最近のタピオカブームでよく耳にした「黒糖」。黒糖独特の深い甘みがあってとても美味しいですよね!
ところで皆さん、黒糖そのものを見たことはありますか?
ほとんどがお菓子や飲み物として販売されていると思います。そこで今回は黒糖と白砂糖との違い、メリット・デメリットや食べすぎによる影響についてご紹介します。
黒糖にの特徴・普通の砂糖との違い
黒糖とはサトウキビから搾り取った汁を煮詰めてそのまま冷やしたもので、主に鹿児島県や沖縄県、離島などで生産されています。
また、黒糖には
- 黒糖(黒砂糖)…サトウキビの搾り汁を煮詰めて濃縮後、そのまま固形になったもの。ブロック状や粉状のものがある。
- 加工黒糖…黒糖に粗糖、糖みつなどを混ぜて加工したもの。
- 加工糖…粗糖や糖みつを混ぜて加工したもの。黒糖は使われていない。
の三種類があります。
精製されている白砂糖と違い、雑味にあたるサトウキビのミネラル分が多く含まれるため、まろやかなコクのある甘みと香りが特徴です。
ではここで黒糖と砂糖界で一番メジャーな白砂糖の成分を比べてみましょう。
黒糖 | 白砂糖 | |
エネルギー(kcal) | 352 | 391 |
たんぱく質 (g) | 1.7 | 0 |
脂質 (g) | Tr | 0 |
炭水化物 (g) | 90.3 | 99.3 |
カリウム (mg) | 1100 | 2 |
カルシウム (mg) | 240 | 1 |
マグネシウム (mg) | 31 | Tr |
鉄 (mg) | 4.7 | Tr |
亜鉛 (mg) | 0.5 | 0 |
ビタミンB1 (mg) | 0.05 | 0 |
ビタミンB2 (mg) | 0.07 | 0 |
ナイアシン (mg) | 0.8 | 0 |
ビタミンB6 (mg) | 0.72 | 0 |
ビタミンB12 (μg) | 0 | 0 |
葉酸 (μg) | 10 | 0 |
パントテン酸 (mg) | 1.39 | 0 |
ビオチン (μg) | 34.0 | 0 |
(日本食品標準成分表2020年版より一部抜粋)(Tr=微量)
これを見ると栄養成分が豊富な黒糖はなんだか身体にいいイメージがありませんか?
特にむくみ解消に作用するカリウムや骨をつくるもととなるカルシウムなんかは豊富に含まれていることが分かります。筆者もダイエットをするなら黒糖がおすすめ!なんてことを耳にしたことがあります。
そんなに美味しい(オイシイ)面しかないのかな?と気になってしまいますよね。(笑)まずはそんな黒糖のデメリットについて紹介します。
黒糖のデメリット
料理によって合わないものがある
煮物や甘酢あんなど味にコクを出してくれるときもありますが、お菓子作りの時には特に注意したほうがよいです。
スポンジケーキやカステラなどに使用してしまうとあの独特な風味により「黒糖味」になってしまいます。また、ホイップクリームやメレンゲに使用すると白く仕上がらないため注意しましょう。
価格が比較的高い
黒糖・白砂糖・グラニュー糖・三温糖・ざらめの5つで比較してみます。
黒糖 | 白砂糖 | グラニュー 糖 | 三温糖 | ざらめ |
¥600~1200 | ¥190~250 | ¥200~300 | ¥200~250 | ¥300~400 |
(1㎏あたり)
スーパーに売っているほとんどのものが300g300円~となっており、この表からしても黒糖は比較的価格が高いと言えます。
つい食べ過ぎてしまう
上で述べたように白砂糖と違い、黒糖にはまろやかで独特のコクがあります。そのため飴のようになめたり、ポリポリとつい食べ過ぎてしまいがちです。
ミネラルが含まれているとはいえ糖には変わりないので、食べすぎには注意しましょう。では、黒糖を食べ過ぎるとどんな影響があるのでしょうか。
黒糖の食べ過ぎが身体に与える影響
カロリーの過剰摂取
お菓子としてそのままでも食べられる黒糖はつい食べ過ぎてしまうことがあります。
黒糖の100gあたりのカロリーは352kcalとなっており、決してカロリーの低い食品とは言えません。食べ過ぎてしまうとカロリーの過剰摂取による肥満や糖尿病の恐れがあります。
食べ過ぎを防ぐために小さめのかけらを1日3粒など、個数を決めておくといいでしょう。
血糖値の急上昇
「小腹がすいたなぁ…」と感じ、黒糖をたくさん食べると血糖値が上がります。いろんな栄養成分が含まれているとはいえ、糖であることは変わりません。
血糖値が急上昇すると身体は「まずいぞ!下げなくちゃ!」と脳が命令し、血糖値を下げる“インスリン”というホルモンがたくさん分泌されます。
こうなってしまうとインスリンが血糖値を下げすぎてしまい、低血糖になる恐れがあります。低血糖になると倦怠感や眠気などの症状が現れ、とても危険です。
このようなことを防ぐためにも、一度にたくさん食べすぎないように気を付けましょう。
これまで黒糖のデメリットや食べすぎによる危険な面についてご紹介しましたが、もちろんメリットもあります。
ミネラルやビタミンが豊富な黒糖はたくさんのメリットがありそうですよね!それでは、黒糖のメリットについてお伝えいたします。
黒糖を食べるメリット
栄養価が高い
糖の中でも黒糖の栄養価はかなり高いです。
白砂糖やグラニュー糖、はちみつと比べても主なエネルギーである炭水化物のほかにビタミンやミネラルが豊富に含まれています。これはサトウキビの搾り汁を一切加工せずに固めた黒糖の代表的な特徴の一つとして言えるでしょう。
黒糖にはミネラルの中でも不足しがちなカルシウムが多く含まれています。
牛乳に溶かして黒糖ラテにしたら、おいしく効率よくカルシウムを摂取することができますね。
エネルギーに変換されやすい
糖がエネルギーに変換されるには、糖の代謝を助けてくれるビタミンB1が欠かせません。黒糖にはそのビタミンB1も含まれているため、脳のエネルギー源であるブドウ糖に変換されやすくなっています。
仕事の勉強の合間やちょっと疲れた時に一粒食べるのがおすすめです。
味にコクが出る
先ほど「黒糖は料理によって合わないものがある」とお話しましたが、煮物などに使うと深いコクが出ます。
筆者も、酢豚や角煮を作るときの砂糖を黒糖にしたらかなり本格的な味に近づき、その日からなるべく黒糖を使って料理をするようになりました。(笑)
他にも黒糖が合う料理はいろいろありますので、皆さんもぜひ試してみてください!
まとめ
さて、ここまで黒糖についてご紹介させていただきました。黒糖にはさまざまな栄養が含まれており、身体にいい成分も多いことがわかりました。
一方で、身体にいいとはいえ“糖”であることは忘れてはいけません。
また、黒糖はサトウキビの搾り汁を一切加工せずに固めている製造方法であるため精製度が低く、ボツリヌス菌の芽胞が含まれている可能性があります。
そのため、はちみつ同様1歳未満の子どもには控えるようにしましょう。この記事の前半にもあるように、黒糖は食べ過ぎること以外に身体に起こるデメリットはありません。
適切な量を摂取することを心掛けて、ぜひ日常生活に黒糖を取り入れてみてください。