「海のミルク」といわれているほど、牛乳と同じように様々な栄養を含んでいる牡蠣。ただその一方で、冬の食中毒5割以上が牡蠣などの2枚貝によるノロウイルスともいわれています。
でも大丈夫です。ノロウイルスは火を通すことで、防ぐことができるため、正しい調理方法さえ知っていれば、存分に楽しむことができます。今回は、牡蠣をおいしく正しく食べるために加熱時間や加熱温度など、
気を付けていただきたい点をご紹介したと思います。
目次
牡蠣が食中毒になりやすい原因
まず大前提として、知っておきたいのが食中毒になる原因です。食中毒は、大腸菌、サルモネラ菌といった細菌が原因でおこるものと、ノロウイルスなどのウイルスが原因でおこるものがあります。
牡蠣を含む二枚貝(牡蠣、アサリ、ハマグリ、ホタテ など)は、水管から吸い込んだ微生物や有機物の微粒子をえらでこして食べる、「ろ過摂食」が特徴です。
特に牡蠣は、1日に200~400リットルの海水をろ過するフィルターのような役目を果たしており、「海の掃除屋」と称されるほどです。
※ほかの二枚貝は、1日10リットルほどつまり、二枚貝は細菌やウイルスを体内に取り入れており、細菌やウイルスは、加熱することで失活化されますが、生食で食べる機会が多い牡蠣が、食中毒になりやすいといわれているのです。
また、冬の牡蠣を食べたことによる原因としてよく耳にするノロウイルスは熱に強いため、加熱調理しても、火が十分にとおっていなければ、活性化したノロウイルスを体内にいれることになるため食中毒になってしまうのです。
牡蠣の加熱時間や加熱温度はどれくらいがいいのか
では、実際には、何度でどのくらい加熱したら食中毒を防ぐことができるのでしょうか。細菌は、「75度以上で1分以上」ウイルスは「85度~90度以上で1分以上」加熱することにより、失活化することができます。
また、厚生労働省が定めた基準によると、「中心温度が90度になってから90秒以上」とされています。
実際の調理時間については、調理方法別に図にまとめているので、参考にしてみてください。
《牡蠣の調理時間と調理温度》
| 茹でる場合 | 沸騰したお湯で3分から5分 |
| 揚げる場合 | 180度で4分以上 |
| 焼く場合(殻なし) | 10分程度 |
| 焼く場合(殻つき) | 殻が開くまで |
ここで注意していただきたいのが、あくまで加熱により菌やウイルスを「失活化」させるだけで完全に「「死滅」させることはできません。
正しい調理時間や温度で加熱しても、食中毒を防げるわけではありません。では、どのようにしたら安全においしく牡蠣を食べることができるのでしょうか。
牡蠣の食あたりを防ぐには(牡蠣の選び方、調理の仕方)
ここまで読んでいただいた方は、「あれ、牡蠣って生で食べるよね。じゃあ、みんな食中毒になるんじゃない?」と思った方もいらっしゃるでしょう。
そう、牡蠣は生で食べる機会が非常に多い二枚貝です。最初も述べたように、二枚貝は個体ごとに食中毒の原因菌をもっています。牡蠣を食べた人が全員が食中毒にならないのは、どうしてでしょうか。
牡蠣を選ぶときに見るべきポイント
皆さんは、スーパーなどで売られている牡蠣には、「生食用」「加熱用」に2種類があるのを、ご存知でしょうか。魚でも見かけますが、この2種類の分類方法が魚とは違います。
魚は「鮮度」で「生食用」「加熱用」に分類されていますが、牡蠣は「海域」(生産地)と「細菌数」で分類されているのです。
二枚貝は、自分のまわりの海水を体内に取り入れることにより、食べ物を摂取しています。陸から近い沿岸部の牡蠣は、川から流れてくる豊富な栄養を取り入れて育ちます。
川に近いということは、生活排水も混ざっていますよね。栄養を多く摂って丸々と太る分、細菌やウイルスも多く取り入れてしまっているのです。
この体内に含まれている細菌数が一定数以下であれば、「生食用」として、販売することができるというわけです。
逆に川から遠い沖合で育った牡蠣は、栄養よりも海水を多く含み、水分が多い個体になってしまいます。天然もので生食用として出回っている牡蠣が小さいと感じるのも、この海域が違うからなのです。
「生食用」の牡蠣は、細菌を減らすために、きれいな海域で育っていたり、浄化処理がされてから出回っています。「加熱用」は、そういった処理がされていない状態で販売されているので、新鮮だからといって、を生でたべることは絶対にしないでください。
牡蠣を食べて食中毒にならないための調理方法と注意点
調理方法にあった牡蠣を選んだら、次に注意するのが「調理方法」です。一番は「消費期限」に注意してください。
冷凍で保存されている牡蠣は、「生食用」「加熱用」にかかわらず、2日~3日となっています。
ほかの食品でやりがちな「火を通せば大丈夫」は通用しませんので、気を付けてください。期限内には、必ず食べましょう。
ノロウイルスは、食品内では増えません。人間の腸内に入った瞬間、少量でも一気に増えます。生で食べる際には、殻を十分に洗ってください。殻に雑菌が付着していて、
口から体内に入り込み、食中毒になります。次に加熱調理する場合ですが、他の食品と一緒に調理する場合は、菌がうつらないように、最後に調理するようにしましょう。
使い終わった調理器具は、必ず熱湯消毒を行ってください。あ、手を拭いたタオルや衣服などの洗濯も忘れずに。
「生食用」「加熱用」どちらの場合でも、臭みやヌメリを取るために、塩でもみ洗いするのもおすすめです。ヌメリを取るのにおすすめなのが、「片栗粉」です。
片栗粉を全体にまぶすことによって、汚れや雑菌を取り込み、さらにボウルの中ですすぐことで雑菌を片栗粉の重みで水中に沈めることができます。
また、食中毒に効果的だろ言われているのが、「薬味」です。玉ねぎやニンニク、ショウガ、わさび、シソ、ミョウガ、ハーブやスパイスなど、におい成分を含む食品は、抗菌作用があります。
おばあちゃんとかがよく薬味を使った料理を作っているのは、理に敵っていたんですね。お好みで試してみてください。
おいしく安全に牡蠣を食べてるためにも、意識してみてください。あなたの心がけひとつで牡蠣の安全性がグッと上がります。
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