一口飲むと身も心も温まり、思わず「ほっ」と口に出してしまうくらい、わたしたちの食生活には欠かせないそんな味噌汁。
でも毎日のように食べるからこそ、つい作りすぎしまった味噌汁を放っておいて「なんか変な匂いがする…これって食べられるの?」という経験を誰でも一度はしたことがあるのではないでしょうか。
味噌は腐りにくいのに、味噌汁って思っているより腐りやすいですよね。しかも、食べられるかどうかパッと見わかりづらいことが多くて困ります。
放っておくとすぐに傷んでしまう味噌汁、毎日の美味しい食事を安心して家族に食べてもらうためにも、食べられるかどうかを見分けられるようにしておきたいものですね。
実は、いつくかのポイントを知るだけで、簡単に味噌汁が傷んでいるかどうか見分けられるようになるんです。
この記事では、味噌汁が傷んでいるかどうかの見分け方、味噌汁の賞味期限、傷んだ味噌汁は食べられるか、日持ちさせるためのテクニック、保存の注意点、味噌玉の作り方などをご紹介します。
全部読み終えて内容を実践すれば、味噌汁を腐らせることは絶対にありません。それだけでなく、ラクして美味しい味噌汁をいつでも楽しめるようになりますよ。
目次
味噌汁が腐ると臭いや見た目はどうなる?
晩ご飯に味噌汁を作って、朝も食べようと思っていたら「あれ?なんだか酸っぱい臭いがする気が…これって傷んでる?」という経験、ありませんか?
味噌汁は、実は思っている以上に傷みやすい料理です。「でも味噌は日持ちするのに、なんで味噌汁はすぐに腐っちゃうの?」と思われるかもしれませんね。
それは、味噌汁はたっぷりの出汁・色々な具材が入っているからです。
味噌は麹菌という菌を使って大豆を発酵させて作られます。塩や、酒精と呼ばれるアルコール分などを加えて、他の雑菌が繁殖するのを抑えて腐りづらくなるような工夫がされています。
でも、味噌汁を作る過程で水や他の具材を入れることで、腐りづらくする要素は薄まって、さらに他の細菌が繁殖しやすくなる要素が増えていきます。細菌が繁殖する要素は以下の3つです。
○栄養
○水分
○温度(一般的な細菌の一番増えやすい温度は30〜40℃)
空気中には、常在菌と呼ばれる様々な細菌がいます。主な細菌は、食材が持つ栄養や水分を使って増殖するので、水で味噌を溶かした時点で細菌が繁殖しやすい状態を作り出しているのです。
さらに、コンロの上でゆっくりと味噌汁の熱が下がっていくと、細菌が繁殖するのにちょうど良い温度で長い時間置かれるため、味噌汁が傷むのを早めてしまいます。
では、味噌汁は腐るとどんな感じになるのでしょうか。傷みはじめは見た目ではなかなか分かりづらいですね。
だからみんな「これって大丈夫?食べられるの?」と疑問に思われるのでしょう。確認すべきポイントを下記にまとめます。
<味噌汁が腐っているか見分けるポイント>
1.「酸っぱい臭いがしないか」
2.「汁に粘り気がないか」
3.「白っぽくなっていないか」
確認すべき最初のポイントは「臭い」です。傷みはじめると、味噌汁は味噌の香りがしなくなり、酸っぱい臭いがするようになります。
冷めた状態で匂いを嗅いでも分かりづらい場合は、加熱すると臭いがハッキリと感じられますのでまずは味噌汁を温めてから臭いを嗅いでみましょう。
次に確認するのは「見た目」です。特に粘り気があるものを入れたわけでもないのに、なんだかとろみがついているような感じになったことはありませんか。
それは味噌汁が傷んでいる証拠です。さらに放置時間が長くなると、全体的に白っぽくなり、白い膜が張られたようになります。
これはカビですので、もはや捨てる以外の選択肢はありません。ちなみに、さらに細菌の繁殖が進むと、さらにカラフルなカビが繁殖してしまい、世にもおぞましい姿になってしまいますのでご注意を。
味噌汁は、作った後どれくらい保つの?賞味期限は?
では、味噌汁は作った後そのまま置いておいてどれくらい保つのでしょうか。
時季や中に入れる具材、出汁の取り方でも変わりますが、常温でそのまま置いておけるのは大体6時間〜半日程度が限界です。
特に梅雨時期から秋口くらいまでは室温や湿度も高く、細菌が繁殖しやすい環境になりますので味噌汁だけでなく他の料理も絶対に常温放置しないように気を付けましょう。
味噌汁に入れる具材で特に気をつけたいのは、なめこや茄子です。これらの具材は傷みやすいので、味噌汁を作った当日に食べきることをお勧めします。
また、顆粒だしでなく昆布や鰹節から出汁をひいた場合も日持ちしないため、当日に食べきったほうが良いでしょう。
時間をおくとせっかく手間をかけて自分でひいた出汁の風味も損なわれますので、美味しいうちに食べてしまいたいものです。
また、残った味噌汁を置いておく場合は、蓋をして空気中の細菌ができるだけ入り込まないようにすることも大事ですよ。
味噌汁は傷んでも食べられる?
ある日、「味噌は発酵食品だから腐っているのと一緒。味噌汁が傷んだって食べても大丈夫!」と友人が話しているのを聞き、慌てて「危ないからやめた方がいいよ」と言ったことがあります。
こんな勘違いをしている方がいたらとても危険です。「発酵」は細菌の増殖で起きる現象ではありますが、「腐る(腐敗)」と同じでは決してありません。
「発酵」と「腐敗」の定義は、人間の体に良い効果があるか悪い効果があるかです。
「発酵」は人間の体に良い効果があることですが、「腐敗」は食中毒などの症状を引き起こし、人間の体に悪い効果をもたらします。そして、大事なのは「発酵」させた食品も「腐る」ということです。
発酵食品は製造の過程で他の菌が繁殖しないように様々な工夫が施されています。ですが、それは決して他の細菌が繁殖しないわけではなく、繁殖しないよう押さえ込んでいるだけなのです。
味噌汁が傷んでいると判断した場合、絶対に食べずに迷わず廃棄することをお勧めします。
なぜなら、傷んでいるということは「雑菌が繁殖して腐敗が進んでいる状態」だからです。そのような状態のものを食べた場合、食中毒を引き起こす可能性があるので食べずに捨てるのが賢明です。
では、万が一誤って食べてしまった場合、どのように対処したら良いでしょうか。
まず、食中毒を引き起こす場合、症状が出るまでに時間がかかります。その間に下記のことをしておきましょう。
・吐いてもすぐに片付け・消毒ができるよう準備する
タオルやビニール袋、アルコールスプレーなどを準備
・病院の連絡先を確認し、原因を詳しく説明できるように準備する
味噌汁の保存状態や時間、具材など症状の原因となるものを説明できるようにしておく
食中毒を起こすかどうかはわからないかもしれませんが、万が一症状が出た場合は準備する余裕などないはずです。症状が出る前に準備しておくことを勧めます。
また、「確認するだけだから一口だけ…」と考える方もいるかもしれません。それもやめるべきです。
なぜなら、一度腐ったものは加熱しても元には戻らないし、腐った味噌汁の中で繁殖した細菌の中には、ほんの少しの量で食中毒を引き起こす細菌がいないとも限らないからです。
もったいない精神でわざわざ食中毒にかかるリスクを背負う必要はありませんし、同じように味噌汁を腐らせないよう反省し、次の機会に活かす方がよほど大事だと思いましょう。
念のために、味噌汁が入っていた鍋は煮沸消毒しておくと安心です。
味噌汁を長持ちさせる保存方法
「味噌汁は長持ちしないし、傷んだら絶対食べない方が良いってわかったけど、毎日作るのは大変だよ。
なんとか長持ちさせる方法はないの?」というあなたのために、ここからは味噌汁を長持ちさせる方法についてご紹介します。
・冷蔵保存(保存期間:最長でも2日程度)
ご家庭の冷蔵庫で保存すれば、最長2日程度は保たせることができます。
・冷凍保存(保存期間:最長で1週間程度)
なんと、味噌汁を冷凍保存も可能です。保存容器に冷ました味噌汁を入れて蓋をし、冷凍庫に入れるだけです。
食べるときは半日から1日前から冷蔵庫に移して解凍し、レンジで温めるか鍋に移して沸騰直前まで加熱します。
冷凍保存は便利ですが、具材については冷凍に向いていない食材・向いている食材があるので、それぞれご紹介しますね。
<冷凍に向かない具材>
・ジャガイモ(溶ける・煮崩れする)
・豆腐(水分が抜けてボソボソになる)
・こんにゃく(繊維が壊れてスポンジ状になる)
これらは冷凍には向かないため、冷凍保存する際は以下のような具材を入れることをお勧めします。
<冷凍に向いている具材>
・葉物野菜や煮崩れしない根菜類
・油揚げ
・きのこ類
・魚介類
味噌汁を保存する時の注意点・美味しい味噌汁をいつでも食べるコツ
冷蔵・冷凍保存する際、必ず行わなければいけないのが「できるだけ早く味噌汁を冷ます」ことです。
暖かいまま冷蔵・冷凍保存しようとすると、味噌汁がかえって傷みやすくなるだけでなく、冷蔵庫や冷凍庫に入れている他の食材の温度も上がってしまい良いことはありません。
必ず冷ましてから保存しましょう。また、「できるだけ早く」と書きましたが、なぜでしょうか。これは、「細菌が繁殖しやすい温度になる時間を、可能な限り短くするため」です。
実は、冷蔵・冷凍で保存するにしても、細菌がいなくなるわけではありません。繁殖するスピードが遅くなるだけなのです。
だから、できるだけ細菌が繁殖していないうちに冷蔵・冷凍保存をすることによって保存できる期間も長くなり、より安全に食べることができます。
では、「できるだけ早く冷ます」ためには何をすれば良いのでしょうか。
具体的に例を挙げるなら、「氷水を張ったボウルを用意して、鍋をその中に入れる」のが一番やりやすくて確実です。
「別の容器に移し替えて保冷剤の上で冷やす」と言った方法もあります。その際は移し替える容器をあらかじめアルコール消毒しておくと良いでしょう。
「味噌汁を冷ます時間がそもそもない」という方は、3時間おきくらいに火にかけて沸騰直前まで加熱する方法もあります。
ご自宅にいる方で、昼食に作った味噌汁を夕食でも食べたいけど味噌汁を冷ますのは面倒という方はこういった方法も試してみてはいかがでしょうか。
冷蔵・冷凍保存は便利ですが、デメリットもあります。それは、味噌汁の持つ味噌の風味が、冷却と再加熱によって著しく損なわれてしまうことです。
そこで、「毎日は作りたくないけど、できれば毎日美味しい味噌汁を食べたい」という方にお勧めなのが「味噌玉」です。
この「味噌玉」、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、簡単に言うと「おうちで作れるインスタント味噌汁の素」です。
この「味噌玉」は簡単に作れて冷凍保存もできますので、ぜひ試してみてくださいね。それでは、味噌玉の簡単な作り方をご紹介します。
<味噌玉の作り方>
・ラップの上に味噌・顆粒だし・入れたい具材を置く
・軽く混ぜて、ラップの上から丸め、口を輪ゴムなどで縛る
これだけです。この味噌玉を冷凍庫に常備しておけば、すぐに味噌汁が食べられます。
味噌汁を食べたい時に、味噌玉を冷凍庫から出してお椀にあけ、お湯を注ぐだけです。まさに自家製インスタント味噌汁ですね。
味噌は冷凍庫でも固まらないので、お湯にもすぐ溶けて手早く美味しい味噌汁が楽しめますよ。
まとめ
・味噌汁が傷んでいるか見分けるには「酸っぱい臭いがするか」「汁に粘り気がないか、白っぽくなっていないか」を確認
・傷んでいると判断した場合は、食中毒を起こさないためにも決して食べない
・日持ちしない味噌汁を上手に長持ちさせるためには冷蔵・冷凍保存
・自家製インスタント味噌汁「味噌玉」を活用する
味噌汁は、わたしたち日本人の食事には欠かせない存在で、これからも数多く作り、食べることになるかと思います。そんな味噌汁だからこそ、安全かつ美味しくいただきたいものです。
毎日の食事の時間を楽しく安全に過ごすためにも、ここでご紹介した、味噌汁の状態を見分ける方法や正しい保存方法などをぜひ実践してみてくださいね。

