私たちの身近な伝統食材である切り干し大根。大根を天日で干すことによって大根の甘味・うま味・栄養がぎゅっと凝縮され、独特の風味と食感が特徴的です。
煮物などが食卓にあるとついつい箸が止まらず、食べ過ぎてしまうことも多いのではないでしょうか。ヘルシーなイメージがある切り干し大根ですが、食べ過ぎると体にどんな影響があるのか、不安になることもあるかと思います。
切り干し大根の実際のカロリーはどれぐらいなのか?食べすぎると太ってしまうのでは?という疑問も浮かびます。
この記事を読むと、切り干し大根の食べ過ぎは体に悪いのか?太ってしまうのか?逆に食べるとどんなメリットがあるのか?などについて知ることができます。
目次
切り干し大根を食べ過ぎると体に悪い?どんな影響がある?
切り干し大根は食物繊維を多く含んでいます。食物繊維には
- 水溶性植物繊維
- 不溶性食物繊維
の2種類がありますが、切り干し大根に多く含まれるのは「不溶性食物繊維」です。不溶性食物繊維は、適量であれば腸内で水分を吸収して便の体積を増やし、腸を刺激して便の排泄を促進することで、便秘改善につながります。
また、有害物質を吸着して体の外に排出してくれるデトックス効果もあります。しかし、不溶性食物繊維を大量に摂取するとおなかが張り、かえって便秘を促進してしまうことがあります。
もともと便秘が重く腸の動きが弱っている人が不溶性食物繊維を摂り過ぎると、便がスムーズに動かなくなり、さらに便秘が悪化することもあります。栄養たっぷりの切り干し大根ですが、食べ過ぎは禁物です。
切り干し大根で太る可能性
切り干し大根のカロリーは100gあたり301kcalです。意外と多い!と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただし、これは水で戻す前の乾燥した状態での100gですから、実際に煮物などにして食べるのは10g程度、30kcalほどになることがほとんどです。
1食分で考えると低カロリーな食材と言えそうです。低カロリーな切り干し大根ですが、実は、「糖質が高い」という特徴があります。
切り干し大根は、天日で大根を干すことによって糖質が生成され、生の大根よりも含まれる糖質が多くなっています100gあたり48.1%と、なんと質量の約半分が糖質に当たります。
また、切り干し大根を調理する際に、煮物などにする場合はみりんや砂糖を使用することが多く、さらに糖質が高い食事になってしまいます。
食後血糖値が急激に上昇しやすく、インシュリンが分泌され、体に脂肪を溜め込む原因になってしまうため、注意が必要です。
切り干し大根を食べるメリット・効果
食べ過ぎは要注意な切り干し大根ですが、食べるメリットもたくさんあります。なぜなら、切り干し大根には
- 食物繊維(水溶性・不溶性)
- カルシウム
- 鉄
- カリウム
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- 葉酸
などの栄養素が生の大根よりもたくさん含まれています。
同じ量の生の大根と比べてカルシウムはなんと20倍、鉄やカリウムは15倍、ビタミンB1やB2も20倍と、太陽に当てて干すことで大根の栄養素が凝縮され、1食で多くの栄養素を摂ることが可能です。
切り干し大根で摂れる栄養素の効果としては、カルシウムで骨粗しょう症を予防、カリウムはむくみ予防に、鉄分は貧血予防、食物繊維が腸の中を掃除することでダイエット効果もあります。
水溶性食物繊維やカリウムが余計な塩分を排出し、高血圧予防にもなります。その他、ビタミンB類によって疲労回復、免疫アップなど、たくさんの効果が期待できる、スーパーフードといえそうです。
切り干し大根を食べるときの注意点
大根の栄養素が凝縮されていて栄養たっぷりの切り干し大根ですが、ヘルシーなイメージのわりには糖質が高めです。野菜だから大丈夫と思って食べ過ぎてしまうと、糖質の摂り過ぎになってしまう恐れがあります。
糖尿病の人や糖質制限をしている人は注意が必要です。また、濃い味付けで煮物などにしてしまうとさらに糖質が高くなってしまうので、味付けに砂糖やみりんを入れ過ぎないことも大切です。
1日に食べてもいい切り干し大根の量
切り干し大根は、乾燥した状態で1食あたり10gが目安量です。1食分10gで、栄養素の1日の推奨量に対し、以下の割合を摂取できます。
- 食物繊維→12%
- カリウム→11%
- 鉄→9%
- カルシウム→9%
- 葉酸→4%
こうして見ると、少量でも1日の必要量に対してかなりの割合で栄養素を摂取できることがわかります。
しかし、不溶性食物繊維や糖質も多い切り干し大根を毎日無理なく続けるには、1日に3食分で最大30g程度を目安に、過度に食べすぎないようにしましょう。
切り干し大根のおすすめの食べ方
切り干し大根は水で戻してから人参や油揚げと一緒に醤油や砂糖、だし汁で煮込む煮物が一般的です。
ほうれん草とごま和えにしたり、ツナやきゅうりと和えてサラダにすると、さっぱりとしてカロリーや糖質も抑えることができ、よりヘルシーに食べることができます。
また、お肉などの炒めものに入れると、切り干し大根によってボリュームが増えて低カロリーでも満足でき、ダイエットにも最適です。
シンプルにいつもの味噌汁に入れても、独特な食感を楽しみながら食事の栄養バランスを整えることができます。
まとめ
- 切り干し大根は食べ過ぎると不溶性食物繊維の摂り過ぎで便秘になったり、便秘がより悪化することもあるので注意!
- 切り干し大根はローカロリー!ただし、糖質は意外と高めなので食べ過ぎに注意しましょう。
- 切り干し大根はカルシウムや鉄分など、生の大根の10倍以上の栄養素を含むスーパーフード!毎日適量食べると多くの健康効果が期待できます。
- 味付けを工夫して糖質を抑えるとよりヘルシーに毎日の食事に組み込むことができます。
- 切り干し大根を無理なく食べられる量は1日に最大30g程度です。
- 定番の煮物だけでなく、サラダや炒め物にするとよりヘルシーで満足感もありダイエットに最適です。
切り干し大根は、食べ過ぎると便秘の悪化や、糖質の摂り過ぎで太ってしまう可能性もありますが、適量であれば我々の健康を助けてくれるとてもありがたい食材です。
煮物など作り置いて保存すると毎日食べやすく、多くの栄養素を摂取することができます。食べ方や味付けを工夫し、適量を守ってぜひ食事に取り入れてみてください!