お弁当を前日の夜に作るときは食中毒に注意!気を付けるべき6つこと

忙しい朝の時間の中でのお弁当作り。「前の日の夜に作り置き出来たら楽なのにな・・・」と思ったことはありませんか?

実は、お弁当に入れるおかずの調理方法や保存方法に注意すれば、前日の夜に作り置きすることができるんです。

この記事では、お弁当を前日に作り置きする際のポイントをご紹介します。記事を読み終えると、食中毒の心配をすることなくお弁当を作れるようになります。

お弁当を前日の夜に作り置きするときに注意すること

お弁当を作り置きして朝はもう少し寝ていたいけど、もし子どもや夫がお腹を壊したらと思うと不安ですよね。

傷みにくいお弁当を作るために重要なのは、お弁当の水分や温度をコントロールすることです。

傷むということは、菌が繁殖しているということ。菌は栄養・水分・温度の3つの条件で繁殖します。温度は10度以上で増え始め、30~40度が最も増殖しやすい温度帯です。

食中毒予防の大原則は菌を「つけない」「ふやさない」「やっつける」。

菌が好む環境を回避することで、傷みにくいお弁当を作りましょう。具体的なポイントを紹介します。

素手で触らない

手は色々な所を触るので、雑菌が付いています。

調理前には手をしっかり洗い、おかずを詰めるときにはきれいな菜箸を使いましょう。調理中にスマホでレシピ検索をするのも、食材に菌がつく原因になりますので注意が必要です。

おかずはしっかり加熱する

食材は殺菌のため、しっかり火を通します。食中毒を起こす菌のほとんどは75度で1分間以上加熱すると、死滅します。

おかずの中心部まで完全に火を通すことを徹底しましょう。

しっかり冷まして冷蔵保存

出来たおかずは完全に冷ましてからお弁当箱に詰めてください。おかずが熱いまま詰めてフタをしてしまうと、湯気がこもってフタに水滴がつきます。

さらに、冷めにくいため菌が好む温度が長く続くことになり、同時に湿度も上昇するので菌が繁殖しやすくなってしまうのです。

お弁当は必ず完全に冷ましてから、冷蔵庫に保存して下さい。

傷みやすい食材を避ける

生野菜や煮物などのおかずは水分・汁気が多く菌が繁殖しやすいので、入れないようにすることで食中毒のリスクを下げることができます。

作り置き弁当に向かないおかずについては、後述します。

朝電子レンジでチンする

お弁当を冷蔵庫に保存していても、菌が徐々に増殖するのは防げません。

殺菌処理のため、朝電子レンジでチンしましょう。冷蔵庫から出したお弁当を常温に置くと菌が一気に増えるため、再加熱せずにそのまま持って行くのはNGです。

チンした後は、前日と同じようにまた完全に冷ましてからフタをして包んでくださいね。

持ち運ぶときは保冷材を使用する

お弁当を持ち運ぶときは、保冷材を入れた保冷バッグに入れると安心です。

冷気は空気よりも重く上から下へ流れていくので、保冷材はお弁当の上に入れるのが効果的です。

これらのポイントを抑えれば、安全な作り置き弁当が出来上がります。

大事なのは、お弁当を作るときも朝レンチンするときも完全に加熱することと完全に冷ますということですね。

朝起きたらまずはレンチンして他の支度をしている間に冷ます、など工夫して効率的な方法でやってみてください!

お弁当を前日の夜に作ったら冷蔵保存で!

お弁当は冷蔵保存で大丈夫です。菌の多くは10度以下の温度で繁殖が抑えられるからです。

冷蔵庫の頻繁な開け閉めやモノの詰め込み過ぎ、気温の高い夏場は庫内の温度も高くなります。日本工業規格(JIS)で定められている冷蔵室の室温は、4度以下。

心配な方は、冷蔵庫内用の温度計が販売されていますので測ってみてくださいね。

ここでひとつ冷蔵保存のポイントです。おかずは冷蔵保存で問題ありませんが、ご飯は当日の朝炊いて詰める方がおすすめです。

理由はご飯を冷蔵するとパサパサになって、まずいから。パサパサになる原因は、デンプンの老化。炊きたてのご飯の中のデンプン質の水分が失われ硬くなるのです。

デンプンの老化が最も起こりやすいのが2~4度なので、冷蔵庫内の温度は最適なんですね。

ちょっと手間ですが、ご飯だけは炊きたてを詰めたほうがおいしく食べられますよ。

お弁当の作り置きの適切な温め直し方

作り置きしておいたお弁当を朝電子レンジで再加熱するときのポイントは、「熱々になるまでしっかり加熱し、早めに冷ます」ことです。

中途半端にぬるい温度までしか加熱しないのは、かえって菌の増殖を進めてしまいます。

食中毒を起こす菌のほとんどは、75度の加熱を1分以上で死滅しますので「熱い」という温度までしっかり加熱してください。

お弁当箱に詰めた状態でチンするとなかなか冷めにくいので、保冷材を使って冷やしたり、うちわで仰ぐ・扇風機をあてて冷ますなどするとよいです。

時短にもなりますし、早く冷ますことで菌が繁殖しやすい温度帯の時間を短くすることができます。

弁当を前日の夜に作るときに向くおかず

揚げ物

高温でしっかりと加熱し汁気のない揚げ物は、作り置き弁当にピッタリです。

定番の鶏のから揚げは、おいしくて衛生面も安心、子どもから大人まで大好きな心強いおかずですね。エビフライ、豚カツなどの人気メニューも安心して入れられます。

キンピラ

水分の少ないキンピラもおすすめです。

きんぴらごぼう、ニンジンのきんぴらなど、お弁当のちょっとした隙間を埋めるのにも重宝します。

殺菌作用のある食材を使ったおかず

梅干し・赤唐辛子・生姜・・酢・大葉などの食材には殺菌作用があり、食材を傷みにくくすることができます。

おかずの味付けにはもちろん、梅干しとお酢はごはんに混ぜて炊いてもOK。

防腐効果に加えて味のアクセントにもなる食材ばかりなので、ぜひ活用したいものです。

おかずの味付けを濃い目にする

塩や砂糖・醤油には防腐効果があるので、おかずを少し濃い目の味付けにすることで傷みにくくできます。

また濃い目にすると冷めても味がぼやけないので、おいしく食べられます。

前日の夜に弁当を作り置きするときに向かないおかず

生や半熟の卵はお弁当には入れないようにしましょう。卵の殻や中にいるサルモネラ菌によって食中毒を起こすことがあるからです。

ゆで卵は固ゆでにし、卵焼きや目玉焼きも完全に火を通します。

生野菜・フルーツ

水分が多く、また加熱しない生野菜やフルーツは菌が繁殖しやすいです。レタスなどを仕切りとして使うのも避け、カップなどを使いましょう。

汁気の多いおかず

煮物や和え物など汁気の多いおかずも要注意です。

汁気をザルや茶こしで切って入れたり、すりゴマやかつお節など水分を吸いやすい食材を一緒に入れるなどの工夫が必要です。

練り製品

ちくわ、かまぼこ、カニカマなどの練り製品は、魚介類を使っているので傷みやすい食材です。

魚介類に生息している腸炎ビブリオ菌が加工の段階で混入している可能性があり、増殖するスピードが特に速いので気をつけましょう。

練り製品を入れる場合も、しっかり加熱してから入れて下さい。

チャーハン・混ぜご飯

チャーハンや混ぜご飯、炊き込みご飯など味付けされたご飯は白米に比べて、調味料や具材が混ざることで栄養豊富な状態になり、菌が増えやすいです。

麺類も同じで、焼きそばや焼きうどん、パスタなども注意しましょう。

イモ類

じゃがいも・さつまいも・里芋などイモ類に多く含まれるデンプンは、加熱調理することで菌の栄養になりやすく痛みが早いです。

コロッケは揚げ物ですがじゃがいもを使っているので、作り置きには向かないおかずになります。

まとめ

上記で紹介した適切な調理方法を実践していただくと、今後は食中毒の心配をすることなく、安心してお弁当の作り置きができます。最後にもう一度内容を確認しましょう。

・おかずは完全に火を通し、完全に冷ましてから冷蔵庫に保存

・朝持ち出す前に、電子レンジでチン→完全に冷ます

・持ち運ぶときは保冷材を使う

・作り置きに向くおかずと向かないおかずを使い分ける

お弁当を前日に作り置きすることで朝の時間と心にゆとりをもって、一日を良い気分で過ごしましょう!