焼き鳥の鉄板メニューである砂肝。脂も少なく、ヘルシーでコリコリ感が癖になりますよね。でも一口かじってみたら身がまだ赤い状態だけど、大丈夫なのかな?と心配になったことはないですか?
この記事では、身が赤くても食べられるのか?もう少し焼いた方がいいのか?というお悩みを解決します!
砂肝が食べられる状態とはどのような見た目なのか?もし半生の状態で食べてしまった場合に起こりうるリスクと美味しく安全にいただく方法をご紹介します。
目次
砂肝って一体どこの部位?
砂肝とは鶏の砂嚢(さのう)胃の一部のこと。鶏はエサを食べるときに噛まずに飲み込むので、この砂嚢で噛み砕いて消化します。砂肝のほとんどが筋肉で作られているのでコリコリとした食感があるのです。
また、一般的に「砂肝」と呼ばれることが多いですが、九州をはじめとする西日本では「砂ずり」と呼ぶことが多く、居酒屋に行ってもメニューには「砂ずり」と書いてあります。
砂肝が生焼けかどうかの見分け方
砂肝の調理には適度に火を通すことが大切です。生焼けの状態の見た目はと身がピンクの状態。お店で焼き鳥を注文すると、身がピンクの状態の焼き加減で提供されることが多く、一口かじるとぷりぷりジューシーな食感を楽しむことができます。
しかし、これは新鮮な場合のみ。鮮度が落ちると、鮮やかな色ではなかったり、においが気になる場合は注意が必要です。
注意していても、半生の砂肝に当たってしまった場合、カンピロバクターという菌が原因で体調不良が起こる可能性があります。カンピロバクターにかかるとどんな症状がおきるのでしょうか。
カンピロバクターとは?
牛・豚・鶏の家畜をはじめとする動物の腸内に生息する菌のこと。人間にも移る可能性があり、主に消化器系の症状がでることがあります。
主な症状
- 腹痛
- 吐気
- 嘔吐
- 下痢
- 発熱
- 体のだるさ
このように食あたりの症状が出ます。ひどい場合は、意識障害や手足の麻痺、顔面麻痺などの「ギラン・バレー症候群」が起こることもあります。一般的に、これらの症状がでるまでに2、3日、症状が重くなると数週間後に発症することもあります。
健康な成人は免疫力もあり比較的発症しにくい傾向もありますが、抵抗力の低い子どもやお年寄りが生焼けの状態で食べると上記のように症状がでやすいので注意が必要です。
砂肝は身が赤くても食べられるの?
答えはYES! 実は、砂肝のお刺身も存在するほど、生で食べても大丈夫な食材なんです!しかし、鮮度にもよるので、身が赤いと中まで火が通っていない状態は食中毒になる可能性があります。お家で調理して食べる際は特に注意が必要です。
日本の法律においても生肉を安全に食べるための衛生法が設定されています。「生食用食肉の衛生基準法」というルールがあり、その対象は牛や馬の肉・肝臓です。
そのルールに沿って処理したものだけが生で食べられる決まりになっていますが、砂肝はその対象には入っていません。なので、しっかりとした知識を持って、適切な自己判断ができることが大切なのです。
砂肝の上手な火の通し方
砂肝といえば、一般的には焼き鳥がよく知られていますが、どのようにしたらお店のようにジューシーでコリコリ食感を残しつつ、火が通せるのでしょうか。調理のしかたによっても異なるので、調理方法別にご紹介します。
どんな調理方法でも共通して、しておくとよいことが下処理です。短時間で火を通すことができたり、食べやすいように工夫することもできます。
- 下処理のしかた
砂肝の表面には青白い部分があります。その部分が硬い部分なので、手または包丁で表面を取り除きます。たまに黄色い脂肪がついていることがあるので、ついていた場合は取り除きましょう。
全ての調理方法に共通して、丸ごと焼く場合は、火が通りにくいので、切り目を数カ所にいれることで、肉厚の砂肝も短時間で中まで火を通すことができます。
- フライパン
フライパンでは中火で5分〜10分弱焼くとちょうど良く焼き上がります。
中までしっかり焼きたいという方はクッキングペーパーなどをフライパンに敷いて焼くと焦げることなく中まで火を通すことができます。
- 電子レンジのグリル
予め電子レンジのグリル機能で庫内を温めておきます。鉄板にクッキングペーパーを敷き、200°で約25分焼くとフライパンとはまた違い、バーベキューで焼いたようなジューシーさが味わえます。
ここで注意してほしいのは、電子レンジ機能で温めないこと。電子レンジ機能を使用すると、卵を電子レンジで温めると爆発する恐れがあるのと同様に爆発する危険があるので気を付けてください。
- トースター
少々時間はかかりますが、一番手軽なのがトースター。アルミホイールをくしゃくしゃと軽く丸め、広げて、その上に砂肝を乗せます。トースターで約30分焼くとちょうど良い焼き加減に仕上がります。
砂肝で食中毒を防ぐために注意したい点
食中毒を起こさないために砂肝を食べる際にはどのようなことに注意が必要なのでしょうか。
新鮮な砂肝を使用する
自宅で調理する場合は、新鮮な砂肝を使用するようにしましょう。購入して数日経つと鮮度も落ち、菌が増殖するリスクが上がるため、購入後はすぐに調理することがおすすめです。
2.火の通し方を工夫する
火を通す際は、中まで火が通るよう、切り目を入れるなどの下処理をしておくこと。また、焼き上がりに竹串を刺し、弾力があるかを確認しましょう。刺した後の竹串を唇に当てて、竹串が熱くなっていたら火が通っている印です。
3.調理器具の使い回し
生の砂肝を扱った箸や調理器具をそのまま使用し、完成した砂肝などに使用すると生きたままのカンピロバクター菌が移ることがあります。
カンピロバクター菌は熱を通すと死滅するので、調理器具は生もの用と加熱後用のものと区別することが中毒を防ぐ方法です。
まとめ
砂肝は完全に火を通していなければ食べられない部位ではありませんが、新鮮さや温度などあらゆる条件で安全性は異なります。特に気温が上がってくる季節に調理する際は注意が必要です。
少しでも不安な場合は、食中毒にならないよう焼き加減の確認をしっかりと行い、半生の場合は焼き直すなど、中まで火を通すようにして、美味しく安全にいただきましょう。