アイスを持ち帰る時や、スーパーで冷凍食品などを購入すると、保冷剤としてついてくるドライアイス。
水の入った器に入れると、もくもくと出てくる煙の不思議な光景には、子供たちだけでなく大人たちにとっても、大変惹きつけられることでしょう。
また、その煙を眺めるだけではなく、ドライアイスを使っていろいろな遊びをしてみたいと、誰もが思うことでしょう。
しかし、正しく扱わないと取り返しのつかない事故や、大怪我の原因となる恐れがあります。
この記事を読むことによって、子供でも安全に楽しめるドライアイスの遊び方やその注意点、そして安全な捨て方の知識を身につけることができます。
目次
ドライアイスの遊び方
ドライアイスから出てくる煙で遊ぶ
シンプルに煙を楽しむ
いちばんシンプルな遊び方としては、水を入れた器にドライアイスを入れ、もくもくと出てくる煙を楽しむことです。
そのまま煙を眺めるのもよし、煙を触ってみるのもよし、息を吹きかけてみるのもよしと、これだけでも十分遊ぶことができます。
また、ドライアイスの入った器を床に置いて煙を撒けば、歌番組に出てくる芸能人の気分みたいになれるので、自宅などでパーティーをする時に演出を楽しむことが出来ます。
さらに高度な遊び方…空気砲
より高度な楽しみ方として、ダンボール箱を使った「空気砲」があります。
- ダンボール箱を組立てて、隙間がないようにガムテープを貼ります。
- 箱の1ヶ所に空気の出る穴を丸く開けます。
- 水とドライアイスを入れた、もくもくと煙が出ている状態の器を入れて、ダンボール箱内に煙を十分に充満させます。
- 仕上げに、ダンボール箱を丸く穴をあけた際に切り取った部分で、フタをすると良いです。
ダンボール箱内に煙が充満したところで、フタを開けて箱をたたくと、穴からドライアイスの煙が、ドーナツのような白い輪となって外に飛び出してきます。
柔らかいものを膨らませて遊ぶ
ドライアイスは、二酸化炭素に高い圧力を加えて冷却し、固体化したものです。そのため、少量のドライアイスでも気体化すると、ものすごい体積に膨張します。
特に、水の入った器にドライアイスを入れると、白い煙を出しながら勢いよく気体化します。次に、ドライアイスが気体化して膨張するのを利用した、安全な遊び方をご紹介します。
スライムで包む
- 平らなトレーなどの一面にスライムを薄く伸ばし、その上にドライアイスを乗せます。
- そのスライムでドライアイスを包み込むと、ドライアイスが気体化して膨張することにより、スライムが膨らんできます。
- スライムが耐えきれないほど、ドライアイスが膨張すると、膨らんだスライムがパカッと割れます。
割れたら、またスライムで包みなおせば、何度でも楽しむことができます。
砕いて風船に入れる
砕いた少量のドライアイスを風船に入れて、振っただけで風船を膨らませることができます。さらに、水を少し入れると、急速に風船が膨らんできます。
ただし、ドライアイスの入れすぎや、風船が割れないように、十分ご注意下さい。
泡を膨らませる
水の入った器に洗剤を入れて混ぜ、そこにドライアイスを入れると、ポコポコと泡が大きくなります。
しかも、器いっぱいに膨らむほどの大きな泡が、次々と現れてきて、何とも不思議な光景を楽しむことができます。
シャボン玉で遊ぶ
器の中から、もくもくと煙を出しているドライアイスの上でシャボン玉を飛ばすと、シャボン玉が器の中に落ちることなく、割れるまで器の上で宙に漂い続けます。
それは、空気の方が二酸化炭素より軽いために、空気を含んでいるシャボン玉が、二酸化炭素の上で浮き続けることができるからです。
決して器の中に落ちることのないシャボン玉の様子は、これもまた、大変不思議な光景ではないでしょうか。
金属を置いて遊ぶ
ドライアイスの上にスプーンを置くと、ジリジリとベルが鳴るかのように震えながら音を発し、コインを立てて差し込むと、カタカタとあおぐように揺れながら音を発します。
それは、金属の周りで気体化した二酸化炭素が、金属を持ち上げようとするけれども、金属の方が重いので、すぐにドライアイスの上に落ちてしまい、その時に音を発するからです。
それを小刻みに繰り返すので、スプーンがベルのような音を立てたり、コインがカタカタと音を立てたりします。
スプーンやコイン以外にも、色々な金属を置いたり、置き方を工夫したりするなどして、どんな動きや音を出すのかを楽しんでみるのも、面白いかもしれません。
ドライアイスで遊ぶ時の注意点
ドライアイスを持つときは、乾いた軍手や手袋をすること
ドライアイスの温度は、約-80℃となっており、素手で直接触ると凍傷になります。そのため、触れたり持ったりするときは、必ず軍手や手袋をしてから行うようにしましょう。
きちんと軍手や手袋をしても、軍手や手袋が湿っていたり濡れていたりするのを使うと、これも凍傷の恐れがあります。
軍手や手袋を使用するときは、必ず乾いたものを使うようにしましょう。
ドライアイスは絶対に口に入れないこと
もちろん、ドライアイスを口に含むのも、とても危険です。口に含むと粘膜には水分が多く含まれているために、口の中でドライアイスが貼りついてしまいます。
さらに、一度粘膜に貼りついたドライアイスは、完全に溶けきるまで剥がす事ができないため、貼りついた所の粘膜の細胞が、-80℃の低温によって壊死してしまう恐れがあります。
そのため、ドライアイスは、決して口に含んではいけません。
ドライアイスを入れた容器やボトルを、閉じないこと
ドライアイスが気体化すると、約750倍にも体積が膨れ上がります。
そのため、プラスチックの容器やペットボトル、そしてガラスのビンなどにドライアイスを入れて密閉すると、その中で急速に気体化するとともに、膨張もしていきます。
容器が、二酸化炭素の膨張に耐えきれなくなると、破裂してしまう危険性もあります。
過去には、ペットボトルが破裂した際に、キャップが目に直撃した事で失明したという事例もありますので、ドライアイスを密閉するのは絶対にやめましょう。
お湯に入れないこと
ドライアイスは、お湯に入れると、高温で急激に温められるために、気体化したときに一気に膨張します。容器やボトルに入れて密封状態にしたときと同様、大変危険です。
爆発を起こすことがありますので、決してお湯に入れないようにして下さい。
十分換気をする
ドライアイスの正体は、二酸化炭素ですから、特に屋内で遊ぶときは、十分換気するようにしましょう。二酸化炭素は、空気より重いために、低いところに溜まりやすくなります。
特に小さなお子さんは、テーブルの下に潜り込んだり、床にしゃがみこんだりする場合がありますので、しっかりと様子を見ながら、目を離さないように注意しましょう。
もしも、一緒に遊んでいる人たちの中で、頭痛や吐き気などの症状を感じる人がいたら、酸欠などを起こしている場合がありますので、換気の良いところで休ませるようにして下さい。
ドライアイスの捨て方
ドライアイスは、常温でもすぐに溶けていくので、少しの量でしたら、そのままキッチンの流しに置いておけばなくなってしまいます。
けれども、大量にある場合は、流しに置いておくと、流し自体が急激に低温で冷やされるために、流しにひびが入る恐れがあります。
大量にある場合は、バケツなどの大きめの容器に水を入れて、その中でドライアイスを溶かしましょう。そのときも、換気には十分注意しましょう。
まとめ
ドライアイスの遊び方で、子供でも安全に楽しめる方法として、大きく分けて3つの方法があります。
- ドライアイスから出てくる煙で遊ぶ
- 柔らかいものを膨らませて遊ぶ
- 金属を置いて遊ぶ
ドライアイスで遊ぶ時には、次の点にも注意しましょう。
- ドライアイスを持つときは、乾いた軍手や手袋をすること
- ドライアイスは絶対に食べようとしないこと
- ドライアイスを入れた容器やボトルを、閉じないようにする
- お湯に入れないこと
- 十分換気をする
ご家族でドライアイスを使って遊ぶ時にはぜひ、これらの点に注意しながら、安全に楽しく遊ぶようにして下さい。