリ性のお酢や重曹の使用は、控えたほうが無難です。
食洗器で洗う時も、アルカリ性の洗剤は使わないようにしましょう。使い終わって洗った後は、水気をきって保管します。アルミ鍋に限らずですが、空炊きには気を付けましょう。
まとめ
・アルミ鍋からは、アルミ化合物など成分が少なからず溶け出している。
・危険性について、アルミ製の調理器具使用で悪影響があるとアメリカでは公式発表されている。
・日本では、アルミニウムの使用規制はないが、成長期の子供や赤ちゃんへの影響は大きいため、注意が必要。
・体内に入ったアルミニウムは、排出されなかった微量が細胞内に残り、脳内に移行されるとの考えもある。そのため、アルツハイマー病との因果関係が研究されていて、今も因果関係については議論されている。
・アルミニウムの人体にとっての役割は、今も不明。必要な成分ではないと考えられている。
・アルミ鍋を強火にはかけない、お酢や重曹などアルカリ性のものやアルカリ洗剤を使わないなど、正しい使い方で長持ちさせることができる。
上記の内容を踏まえて、アルミ鍋を適切に使いましょう!