最高気温がだんだん高くなり、春らしい気候になってきました。そろそろスーパーなどでも色とりどりの果物が出回る頃ですね。
大人が食べている物は子供にとって興味深く、目を引くもの。自分の子供がじっと食べ物を見つめているのを目の当たりにすると、親としては食べさせてみようかな、と思う気持ちがわいてくることでしょう。
ただ、子供がまだ赤ちゃんだったり、アレルギー持ちだったりすると、「食べさせて大丈夫かな」と不安も感じますよね。今回は、果物の中でまもなく旬を迎えるマンゴーについて、赤ちゃんが食べる時の注意点をお伝えいたします。
マンゴーは赤ちゃんに与えても大丈夫?
赤ちゃんが食べるということは、つまり離乳食。そもそもマンゴーは離乳食に適しているのでしょうか。
マンゴーは離乳食に適している?
例えば、離乳食の1つにヨーグルトがあります。ヨーグルトには「桃味」「りんご果肉入り」「みかん果汁入り」など、フルーツと組み合わせたものがたくさんあります。
「マンゴー味」というものも見かけたことがあるかと思います。柔らかさから考えてみても、マンゴーは離乳食として与えることができると言えます。
いつから与えても大丈夫?
「離乳食」と一口に言っても、段階はさまざま。マンゴーは南国のフルーツであり、生で食べさせることを考えると「パクパク期」である生後11ヶ月から1歳くらいの離乳食後期あたりに試してみるのが良いでしょう。
マンゴーを赤ちゃんに食べさせる時の注意点
しかし、注意しなければならない点が2つあります。
①マンゴーにはアレルギー物質が含まれている
マンゴーは実はウルシ科の植物です。実際に経験がなくても「ウルシはかぶれる」と聞いたことがあるのではないでしょうか。ウルシ科であるマンゴーも「マンゴール」というかぶれの原因となる物質を持っています。
そして、このマンゴールに対し、アレルギー反応が出る場合もあります。離乳食の代表的な果物は、みかんやすりおろしたリンゴなどですが、もし、マンゴー以外の果物ですでにアレルギー反応が出ることがわかっているのであれば、マンゴーは避けた方が良いかもしれません。
③与える量
以上の理由から、最初は「スプーン1杯」からスタートするのが良いでしょう。日頃アレルギー反応が弱い食べ物も、量が増えると強く反応することがあります。
食べ続けるのであれば量を加減しながら様子を見ましょう。また、マンゴーは南国のフルーツであり、通常は火を通さずにそのまま食べることがほとんど。
大人も生ものを取りすぎるとお腹がゆるくなったり、下すことがあるかと思いますが、消化器系が発達段階の赤ちゃんの腸はもっと敏感です。初めてマンゴーを与える時は、食べた時の様子や便の状態を確認しながら食べさせるようにしましょう。
やむをえずマンゴーを赤ちゃんに食べさせる場合
「え〜、あなたこの前、桃で湿疹が出たじゃない!マンゴーなんてもっとダメよ!」と親がアレルギーを心配しても「嫌だ!食べたい!」と言わんばかりに子供が大泣きすることがありますよね。
重度のアレルギーは命に関わりますので、親としては食べさせたくない。でも、泣き叫ぶ自分の子供も見たくない。そんな場合は「熱を加える」という方法があります。
マンゴーを加熱する
食べ物は熱を加えることで、
・殺菌される
・冷えを防ぐ
・消化しやすくなる
・アレルギーが出にくくなる
という効果があります。例えばお魚。お刺身は生ですので食中毒の心配がありますし、食べすぎるとお腹が冷え、下すこともあります。煮付けは火を通しますので殺菌され、食べるとポカポカ温かく、また、消化しやすくなります。
これはマンゴーにも同じことが言えます。加熱すると物質が変化するため、アレルギーが出にくくなる、というメリットもあります。電子レンジで温めるのが一番簡単な方法ですが、「温かいマンゴー…?」と違和感を感じるかたは、鍋で煮詰めてジャムにするのがおすすめです。
ジャムにするとペースト状になり、消化が早く、生で食べさせる時よりもアレルギー反応が出にくくなります。ただし、アレルギー物質がゼロになるわけではありませんので、ご注意ください。
平日の午前中に与える
「なぜ?」と感じるかたもいらっしゃるかもしれませんが、これは万一の時に病院に駆け込めるようにするためです。
あまり想像はしたくない状況ですが、万一、アナフィラキシーショックなど重度のアレルギー症状が土日の夜中に出てしまっても、夜間開いている病院はほとんどありません。
平日の午前中であれば病院も開いていますし、タクシーも呼んだらすぐに来てくれるような時間です。不安のある食べ物を与える時は、平日の午前中をおすすめします。
マンゴーは赤ちゃんに食べさせてもOK!ただし…
お伝えしたとおり、マンゴーは赤ちゃんに食べさせてもOKです。ただし、
・食べ始める時期は生後11ヶ月から1歳くらいの「パクパク期」あたりから。
・まずはスプーン1杯からスタート。
・アレルギーの心配があってもやむを得ず食べさせる場合は、加熱するという方法もある。
・もしものことが起こった場合に備え、最初は平日の午前中に試してみる。
以上のことに気をつけてください。お子さんにとって自分が興味を持ったものが食べられる、という体験はとてもうれしいですし、親の立場から見ても感慨深いものがあります。ぜひ今回ご紹介した方法を試していただき、お子さんの食育につなげてみてくださいね。
コメントを残す